動物の名前が入る植物<狐>4選
古くから、狐には変化の能力があるとされていました。神の使いや妖怪としての狐もいて、植物でも狐の名前が入っているものは多くあります。植物で狐の名前が入るのは「見た目が狐に似ている」「狐に化かされた」というものです。また、狐は意地悪というイメージもあってか、毒などの「嫌なもの」「きついもの」などにもつけられる傾向があります。
①キツネノマゴ
学名 | Justicia procumbens L. |
分類 | キツネノマゴ科キツネノマゴ属 |
名前 | 狐の孫(キツネノマゴ) |
分布 | 道端、草原 |
花期 | 8月~10月 |
キツネノマゴは、やや湿った場所に生える小さな野草です。淡い紅紫色の花をつけますが、花も小さいため、咲いてもあまり目立つことはありません。しかし、いったん花が咲き始めると長い間咲いているという特徴がある植物です。花言葉は「この上なくあなたは愛らしくかわいい」です。
名前の由来
キツネノマゴには、穂状の花穂があります。この花穂がキツネの尻尾に似ていることから「狐」、花が小さいことから「孫」となり、「狐の孫」となったという説があります。
②キツネノカミソリ
学名 | Lycoris sanguinea |
分類 | ヒガンバナ科ヒガンバナ属 |
名前 | 狐の剃刀(キツネノカミソリ) |
分布 | 明るい林縁 |
花期 | 8月 |
キツネノカミソリには、花が咲くころには葉をすべて落としているという特徴があります。キツネノカミソリは、花と葉を同時には見られません。葉は早春のころに出てきます。また、キツネノカミソリは有毒植物でもあるため、見つけても決して食べないでください。花言葉は「妖艶」です。
名前の由来
キツネノカミソリは、細長い葉をつけます。その葉が剃刀に似ていることから「剃刀」と付けられました。また、キツネノカミソリは花と葉が同時に出てきません。そのことから、「まるで狐に化かされたようだ」となり、「狐の剃刀」という名前になったといわれています。
③キツネノボタン
学名 | Ranunculus silerifolius |
分類 | キンポウゲ科キンポウゲ属 |
名前 | 狐の牡丹(キツネノボタン) |
分布 | 湿り気のある場所 |
花期 | 5月~7月 |
キツネノボタンは、水田など湿った場所に生える、黄色い花を咲かせる植物です。種類によっては、八重咲きもあります。キツネノボタンは有毒植物で、誤って食べてしまうと胃腸がただれてしまうこともあります。また、茎や葉からでた汁を触るだけでかぶれる人もいるため注意してください。花言葉は「だまし討ち」です。
名前の由来
キツネノボタンは、葉が牡丹に似ていることから「牡丹」と呼ばれました。さらに有毒植物のため狐の意地悪なイメージや、かわいい花なのに毒があるという、まるで狐に騙されたようだということから「狐」が付き、あわせて「狐の牡丹」になったとう説があります。
④キツネアザミ
学名 | Hemisteptia lyrata |
分類 | キク科キツネアザミ属 |
名前 | 狐薊(キツネアザミ) |
分布 | 道端、空き地 |
花期 | 4月~6月 |
キツネアザミはまっすぐに伸びた茎が特徴で、アザミに似た花を咲かせます。姿もアザミに似ていますが、アザミと違って棘はありません。冬にロゼット状で過ごす姿もアザミに似ています。花言葉は「嘘は嫌い」です。
名前の由来
キツネアザミは、アザミによく似ています。しかし、近くに来て観察してみるとアザミではないことがわかるでしょう。「まるで狐に化かされたようだ」ということから「狐薊」と名付けられた説があります。
まだまだあります!次は、動物の名前が入る植物<猫>から紹介します!
出典:高倉撮影