テッポウユリ(鉄砲百合)ってどんな花?特徴や育て方をご紹介!

テッポウユリ(鉄砲百合)ってどんな花?特徴や育て方をご紹介!

テッポウユリは美しい純白の大輪の花と、甘い香りから多くの人たちに愛されてきた、日本固有のユリです。ですが、その実体については意外と知られていません。そんなテッポウユリの特徴や花言葉、育て方や季節ごとの手入れなどをまとめてみました。

記事の目次

  1. 1.テッポウユリの概要
  2. 2.テッポウユリの名前の由来
  3. 3.テッポウユリの特徴
  4. 4.テッポウユリの開花時期と見頃の季節
  5. 5.テッポウユリの花言葉
  6. 6.テッポウユリの育て方
  7. 7.テッポウユリの育て方①栽培環境
  8. 8.テッポウユリの育て方②種・球根の植え付け・植え替え
  9. 9.テッポウユリの育て方③水やり
  10. 10.テッポウユリの育て方④肥料
  11. 11.テッポウユリの育て方⑤花後の手入れ
  12. 12.テッポウユリの育て方⑥病気・害虫対策
  13. 13.テッポウユリの育て方⑦季節ごとのお手入れ・管理作業
  14. 14.テッポウユリの増やし方
  15. 15.まとめ

テッポウユリの育て方⑥病気・害虫対策

警戒すべき病気

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もっとも警戒すべき病気は、梅雨の季節によく発生する葉枯病です。葉やつぼみに表れた白っぽい斑点が、やがて茶色くなって広がり株を枯死させます。湿気や跳ね返った土が葉に付着することが原因で発生する病気です。風通しのよい場所への植え付けと、株元にマルチングを施して土の跳ね返りを防ぐことで、発生する確率を減らせます。あとは殺菌剤の定期的散布で防除しましょう。

警戒すべき害虫

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前に説明したように、市販のテッポウユリのほとんどはウィルス病に感染しています。普通に管理している限りは発症しません。ところがここで問題となるのがアブラムシです。他のウィルスに感染しているユリを吸汁したアブラムシがつくと、あっという間に発症してしまいます。このため、アブラムシを一切近づけないことが、もっとも重要な防御法となります。薬剤の定期的散布や、浸透移行性薬剤を使って予防しましょう。

もう一つの天敵

テッポウユリで注意すべき害虫は、もう一つあります。それは5月~6月の開花時期に発生するユリクビナガハムシです。ユリの葉やつぼみを、ものすごい勢いで食害します。幼虫も成虫もユリを好んで食べるので厄介です。幼虫は自身の排泄物を使って身を隠す特徴があるので、食害された葉と小さな糞が付いていれば、間違いなくこの虫によるものでしょう。発見次第捕殺し、さらに薬剤を散布して駆除します。

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テッポウユリの育て方⑦季節ごとのお手入れ・管理作業

花後の球根の管理

出典:写真AC

掘り上げないのが基本

球根植物は休眠期に入ると掘り上げて、植え付けの適期まで保管するのが一般的ですが、テッポウユリは掘り上げないのが基本です。なぜなら乾燥に弱いため、掘り上げて保管していると枯れてしまう恐れがあるからです。どうしても掘り上げて保管する必要が生じた場合は、湿らせたバーミキュライトに埋めるなど、乾燥しないように工夫しましょう。

越冬対策

フリー写真素材ぱくたそ

越冬中も乾燥に注意する

越冬対策としては、乾燥と土の凍結防止があげられます。テッポウユリは乾燥に弱いので、越冬中や夏の高温期など、地上部がない時期でも球根が完全に乾燥すると枯れてしまいます。表土が乾き、数日たってから水を与えましょう。特に鉢植えは水切れに注意が必要です。

マルチングは越冬対策におすすめ

株元の土に腐葉土などをまいておくマルチングは、越冬対策に効果的です。地下の凍結を抑え、霜柱の発生を防ぎます。土が凍結すると球根が枯れてしまいますし、霜柱が立つと根が切れてしまいます。テッポウユリは深く植えるため、凍結被害は受けにくいほうなのですが、寒冷地は越冬対策の1つとしてぜひ行いましょう。もちろん、暖地でも越冬対策を実行するに越したことはありません。

高温期の管理

出典:写真AC

乾燥対策をしっかりと行う

季節で言えば、初夏から夏にかけて咲くテッポウユリは、真夏の高温期に入ると地上部がなくなります。この時期も球根が乾燥しないように、水やりをしましょう。乾燥対策としてマルチングするのもおすすめです。越冬対策では土の凍結や霜柱を防ぐマルチングですが、高温期の場合は、地下の温度上昇や水の蒸発を防いでくれます。

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テッポウユリの増やし方

出典:写真AC

植物の増やし方には「挿し木」「株分け」「接ぎ木」「取り木」「分球」など、いろいろな方法があります。テッポウユリを増やす方法として用いられているのは「分球」と「鱗片挿し」です。それぞれの方法を紹介しましょう。

分球

本来は肥大した球根を分割して増やす方法ですが、テッポウユリの場合は少し違います。テッポウユリの茎の地下部分には、木子(きご)と呼ばれる小球根ができます。これを使用します。球根を植え替える際、木子を茎から丁寧に取り外して植え付けましょう。作業の適期や管理方法は普通の球根と同じです。植え付ける前に、消毒しておくことを忘れないでくださいね。

栽培に成功すれば、2~3年後の開花時期に、きれいな花を咲かせてくれるよ。

市販のテッポウユリの球根は、ウィルス病にかかっていることが多いです。面倒でも作業前には必ず消毒しておきましょうね。

鱗片挿し

ユリの球根を形成している鱗片を球根からはがし、挿し木のようにして増やす方法です。まずは鱗片を根元まできれいにはがし、消毒します。それから挿し木用の清潔な土を入れた挿し床に2/3の深さまで挿し、水を与えます。その後は乾燥しないように半日陰で管理しましょう。順調に育てば新しい芽を出します。適期は3月、もしくは10月です。

「球根植物版の挿し木」とも言うべき増殖方法です。挿すときは鱗片の上下を間違えないように注意しましょうね。

花を咲かせるようになるには3年~4年はかかるけど、挿し木と同じように一度にたくさん増やせる方法なんだよ。

まとめ

出典:写真AC

静画な花姿と優しい香りが素晴らしいテッポウユリは、ユリの中では育てやすい品種です。お庭で愛情たっぷりに美しく育て上げて、初夏の季節を素敵に演出してみましょう。

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Laylah
ライター

Laylah

バラや百合のような美しくて香り高い花も好きですが、スミレやタンポポのような野に咲く可憐で強い花も好きです。

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