ジギタリスについて
ジギタリスの基本情報
学名 | Digitalis |
属名 | オオバコ科 キツネノテブクロ属 |
種類 | 多年草または2年草 |
草丈 | 30~180cm |
開花時期 | 5月~6月 |
花の色 | 白、紫、ピンク、オレンジ、黄 |
本来は多年草、しかし現実は2年草として扱う
ジギタリスは本来ならば毎年花を咲かせる多年草ですが、夏の暑さにはとても弱く、日当たりが強いと弱ってしまったり、多湿だと根腐れしたりという弱点があります。なんとか夏を乗り越えても、2年目以降は株が枯れてしまうこともよくあります。このため、高温多湿な日本では、ジギタリスは2年草として扱われることが多いのです。
ジギタリスの薬効と毒性
ジギタリスは過去には強心剤として利用されていたこともあります。その反面、毒性も持っていて、頭痛や吐き気、不整脈などの症状が出ることもあるので、扱いには注意しましょう。剪定などの手入れのときにジギタリスに触れる場合は、できるだけ手袋をしてから手入れするか、よく手を洗うようにしてください。
ジギタリスの花の特徴
ジギタリスの花は釣り鐘の形をしていて、内側にたくさんの斑点が入っています。1本の太い茎にうつむきがちに花が咲き、上へ上へと穂状に伸びながら咲き続けます。花の大きさは5cmほどなので、比較的大きな花が鈴なりに咲く様子は豪華な雰囲気にもなります。花の色は白やピンクなど様々な色彩があって、色ごとに品種名がつけられています。またジギタリスの花は日当たりがいい方向を向いて咲くという性質もあります。
ジギタリスの葉の特徴
ジギタリスの葉は楕円形で大きいものでは30cmほどになります。葉の表面には短い繊毛のようなものが生えています。冬場には葉は少なくなりますが、枯れずにそのまま緑色で残ります。
ジギタリスの育て方
育て方①用土
ジギタリスは暑さや蒸れに弱く根腐れしやすいので、植え込む用土も通気性や排水性がある用土が適しています。その上に適度な保湿性もある用土が望ましいので、赤玉土と腐葉土を2:1の割合で混ぜた用土を使用するといいでしょう。
育て方②植え方
植え付けの時期は春か秋
ジギタリスの植え付けに適した時期は、春先の3月~4月初めです。株が活動を始める前に植え込んでおきましょう。また、秋の10月~11月に植え付けておくと、株が一冬超すことによって大きく丈夫になり、春にはより多くの花を咲かせることが期待できます。
半日陰になる場所に植える
ジギタリスを植える場所としては、できれば日当たりがいいところが望ましいのですが、夏場などには日当たりが良過ぎると暑さに耐えられず枯れてしまうこともあります。このため、西日が当たらないような場所で、日当たりから半日陰になるようなところに植える方がいいでしょう。
株間を十分にあけた植え方をする
またジギタリスは株が大きく成長します。何株かを同じ場所に植える場合は、風通しが悪くなって根腐れしてしまいます。また背丈が高くなってお互いに日当たりを遮ってしまうこともあります。このため、植え方としては株間をゆったり取っておくことをおすすめします。
花壇の後方に植える
ジギタリスは、高いものでは背丈を超すほどまで草丈が伸びます。花壇の前の方に配置するような植え方をしてしまうと、ほかの花が全く見えなくなったり、ジギタリスの陰で日当たりが悪くなったりするようなことになります。大きくなることを予想して花壇の後方に配置する植え方にしましょう。
育て方③水やり
根腐れするので水を与え過ぎない
ジギタリスは少々土が乾いていても大丈夫ですが、何日も雨が降らず、表面の土が乾いているようであれば水をたっぷり与えましょう。ただ、ジギタリスは根腐れを起こしやすいので、あまり頻繁に水やりをしないようにしてください。湿り気が多くなると、株が蒸れて根腐する原因になります。どちらかというと乾かし気味に管理する方がいいです。特に夏場の水やりは朝か夕方の気温が下がる時間帯に行うようにしましょう。
育て方④肥料
植え込むときに元肥として緩効性化成肥料を与えましょう。また、成長し始める3月頃にも少量の緩効性肥料や液体肥料を与えると、株が元気になり、花付きも良くなります。10月頃にもう一度肥料を与えておくと、翌年のための栄養にもなります。
育て方⑤植え替え
大きくなった株は秋に植え替える
ジギタリスはとても旺盛に成長するので、植え替えが必要になります。庭植えの場合はそのまま植えっ放しで植え替えしなくても大丈夫です。ただ、1年で株が大きく成長して隣の植物を邪魔するようであれば、もう少し広いスペースがある場所に植え替えましょう。また、鉢植えの場合は根が鉢全体に回って窮屈になってしまうので、年に1回植え替えをするといいでしょう。植え替えの時期は、夏の暑さが過ぎた9月~10月が適当です。
育て方④病害虫
害虫とその対策
ジギタリスには花が咲き始めるころからアブラムシが発生しやすくなります。アブラムシは葉や花から養分を吸い取ってしまいます。見つけ次第手で取り除くか、スミチオン乳剤などを散布して駆除しましょう。
病気とその対策
ジギタリスは加湿に弱いので、過度に水やりをしたり、株間が狭かったりすると、根腐れを起こして灰色かび病などの病気を引き起こす原因になります。こまめに花がらを摘んだり、雑草を抜いたりして手入れすることで灰色かび病を防ぐことができます。
ボタニ子
続いて、ジギタリスが倒れるのを防ぐ方法をご紹介!
出典:筆者撮影