青じそとは
青じそはシソの一種です。シソはシソ科シソ属の植物で、強い芳香を特徴としています。シソは非常に品種が多い植物ですが、この中で食用とされている物は、葉の色によって2種類に分かれます。梅干しや柴漬けを漬ける際の色付けなどに使用される赤い葉が「赤じそ」、そして主に薬味に使用される緑色の葉が「青じそ」です。
名前の由来
中国は後漢時代の末期、洛陽のある若者が、蟹の食べ過ぎによる食中毒で死にかけました。若者の命を救ったのは、後世神医と崇められる医師・華佗(かだ)が作った薬でした。シソを煎じて作った紫色の薬によって、若者はあっという間に回復したと伝えられています。この「患者を蘇らせた紫色の薬」という伝説から、「紫蘇(シソ)」と呼ぶようになりました。
栄養豊富なお役立ち野菜
紫蘇は、カロテン、ビタミンB群、ビタミンC、カリウム、鉄分、カルシウム、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいます。特にβカロテンの含有量は、野菜の中でもトップクラスです。さらに独特の香りの元である精油成分には、食塩との併用によって強い防腐・殺菌効果を生む性質があります。この性質を利用して作られているのが梅干しです。
青じその特徴
和製ハーブの代表格
青じそは香味野菜として、葉や花を刺身のつまや冷奴の香味付け、天ぷらなどの揚げ物に使用されることが多いです。独特の香りから魚の臭味消しや薬味など、ハーブとして使用されることもあります。最近ではドレッシングとしても販売されるようになりました。
品種や栽培品種が多い
シソは原産地はビルマ、ヒマラヤ、中国中南部で、幅広く栽培されているのが特徴です。日本には中国から伝来したと言われています。品種や栽培品種が非常に多く、食用とされる赤じそ、青じその他にもしわの多い葉が特徴のチリメンジソ(縮緬紫蘇)、葉の表面が緑色で裏が赤いマダラジソ(斑紫蘇)、縮れた緑色の葉が特徴のチリメンアオジソ(縮緬青紫蘇)などがあります。
家庭菜園の定番
家庭菜園ばかりかプランター栽培や水耕栽培もOK
料理のつまものや薬味など、いろいろと使えることから、畑や家庭菜園で育てている方も少なくありません。プランターでの栽培や水耕栽培も可能なので、畑や家庭菜園ができる庭がないという方でも育てられます。特に水耕栽培は、季節や時期に関係なく収穫できるのでおすすめです。購入すればすぐに栽培できる、水耕栽培用の商品も販売されています。
青じそと大葉の違い
青じそと大葉は同じもの?
結論から言いますと、青じそと大葉は同じ物です。一般的には、青じその若葉を大葉と呼びます。これは青じそが、花穂も葉も食材として利用できることに原因があるとされています。1960年代に、青じそを商品として出荷する際、花穂と葉を区別する必要が生じました。そこで葉を「大葉」、花穂を「穂ジソ」と呼んで区別するようになったということです。
大葉は商品名?植物名?
上記で紹介したように、大葉は青じその若葉の商品名として生まれました。一般的には薬味や香味野菜として使う時は「大葉」、ドレッシングやソースのように、調味料として使う時は「青じそ」と呼ぶ傾向が強いです。しかし、地域によっては植物名でも「大葉」と呼んでいる所もあります。特に関西よりも西の地域に多いと言われています。
大葉の生産量日本一の都道府県は?
大葉の生産量日本一は愛知県です。全国の大葉の生産量の約3割を占めます。愛知県の中でも、特に青じその生産が盛んなのは豊橋市です。豊橋市は穂じそや食用菊なども盛んに生産しており、つまものの日本一の生産地として知られています。
出典:BOTANICA