ドドナエアの育て方【栽培スケジュール】
季節ごとにすること
春・夏は病害虫に気をつける
ドドナエアの開花期である春~夏にかけて特に大切なのは病気・害虫対策です。日当たり・風通しのよい環境を保ち、株のようすをこまめに観察してくださいね。水やりは基本的には降雨だけで十分ですが、用土が乾燥していると感じた場合は水を与えましょう。挿し木で株を増やしたい場合は、5月~6月が適期です。
秋は種まき
ドドナエアは秋に種まきを行います。土壌にしっかりと根付いた状態で越冬させるため、遅くとも10月下旬までには作業を終えるとよいでしょう。また、苗の植え付けや植え替えも同じくこの時期が適期です。
冬の剪定で樹形を整える
冬に行うべき作業は剪定です。枯れたり弱ったりしている枝を中心に剪定し、樹勢を整えたり、株全体の日当たりを改善させたりしましょう。多少強めに剪定してもよいですよ。また、生育に不安があったり春にたくさんの花を咲かせたかったりする場合には、この時期に緩効性化成肥料を追肥します。
ドドナエアの育て方【栽培環境】
栽培場所
ドドナエアは耐陰性が強く、半日陰でもしっかり育ちます。しかし日照量が足りないと花付きが悪くなることから、可能であれば日当たりのよい場所で栽培しましょう。暑さに比べると寒さにやや弱いため、冬場の気温が-5℃を下回る地域では室内に取り込んでください。-5℃以下の状態が続くと、葉が落ちたり花が枯れたりしてしまいます。
用土・元肥
ドドナエアは水はけのよい用土を好むため、庭植えで育てる場合は用土に川砂を混ぜるとよいでしょう。あわせて、たい肥と腐葉土を3割程度混ぜ込みます。市販されている庭木・観葉植物用の用土を使うのも便利です。元肥も特に必要ありません。鉢植え・庭植えいずれの場合も、極端に痩せた土壌以外は肥料なしでも十分元気に育ちます。
おすすめの培養土【果樹や庭木の培養土】
果樹や庭木の培養土
参考価格: 1,630円
「果樹や庭木の培養土」は、水はけ・水もちに優れた庭木用培養土です。腐葉土配合で通気性がよく、丈夫な樹木に育ちます。リン酸効果で花芽もたくさんつき、葉の色もあざやかになりますよ。庭木のほか、果樹にも利用可能です。
種まき・植え付け
ドドナエアは、種から育てることも可能です。時期は真夏と真冬を避けた、9月~11月ごろが適しています。よく晴れた、気候のよい日を選びましょう。卵のパックや小さなバットなどに種をまき、発芽したものから育苗ポットに植え替えてください。成長はゆるやかなため、なかなか芽が出なくてもあせらずに見守りましょう。
ドドナエアの育て方【日常管理】
水やり
ドドナエアを庭植えで育てる場合、水やりはほとんど不要です。自然に降る雨に任せ、極端に乾燥したときだけ水を与えればよいでしょう。鉢植えの場合も同様で、用土がしっかり乾いたのを確認してから水やりをしてくださいね。ドドナエアはやや乾燥気味の環境を好むため、水の与えすぎには注意しましょう。
追肥
ドドナエアは痩せた土地でも栽培できる丈夫な植物です。そのため元肥と同じく、追肥もほとんど必要ありません。生育に不安がある場合には、緩効性化成肥料を与えるとよいでしょう。肥料を与えるタイミングとしては、開花期を迎える前の2月ごろが適しています。
おすすめの肥料【ゆるやかに効く肥料】
グリーンプラン 肥料土 ゆるやかに効く肥料
参考価格: 748円
「ゆるやかに効く肥料」は、チッ素成分がゆっくりと効く緩効性の化成肥料です。ドドナエアのような樹木のほか、草花や野菜などにも使えます。粒状で扱いやすく、室内での使用にも向いていますよ。臭気やカビが発生しないのも嬉しいポイントです。
剪定
ドドナエアは枝が伸びやすいため、定期的な剪定が必要です。枯れた枝や余計な枝を剪定すれば、樹勢を整える以外に、通気性の改善も期待できます。下を向いている葉を取り除くと、全体的にすっきりとした印象になりますよ。剪定に適した時期は冬です。丈夫な植物で、多少強めに剪定しても枯れることはありませんよ。多めにトリミングして、好みの大きさに調整しましょう。
植え替え
ドドナエアを鉢植えで育てる場合、植え替え時期は9月~11月です。根詰まりの防止・解消や、株のリフレッシュに効果があります。鉢の用土は新しくしますが、根についている古土はなるべくつけたままで植え替えましょう。このとき、根を切り詰める場合には、葉も一緒に落とすことがポイントですよ。庭植えの場合は、生育不良や移動させたいといった理由がないのであれば植え替えは不要です。
ドドナエアの育て方【長く楽しむための管理】
病気対策
ドドナエアの栽培において特に注意が必要なのが「黒点病」です。糸状菌と呼ばれるカビが原因の病気で、葉や茎に小さな黒い点が現れます。発病した部分は治ることがないため、病変を見つけ次第すぐに切り落としてくださいね。高温多湿の場所で発生しやすいことから、特に梅雨の時期には注意しましょう。日当たり・風通しのよい場所で育てることで予防できますよ。
害虫対策
ドドナエアは害虫に強い植物なので害虫の心配はほとんどありませんが、ごくまれに「ネキリムシ(根切り虫)」という害虫が発生します。コガネムシの幼虫に似た形をしていて、地中で越冬したあと春先から活動を始めます。ふ化直後は葉を、大きくなってからは夜間に根や茎を食害するのが特徴です。被害株のまわりの土中に隠れているため、土を掘り返して駆除しましょう。
おすすめの駆虫剤【ネキリベイト】
ネキリベイト
参考価格: 710円
「ネキリベイト」は、株元に直接散布して利用する駆虫剤です。誘い出されたネキリムシに食べさせることで退治します。速効性があり、発芽・植え付け直後の植物を食害から守ります。
夏越し・冬越し
ドドナエアは暑さ・寒さのいずれにも耐性があるため、越夏・越冬ともにそれほど難しくはありません。極端な温暖地や寒冷地以外なら、年間を通して屋外で栽培できますよ。しかし、耐性があるとはいえ、温度調節をしてあげたほうが生育はよくなります。真夏や真冬は屋内に移動させたり、遮光・防寒対策を施したりしてくださいね。
挿し木
ドドナエアは挿し木で増やすのが一般的です。作業は初夏のよく晴れた日に行いましょう。葉を4枚ほど残して10cm程度の長さで切り取った挿し穂を、挿し木用の用土へ植え付けます。根がしっかりと伸びるまではこまめに水やりをすることと、風通しのよい場所で管理するのがポイントです。挿し穂は冬に選定した枝を使っても構いません。
ドドナエアでスタイリッシュな庭づくりを
ドドナエアは水やりや肥料の手間もかからず、ガーデニング初心者にもとても育てやすい庭木です。初夏に見られるピンク色の鞘や夏のみずみずしいグリーン、晩秋に楽しめるあざやかな紅葉など、ほかの庭木にはない美しさで1年を通して楽しませてくれますよ。スタイリッシュな色合いのドドナエアが庭や玄関先に1本あるだけで、周囲の雰囲気はガラリと変わりますね。
- 1
- 2
出典:写真AC