ツリガネニンジン(釣鐘人参)の用途
ツリガネニンジン(釣鐘人参)の用途①食用
ツリガネニンジンは、春に若い芽を「トトキ」という山菜として食べられます。和え物やお浸しなどにして食べられます。独自のコクと香りを楽しみたい場合は、さっと軽く天ぷらで挙げて塩をうすくまぶして食べるのもおすすめですよ。ツリガネニンジンは茎を白い液がボタボタ垂れます。近縁種と間違わないよう、採取する際は見分け方の参考にしてくださいね。
ボタニ子
ボタ爺
そうなんじゃよ!「山でうまいはオケラにトトキ~」なんていう古い歌があるくらいじゃからな!
ツリガネニンジン(釣鐘人参)の用途②生薬
江戸時代に根が朝鮮人参に似ているからと用いられたのがはじめといわれています。ツリガネニンジンの根を日干ししたものが生薬として使用され、秋になるとツリガネニンジンの根を掘り出し細根を除いたら日干しします。日干しした根のことを「沙参(しゃじん)」、「南沙参(なんしゃじん)」と呼び、古くからからだの不調の緩和に用いられてきました。ツリガネニンジンの薬効はこの次の「ツリガネニンジン(釣鐘人参)の薬効」の章でご紹介します。
ボタニ子
朝鮮人参と、ツリガネニンジンの薬効成分は違うんだけど、見た目が似ていることから生薬とされたんだよ。
ボタ爺
ちなみに、ツリガネニンジンの根は薄黄色~白の短いゴボウのような見た目なんじゃ。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)の用途③生花
ツリガネニンジンは草丈が60~90cmほどとやや高めの植物なので、生花としての利用も多いです。一輪差しに入れても、花が咲いて垂れ下がる様が美しく、上記の写真のように上を向いて伸びていく様もとても綺麗です。花色も綺麗なことから、庭などに自生したツリガネニンジンを他の植物と一緒に生ける方も多いようです。
ツリガネニンジン(釣鐘人参)の薬効
ツリガネニンジンの根(南沙参)の薬効成分は、「イヌリン」と「サポニン」です。「イヌリン」は自然界のさまざまな植物に作られる多糖類のことで、食物繊維として扱われ、腸内環境を整えます。「サポニン」は植物の根や葉、茎に含まれている成分で抗酸化作用や免疫を上げる作用、咳や痰を抑える作用があるといわれています。そのため、ツリガネニンジンの薬効は咳や痰切り、健胃に有効とされます。
まとめ
ツリガネニンジンは見た目はとても可愛らしい花を咲かせる植物ですが、山菜として食べられていたりゴボウのような根が生薬として使われていたのには驚きましたね。ツリガネニンジンは高温多湿には弱いものの、耐寒性にとてもすぐれているため寒冷地のガーデニングにもおすすめです。山菜を採る際には、似た種類の植物と間違えないように気をつけてくださいね。
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へえ!ツリガネニンジンって食用にもなるんだね!山菜として食べられてるのは知らなかった~!