エニシダとは?
庭木に人気の低木
魔女の空飛ぶ箒にも使われているというエニシダは、ヨーロッパなどが原産のマメ科エニシダ属の常緑性低木で、樹高は2m~3mほどになります。初夏に黄色の花を咲かせ、庭木として人気があります。耐寒性は高いほうですが、日本では関東以北で冬場に葉を落とすので、半落葉性低木に分類されることもあり、垣根など目隠しの用途には向きません。
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白や赤の花もある
本来「エニシダ」は常緑性の「Cytisus scoparius」を指し、黄色の花を咲かせます。砂漠などの乾燥した環境にも適応できるように、葉っぱは小さく、茎でも光合成できるようになっています。別種として白花の「シロバナエニシダ」、園芸品種には黄色に赤色がさす「ホオベニエニシダ」、ホオベニエニシダのさらに赤みが強い「アカバナエニシダ」、鉢花向けの「ヒメエニシダ」があります。
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園芸店などでは、ヒメエニシダをエニシダの名前で販売されていることが多いです。
エニシダ基本情報
- 学名:Cytisus scoparius
- 科・属名:マメ科エニシダ属
- 園芸分類:庭木・花木
- 形態:低木
- 原産地:ヨーロッパ、カナリア諸島、北アフリカ、アジア
- 樹高:2m~3m
- 開花時期:5月~6月
- 花色:黄、白、オレンジ、赤
- 別名:金雀枝・金雀児(エニシダ)、蝶形花(チョウケイカ)
- 耐寒性:強い
- 耐暑性:強い
エニシダの育て方
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ここからはエニシダの育て方について、具体的にご紹介します。
育て方①用土
水はけのよい土を用意しましょう
- 鉢植えの場合
- 地植えの場合
育て方②置き場所
日当たりのよい場所に置きましょう
地植えや鉢植えは日当たりのよい場所で管理します。日当たりが悪いと花芽ができず、花が咲かなくなります。地植えにする場合は、エニシダは横に広がって大きくなっていくので、スペースを十分に確保してあげましょう。エニシダは-5℃まで耐えるので、暖地・温暖地であれば地植えで育てられます。寒冷地では鉢植えにし、冬季は室内で管理します。
育て方③水やり
水のやりすぎは枯れる原因に
地植えの場合、根が張ってからは自然の降雨のみで、水やりは別途不要です。何日も雨が降らない日が続くようであれば、乾燥具合を見て水やりしましょう。少し乾燥しても枯れる心配はありません。鉢植えの場合は、表土が乾いていたら水やりします。エニシダは多湿にすると根腐れして枯れる原因になるため、水のやりすぎには注意が必要です。
育て方④肥料
肥料は窒素分の少ないものを少量与えましょう
エニシダはあまり肥料を必要とせず、少量の追肥で花数を増やせます。地植えの場合、2月頃株元に固形肥料を与えます。鉢植えの場合は、春と秋の年2回緩効性肥料を与えます。エニシダは他のマメ科植物同様、根にこぶ状の根粒を作り、空気中の窒素を取り込んで養分に変えるので、肥料は窒素分の少ないものを与えましょう。
育て方⑤植え付け・植え替え
植え付けは3月下旬~4月が適期
エニシダの植え付けの適期は3月下旬~4月と10月~11月です。植え付ける場所に穴(根鉢の2倍~3倍ほどの大きさ)を掘って、根鉢を崩さないようにして苗を植えます。穴を掘った際の掘り上げた土に腐葉土をまぜこんで、苗を植えてから土を戻します。
鉢植えは2年に一度植え替え、地植えは植え替えを避ける
鉢植えは成長とともに根詰まりしやすくなります。2年に一度を目安に、一回り大きめの鉢へ植え替えます。植え替えの適期も植え付けと同じ、3月~4月と10月~11月です。植え替え時には土を新しいものに替えましょう。地植えは植え替えません。スペースや日当たりをよく検討して、植え付ける場所を選びましょう。どうしても植え替えなければならない場合は、根を傷つけないようにしますが、植え替えても根が張らず、根づきにくいです。
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地植えでどうしても植え替えなければならないときは、枝をできるだけ短く刈り込んであげると株の負担を軽くできます。
育て方⑥病気・害虫
アブラムシとコガネムシに注意
病気、害虫ともにあまり心配いらないのですが、アブラムシとコガネムシが発生することがあります。アブラムシは葉や茎から養分を吸い、植物を弱らせます。またアブラムシの発生がすす病につながることもあるので見つけしだい駆除しましょう。コガネムシの成虫は花や葉を食べ、幼虫は土中で根っこを食べます。根っこを食べられると株が弱り、枯れる要因になります。見つけしだい捕まえて取り除きます。
次のページではエニシダの剪定方法と増やし方をまとめます!
エニシダは庭木としての寿命は短めで、約10年ほどといわれます。