ドドナエアの概要
ドドナエアの原産地
ドドナエアの原産国は、オーストラリアやニュージーランドなどの温暖な国です。同じ地域を自生地とするユーカリやミモザなどと同様に、葉も樹形に日本の植物にはない個性がありますよ。原産国に瘦せた土地が多いため、肥料がなくても元気に育つ点も長所です。
名前の由来
ドドナエアの名前は、植物学者の「Rembert Dodoens」が由来です。また、学名の「viscosa」には、「粘着力を持った」といった意味があります。これはドドナエアの小枝がねばねばとしていることにちなんでいます。「ポッププッシュ」という別名は、かつてオーストラリアの移住者が、この植物の葉をビールの原料である「ホップ」の代わりに使ったことからついたものです。
主な品種
ドドナエア・ビスコーサ
ビスコーサはドドナエアの基本種です。プルプレアに比べると葉のつき方がまばらで、寒い時期になっても銅葉にならないという特徴があります。プルプレア種と異なり紅葉はほとんど楽しめませんが、ナチュラルな樹勢が魅力的ですよ。個体によっては、成木になると葉が淡い紫色に変色することもあります。
ドドナエア・プルプレア
プルプレアは秋~冬にかけて紅葉する品種です。「紫色の」という意味の「プルプレア」が名前についているのも、緑色の葉が赤紫色に変化するためです。シックなワインレッドは存在感抜群で、シンボルツリーや観葉植物として人気があります。
ドドナエアの魅力
かわいらしいピンク色の鞘(さや)
ドドナエアは初夏に、緑色の葉に交じって薄いピンク色の花のようなものを枝につけます。これは実際には花ではなく、袋の形状をした鞘(さや)です。中には小さな種子がたくさん入っています。繊細な雰囲気とかわいらしいピンク色が、さわやかな季節にぴったりですよ。ちなみに開花は春先で、花はとても小さく目立ちません。
紅葉も楽しめるカラーリーフ
ドドナエアの品種のひとつである「ドドナエア・ビスコーサ」は、あざやかな紅葉も楽しめるのが魅力です。時期は一般的な紅葉よりも遅く、関東周辺では11月ごろから始まります。春~夏には美しい緑色だった細長い葉が、冬の寒さが深まるにつれて薄紫、ワインレッドと色を変えていきます。スタイリッシュなカラーリングは、庭の差し色としてもおすすめですよ。
丈夫で育て方も簡単
ドドナエアは非常に丈夫で、栽培が容易な植物です。日本の環境にもあっていて、1年で人の背丈を越えるほどの大きさに成長します。越冬も難しくありません。病気や害虫にも強く、ガーデニング初心者が入門編として育てる庭木にもおすすめですよ。また、常緑樹で冬でも葉が茂っているため、生垣や目隠しとしても人気があります。
ボタニ子
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出典:写真AC