センニンソウの育て方
センニンソウはもともと日本が原産の種類なので、育てるのは難しくありません。日当たりのよい場所で近くに木のやフェンスがあれば、つる性を生かして自然にからんで成長します。夏の暑さにも負けず、秋にかけて花をつけて楽しませてくれますよ。小さなお子さんがいて、毒が気になる場合はセンニンソウから品種改良されたクレマチスを植えるとよいでしょう。
育てる環境
センニンソウは耐暑性や耐寒性が強く、日当たりのよい場所を好みますが、夏の西日は避けた方がよいでしょう。夏場は鉢の乾燥を防ぐため半日陰に置くのをおすすめします。日当たりの悪い場所ではヒョロヒョロとして花付きも悪くなります。また病害虫の予防のためにも風通しのよい場所で育てます。
水やりと肥料
センニンソウを育てる場合、水をたっぷりあげてください。鉢植えの場合は土の表面が乾いたらたっぷりと、鉢の底から染み出すくらい与えましょう。肥料は花付きをよくするために必要です。夏場以外は緩効性液肥を定期的に、冬場は地植えの場合、寒肥を株の周りに与えます。肥料は足りないくらいでちょうどいいです。
剪定
センニンソウは日本の山野に自生する植物ですが、庭や鉢植えで育てる場合は花を咲かせて楽しむのが目的になります。繁殖力が旺盛なため、剪定したほうが見た目が美しく花付きをよくすることができます。1.5~4mほどに成長するので、こまめに整えて管理しましょう。剪定するときは茎の切り口などから出る汁に肌が触れてかぶれないように、衣服や手袋で肌を隠して作業をしてください。
病害虫
センニンソウに付く虫は、ハダニ、ヨトウムシ、ナメクジ、アブラムシ、コガネムシなどです。これらの虫はセンニンソウの葉を食べてしまうので、見つけ次第駆除しましょう。オルトランやスミチオン等の薬剤が効果的です。ナメクジは夜間の見回りで駆除するか、罠を作るのも効果的です。ナメクジの好物であるビールを入れた容器を被害があった植物の近くに埋めるようにセットします。
増やし方①挿し木
センニンソウは挿し木で増やすことができます。挿し木は木ではなく、つるを利用します。一番新しいつるを切り取り、切り口を切れ味のよい刃物で斜めに切ります。植木鉢に水はけのよい土を入れ、挿し木として育てます。水やりをかかさないようにすれば2ヵ月ほどで根が出ます。根が出る間は半日陰で管理しましょう。
増やし方②つる伏せ
センニンソウの増やし方は「つる伏せ」という方法が一番簡単です。つる性の種類の植物だからこそできる方法です。一番元気なつるを、2~3節ほど別の鉢の土に約5cmの深さに埋めてずれないように固定します。いつも通り水やりをすれば2~3ヵ月で根が出てきます。落ち着くまで1年ほどはそのままにして栄養をいきわたらせ、その後親株と切り離して育てます。
センニンソウに似た花
センニンソウによく似た花で「ボタンヅル」という植物があります。センニンソウと同じキンポウゲ科センニンソウ属の植物で、同じようにつる性の有毒植物です。花を見ただけでは違いがわからないほどよく似ています。よく見るとボタンヅルの方が薄いクリーム色です。見分け方のヒントは「ボタンヅル」という名前にあります。葉が牡丹の葉のように切れ込みが入っているので、センニンソウと見分けることができます。
まとめ
センニンソウはふんわりとした花の様子が美しく、毎年夏の暑い時期にさわやかな白い花で楽しませてくれます。日本に自生する原種なので、育てるのも比較的簡単で、環境が合い根付けば肥料や水やりもほとんど手をかけなくても育ってくれます。形を整えたり、花付きをよくするために剪定する場合は、毒でかぶれないように手袋をつけて作業してください。
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出典:写真AC