青じその育て方
ここからは青じその育て方を紹介します。和製ハーブと呼ばれている青じそは生命力が強く、とても育てやすい植物です。家庭菜園や畑だけでなく、あまりスペースを取らないプランター栽培や水耕栽培と、用途や環境に合わせて栽培方法を選べる点も魅力です。種まきや苗の植え付け・植え替え、肥料や水やり、収穫時期や増やし方など、季節ごとの作業のポイントを見ていきましょう。
青じその育て方:一年間の栽培管理スケジュール
時期 | 作業 |
4月上旬~6月上旬 | 種まき |
5月上旬~7月上旬 | 苗の植え付け・植え替え |
6月上旬~10月下旬 | 収穫 |
上記の表は、青じその種まきや苗の植え付け・植え替え、収穫の時期をおおまかにまとめたものです。ただし作業する時期は、地域や気候条件、栽培環境などによってズレることもあるので、あくまでも目安と考えてください。ここからは植え方のコツや、肥料や水やりのタイミングなど作業の詳細を紹介します。
青じその育て方のポイントその①:種まき
発芽適温に気をつける
青じそを種から育てる場合に重要なのは、種まきの際の気温です。青じその種が発芽する適温はやや高く、22℃前後の気温が必要です。寒冷地など、種まきに適した季節に入っても気温が低い地域は、温室のような温度管理ができる場所でポットに種まきして育てましょう。
植え方にもコツがある
種の植え方にもコツがあります。まずは発芽を促すための前準備として、前日から種を水に浸けておきます。青じその種の皮は硬いので、そのままだと水分を吸収しにくいからです。青じそは乾燥を嫌うので、土もあらかじめ湿らせておいたほうがよいでしょう。発芽するまでは土を乾燥させないように、気をつけて管理してくださいね。
植え方についてのもう一つの注意点
種の植え方についてのもう一つの注意点として、種をまいた後は、土を軽く被せる程度にすることも挙げられます。青じその種は「好光性種子」といって、発芽する際には光が必要です。種に光が届くように土は軽く被せる程度にとどめ、適度に光が当たる場所に置いて発芽するまで管理します。
青じその育て方のポイントその②:苗の植え付け・植え替え
元気の良い苗を選ぶ
青じその苗は4月以降に、園芸店などでポット苗として販売されます。初心者や少数の株を育てる場合は、苗から育てるのがおすすめです。青じその苗は、葉の色つやが良くて葉先も萎れておらず、茎がしっかりしていて節と節との間が短いものを選びましょう。本葉が4、5枚ほどになった時が植え付け・植え替えの適期です。
苗の植え方
まずポットよりも一回りほど大きめの植穴を作ります。そこへ苗をポットから取り出して植え付けますが、その際は根鉢を崩さないように注意しましょう。また、青じそは植え付ける間隔が短いと、株同士が水や養分を取り合って生育が悪くなるので、ある程度話して植え付けます。プランターなら20cm、畑など露地栽培なら30cmから40cmほどでOKです。
青じその育て方のポイントその③:光と土
日当たりは良過ぎても悪過ぎてもダメ
青じそは、基本的には日当たりのよい場所で育てます。光がないと発芽しないし、生長期も光が不足すると、葉の色や香りが悪くなってしまうからです。ただし、あまり日当たりが良過ぎると、葉が厚く硬く育って食感が悪くなってしまいます。食用にするのなら、半日陰で育てるほうがよいでしょう。真夏の強い日差しもよくないので、地植えの場合は日差し除けの工夫をしてくださいね。
用土は市販の培養土でOK
市販の野菜の培養土でOKです。とにかく乾燥を嫌うので、プランター栽培の場合は土の表面が乾かないように、腐葉土を敷いておくとよいでしょう。畑や家庭菜園など地植えの場合は、水はけと水もちをよくするために石灰や肥料を混ぜて、しっかりと耕しておきます。
青じその育て方のポイントその④:水やり
青じそは乾燥を嫌う植物なので、水切れに注意します。特に種まきから発芽するまでの期間と、苗の植え付けから根付くまでの期間は水切れしないように、たっぷりと与えてください。根付いた後は、土の表面が乾いたら水やりします。地植えでも、土の表面が乾いたら水を与えてください。プランターや鉢栽培の場合、真夏など土が乾燥しやすい季節は、朝と晩の2回水やりをしましょう。
青じその育て方のポイントその⑤:肥料
青じそは生育期が長いので肥料、特に元肥をしっかり施さないと生長が悪くなります。植え付けの際に肥料入りの培養土を使用するか、緩効性肥料を土に混ぜておきましょう。その後は薄く希釈した液体肥料を月2回のペースで与えます。「肥料食い」と言われている青じそですが、肥料の与え過ぎは害虫の発生など、生育に悪影響を与えてしまうので注意が必要です。
青じその育て方のポイントその⑥:間引き・摘心
間引きは発芽後、本葉が1枚から2枚になった頃に行います。生長の悪い株や葉の形の悪い株を抜き取って、元気のよい株が順調に育つように管理しましょう。摘心は草丈30cm、葉は10枚以上ついた時が適期です。この時に株の頂点の芽を切り戻します。この作業によって他の脇芽が育ち、収穫量を増やすことができます。
青じその育て方のポイントその⑦:病害虫対策
病気や害虫に強いと言われている青じそですが、実は虫がつきやすい植物です。アブラムシやバッタ、ベニフキノメイガなど、新芽や葉を食い荒らす虫には、特に注意しましょう。日頃から株をよく観察し、見つけ次第捕殺します。食害にあった葉は摘み取って処分しましょう。高温期はハダニが発生しやすいので、水やりのついでに葉に水をかけて洗い流します。
青じその育て方のポイントその⑧:収穫
若い葉を下の方から摘み取っていくのが基本です。ただし、下から2番目までの葉には、土からの影響を吸い上げる役目があるので残しておいてください。青じその葉は時間を置いていると、硬くなって味も悪くなってしまいます。生長するスピードも早いので、収穫期は毎日若い葉を収穫していきましょう。
青じその増やし方
植物の増やし方は、挿し木(挿し芽)や株分けなどいろいろありますが、青じその場合は挿し芽を用います。適期は5月です。摘心で摘み取った茎を利用すると、効率がよいでしょう。まずは10cmから15cmほどの茎を用意し、上の葉を2枚から4枚ほど残して、それ以外の葉を除去してください。それから水を入れた容器に挿して発根を促します。水は毎日取り換えましょう。発根したら鉢に植え替えます。
まとめ
青じそは香りよく、栄養素もたっぷり含んだ素晴らしい野菜です。ぜひ家庭で育てて、料理のランクアップにお役立てくださいね。
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出典:BOTANICA