ポロネギとは
ポロネギは、長ネギによく似た野菜です。リーキ(リーク)、西洋ネギ、ニラネギとも呼ばれています。日本ではまだあまり見かけられない野菜ですが、昔からヨーロッパやアメリカではとてもポピュラーな野菜で、季節を問わずいろいろな料理に使われてきました。
基本情報
名前 | リーキ、リーク、ポワロネギ、ポロネギ、西洋ネギ、 ニラネギ、西洋ニラネギ |
学名 | Allium ampeloprasum var. porrum |
分類 | ヒガンバナ科(ユリ科):ネギ属 |
開花時期 | 5月、6月 |
花色 | 白 |
収穫時期 | 11月中旬〜2月 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや強い |
草丈 | 〜100㎝くらい |
ポロネギは、風通しと日当たりがよい場所を好みます。ネギ類同様、生育に適した温度は20℃前後ですが、暑さにも寒さにも耐性があるため、気温が0℃を下回っても枯死しない強さを持っています。また、病害虫がつきにくく、比較的育てやすい野菜です。
原産地
ポロネギの原産地は、日本から遠く離れた地中海の沿岸地域です。ポロネギは寒さに強いため、イギリスなどの寒い地方を含むヨーロッパ全域が産地であり、盛んに栽培されています。20世紀をすぎたころからアメリカやオーストラリアなど、世界各地での栽培が増え、産地も次第に広がっていきました。
歴史
ポロネギは、歴史の古い野菜です。古代エジプト時代には栽培がされていた記録があり、聖書にもポロネギが登場しています。また、紀元前からギリシャやローマで食べられていたともいわれています。日本には明治初期に西洋ネギとして伝わりましたが、日本ではすでに長ネギが広く使われていたため、ほとんど普及することはなかったようです。
名前の由来
日本でのポロネギという名前は、イタリアでの名称ポッロ(porro)が語源といわれています。また、フランス語でネギを意味するポワロー(poireau)の影響を受けているとの説もあり、ポワロネギ、ポアロネギと呼ばれることもあります。古くからの産地であるイギリスではリーキ、リーク(leek)と呼ばれ、それが世界的に知られる名称です。
流通
海外では季節を問わず、一間を通じて手に入れやすいポロネギですが、かつての日本ではポロネギを取り扱っているスーパーや青果店は多くありませんでした。しかし、欧州の野菜が注目され始めた近年、日本でポロネギ販売も増えつつあります。日本ではポロネギを栽培している農家がまだ少ないため、流通しているのはオランダ産やベルギー産の輸入ポロネギが多いようです。
ボタニ子
価格
以前、日本で販売されていたポロネギにはかなりの高値がつけられており、1本1000円程度で売られていることもありました。近年では少しずつ国内生産されるようになったこともあり、だんだんと手頃な価格に落ち着いてきています。しかし、ポロネギは日本ではまだ希少な高級野菜の部類に入るといえます。現在でもほかの野菜に比べると価格がやや高く、1本数百円ほどすることが多いようです。
ポロネギの特徴
特徴①見た目
一見、ポロネギは日本の長ネギと似ています。細長い円筒形で根に近い白い部分と緑の葉の部分に分かれています。長ネギとの違いは、ポロネギのほうが全体的に太いことです。根元に近づいていくほど、さらに太くなっています。また緑色の葉の部分がVの字のように見え、先端は左右に分かれて伸びています。葉自体は硬くて適度な厚みがあり、ニラの葉のように平らに潰れた形状です。
特徴②味と香り
ポロネギは長ネギと違い、生で食べても甘くまろやかな味で、ネギ特有の刺激臭や苦味はありません。さっと火を通すだけでも、甘みが強くなり、さらにおいしく食べられます。また、煮込むといっそう甘みが強くなり、トロリとした柔らかい食感が楽しめますし、煮くずれしにくく見栄えも悪くありません。味にも香りにも長ネギほどクセがないので、長ネギが苦手な人でも比較的食べやすいのが特徴です。
特徴③旬の季節
ヨーロッパなどでは季節ごとに適したポロネギの品種があり、一年を通じて生産され、季節にかかわらず流通しています。欧州に比べると、日本のポロネギはまだ少量しか生産されていません。北海道や長野県、静岡県などで作られていて、秋~冬にかけての時期が旬の季節です。また、冬を越えたポロネギは、香り高く甘みも強いといわれて人気があります。
流通が少ないことから、リーキを使う料理では、調理のときは長ネギで代用されることも多かったそうです。