ミリオンベルとは
ミリオンベルとは、日本の園芸会社「サントリーフラワーズ」が開発・販売しているカリブラコアの園芸品種シリーズです。数種類のカリブラコア属の原種を交配させ、改良を重ねて生み出しました。サントリーフラワーズが「ミリオンベルシリーズ」として正式に発表したのは1990年のことです。開花時期が長く栽培も容易であることから、ガーデニングの人気品種となりました。
ミリオンベルを開発したサントリーフラワーズは、ペチュニアの園芸品種サフィニアや、青いバラを作出したことでも有名な会社です。
基本情報
園芸部類 | 草花 |
形態 | 一年草(状態によっては越年可能) |
樹高・草丈 | 10cm~30cm |
花の色 | 赤、紫、黄、ピンク、白、茶、青 オレンジ、複色など複数 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 開花時期が長い、初心者向き |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
開花時期はいつ?
ミリオンベルは開花時期が非常に長く、4月~11月まで咲き続けます。花の大きさは種類にもよりますが、2cm~3cmほどです。ミリオンベルの原種であるカリブラコア属は、ペチュニアの近縁種でもあります。このため、ミリオンベルの花姿はペチュニアやペチュニアの園芸品種であるサフィニアによく似ています。サフィニアと混同されることも多いです。
ミリオンベルを作ったサントリーフラワーズは、サフィニアの開発元でもあるんだ。これも混同される原因だろうね。
ミリオンベルの特徴
特徴①開花時期が長く花数も多い
ミリオンベルの大きな特徴は、開花時期が長く花数が非常に多いことです。サントリーフラワーズはカリブラコアの品種改良において、咲く時期が長く花数も多い品種を選抜していました。ミリオンベルの名前も、100万を意味する英語「million(ミリオン)」と、鈴を意味する「bell(鈴)」が由来です。たくさんの鈴形の花をつけることから名づけられました。
特徴②花色のバリエーションが豊富
ミリオンベルはサントリーフラワーズが、日本のガーデニング用に改良した品種です。ガーデニングをより楽しめるように、花色の種類も豊富にそろえています。赤、黄、ピンク、オレンジなどの暖色系、紫や青といった寒色系、清楚な白といった単色のほか、中央から縁へと色が変わるグラデーション系や数種類の色が入る複色系など、色数も模様も種類が豊富です。
花色の違うミリオンベルを、2種類~3種類選んで寄せ植えにすると、個性的な花姿が楽しめますよ。
特徴③バランスのよい株姿
ミリオンベルはあまり手を加えなくても、丸くまとまる品種です。ガーデニング用に改良された品種のため、手間をかけなくても、きれいにまとまる性質を持っています。こんもりと丸く広がる草姿は、どんな場所でもよく映えます。鉢植え、寄せ植え、ハンギング、花壇と、好みや用途にあった場所を選べる点も、ミリオンベルがガーデニングの人気品種となった理由でしょう。
草姿があまり乱れないから、管理が楽な点もミリオンベルの魅力だね。
ミリオンベルの栽培カレンダー
カリブラコアの園芸品種であるミリオンベルの育て方は、カリブラコアの育て方に準じます。ミリオンベルは品種改良により、「高温多湿に弱い」というカリブラコアの弱点を克服しました。しかしカリブラコアの性質を引き継いでいる点も多く、基本的な育て方においても、カリブラコアと共通している点が多いです。ナス科の植物のため、連作障害を起こしやすい点にも注意しましょう。
季節ごとにすること
春は植え替えと摘芯で大きく育てよう
ミリオンベルは春先に植え付け・植え替えを行います。苗が出回るのも春です。苗を購入したら早急に日当たりのよい場所に植え付けましょう。ミリオンベルは成長するとこんもりと丸く広がるため、植え付け・植え替える場所は、スペースを広めに取ります。摘芯は植え付け・植え替え後は2週間以内に行いましょう。摘芯を適切に行うことで、株が大きくきれいな丸形に成長します。
夏は水やりのタイミングに注意
ミリオンベルは春~夏の花が咲く時期が成長期でもあるため、水分を盛んに吸収します。しかし、ミリオンベルは過湿が苦手です。土が湿っているときに水を与えると、根腐れを起こして枯れてしまう恐れがあります。特に湿気が高い梅雨時は注意が必要です。地植えの場合は雨除けシートの使用など、雨に濡れない工夫を施しましょう。
秋までに切り戻しを行う
ミリオンベルの丸く広がる草姿を維持し、花が咲く時期を長く楽しむためには、切り戻し作業が欠かせません。適切な時期に切り戻しを行うことで花芽がつき、株もこんもりと丸く生い茂っていきます。切り戻しの適期は株の成長具合によって違いますが、秋になる前に済ませておきましょう。ミリオンベルは一年草で、秋には開花時期も終わり、切り戻す必要がなくなるからです。
冬越しは霜対策をしっかりと
ミリオンベルは一年草として扱われている植物ですが、株の状態やその年の気象条件などによっては冬を越せます。霜や冷気にあたらないように管理すれば、翌年も花が見られるでしょう。ただし、越年した株は前年と同じような花が咲くとは限りません。その点は覚悟しておきましょう。
ミリオンベルの育て方【土作り~植え付け】
土作り
ミリオンベルが好むのは、肥沃で水はけがよい弱酸性の用土です。鉢植え栽培で、自分で作るなら赤玉土(小粒)2:ピートモス2:腐葉土1の割合で作りましょう。市販品を使う場合は、サフィニア用の培養土やミリオンベル用の培養土がおすすめです。地植えの場合は、ナス科の植物を育てたことがなく、水はけのよい場所を選びましょう。
ミリオンベルを植える場所は、植え付ける2週間前に耕して、腐葉土や堆肥を2割~3割ほど混ぜておきましょう。
苗の選び方
ミリオンベルの種は市販されていません。苗を購入し、鉢植えや地植えにして栽培します。苗は葉色がよくて芽数も多く、病気や害虫のついていない健康な苗を選びましょう。反対に間延びした苗や下葉が枯れた苗は避けます。
植え付けの仕方
ミリオンベルの植え付けの適期は4月~5月です。丸く広がる草姿を想定し、大きめの鉢や花壇に植え付けます。鉢植えの場合は10号鉢に1株~3株、横長プランターは65cmに2株~3株が目安です。丸型の鉢やプランターの場合は中央に植え付けるのは避け、均等に空きスペースができるように植え付けていきます。地植えの場合は、株同士の間隔を広めに取って植え付けましょう。
ミリオンベルを地植えするときの株同士の間隔の目安は、10cm~20cmだよ。
ボタニ子
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出典:写真AC