見頃の季節はいつ?
新緑の季節
シダレヤナギの一番の見頃は、葉がどんどん広がる新緑の時期、春から初夏です。鮮やかな黄緑色の葉が、風に吹かれて柔らかく揺れる様子はなんとも涼し気です。
紅葉の時期
10月~11月くらいになるとシダレヤナギは黄色に紅葉します。色づいた葉が枝垂れる様はまるで黄金色の滝のようです。
どのような用途がある?
シダレヤナギは日常生活の様々な場面で利用されています。どのような用途があるのかまとめてみました。
花材として利用
生け花やフラワーアレンジメントにおいて、アクセントとしてよく利用されています。流れるような枝の姿は、動きのある作品を作るのに欠かせませんよね。他に有名な花材としては、石化柳や雲竜柳などがあります。
縁起物として利用
結び柳
結び柳はお正月にお茶の席や料亭の床飾りとして飾られます。柳の枝の束をたわめて輪に結び、床の間の柱に掛けた青竹の花入れに生け長く垂らします。長く垂れている方が縁起が良いとも言われます。
柳箸
柳は古くから邪気を払う神聖な木として、縁起が良いとされています。また、柳は丈夫でしなやかな素材で折れにくく、お祝い膳で縁起箸として利用されています。
細工物としての利用
柳は行李やバスケットなど細工物の材料として利用されますが、多くは同じヤナギ科のコリヤナギが使われます。かつては衣装箱や旅行鞄として使われていましたが、今では見かけることは少なくなりました。レトロさに味わいがあって素敵ですよね。
薬としての利用
古代ギリシャ時代より、柳の樹皮に解熱鎮痛効果があることは知られていました。唐時代の中国でも、歯痛止めとして利用されていた記録があります。ただ樹皮を煎じたものはかなり苦いです。良薬は口に苦しとはまさにこのことですね。
アスピリンの元祖
19世紀に生まれ、今でも世界中の多くの人に利用されているアスピリンは、柳の樹皮から抽出した有効成分「サリシン」が基になっています。サリシンはあまりにも苦く、そのまま薬にすることは難しかったため、さまざまな研究が重ねられ、アスピリンが生まれました。鎮痛効果のみならず、多様な病気への適正があることがわかり、今でも様々な研究がなされています。
冬でも落葉しない原因は?
シダレヤナギなど落葉樹は、冬は葉を落とした状態で休眠に入ります。しかし、地域によっては、冬でも葉が付いたままのシダレヤナギを見たことがある方もいるかもしれません。その原因について、可能性をまとめてみました。
気温の影響
地球温暖化が問題視されて久しいですが、その影響はもれなく植物たちへも及んでいます。温暖化によって冬の気温が一定よりも下がらない日が続くと、落葉の温度条件を満たすことができなくなり、冬も緑のままになることが考えられます。さすがに寒冷地では見られませんが、都市部の暖かい地方ではまれに報告されます。
日長時間の影響
自然界では冬に近づくにつれ、日の長さが短くなり、落葉樹木はその日長時間によっても落葉する時期を決めています。しかし、都心部では街路灯やネオンなどの明かりによって、夜も明るく照らされており、それによって落葉せずに残ってしまう現象が起きるのです。樹木の種類や個体差もありますが、10m離れた場所の光に反応してしまうこともあります。
シダレヤナギの花言葉
ヤナギの花言葉は数多くあり、中でもシダレヤナギの花言葉は、悲しみを表したものがよく見られます。代表的な言葉を由来とともに紹介します。
悲哀
西洋での花言葉は「mourning(死者への哀悼)」や「melancholy(憂うつ)」と言われ、悲しみを意味するものが多いようです。その由来の一つとされているものが旧約聖書の「詩篇」の中にあります。バビロンに連れていかれたユダヤの女性たちが、故郷の歌を歌うことを強いられた際、故郷を思い出して涙を流し、岸のヤナギに琴をかけてそれを拒んだという故事がそれです。
自由
悲哀とは一転したもう一つの花言葉が「自由」です。枝垂れた枝が風に吹かれ気ままに揺れる様が、自由を象徴しているようにも見えますよね。自由のほかにも「従順」という花言葉もあります。風にされるがまま吹かれている様子から来ているのではないでしょうか。
まとめ
シダレヤナギには鑑賞価値だけでなく、日常に役立つ薬効や、二面性のある花言葉など、色々な一面があることがお分かりいただけたでしょうか?ぜひ身近にあるシダレヤナギを観察して新たな魅力を見つけてくださいね。
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出典:写真AC