タマムシ(玉虫)の特徴や生息地をご紹介!珍しい虫?人や作物に害はない?

タマムシ(玉虫)の特徴や生息地をご紹介!珍しい虫?人や作物に害はない?

タマムシは、宝石のように輝く光沢が特徴的な昆虫です。中でも代表的なのがヤマトタマムシで、緑色の光沢をもち、古くから文化的な価値さえあります。今回は、タマムシの特徴や生息地、文化的価値、さらには建築材や作物への被害と対策方法を紹介します。

記事の目次

  1. 1.タマムシとは
  2. 2.タマムシの生態
  3. 3.タマムシの文化的価値
  4. 4.タマムシによる被害
  5. 5.タマムシの種類
  6. 6.まとめ

タマムシによる被害

タマムシは、人に対して害はありませんが、木や作物に対して被害を及ぼします。ここからは、タマムシによる木・作物への被害とその対策方法について紹介します。なお作物への被害は特定の種類のタマムシによるものなので、すべてのタマムシが作物に被害を及ぼすわけではありません。

木の被害

フリー写真素材ぱくたそ

タマムシは木の幹の中に産卵するため、卵から孵化した幼虫が木を食い荒らします。中でも、クロタマムシやウバタマムシは家の建築に使われるマツ材の梁や柱に産卵し、幼虫が中から食い荒らします。対策としては、産卵のために木材に寄って来た成虫を見かけたら、殺虫スプレーなどで撃退しましょう。幼虫に対しては、幼虫が作った脱出孔に薬剤処理して、木栓で塞いで目立たないようにしましょう。

柑橘類の被害

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ミカンなどの柑橘類に被害を及ぼすのが、ミカンナガタマムシというタマムシです。幼虫は幹を食い荒らし、成虫は葉を食害します。その結果、柑橘の木は樹勢の低下や枯死を引き起こします。対策としては、成虫が幹から出てくる5~6月に、農薬を木に散布します。また、台風や寒害などで樹勢が低下すると発生する傾向があるため、樹勢を適正に保つといったことも対策方法です。

タマムシの種類

日本に生息するタマムシは約200種、世界に生息するタマムシは約15,000種です。日本で代表的な種はヤマトタマムシですが、ここからはヤマトタマムシ以外のタマムシを紹介します。種類によって色や光沢もさまざまで、中には光沢をもたない種も存在します。

①ウバタマムシ

ウバタマムシは、灰褐色で背中に隆起した模様があるのが特徴です。光沢はなく、体長は25~40mmほどです。北海道にも生息しており、海を越えた中国や朝鮮半島、台湾にも生息しています。マツ林でよく見られ、幼虫はマツの木や枯れ木の材を食べて育ちます。建築にマツ材を使っている家では、幼虫による食害があるので注意が必要です。

②アオマダラタマムシ

アオマダラタマムシは全体的に青緑色で、黄色の斑点があるのが特徴です。光沢をもつ種類で、環境によっては橙色や赤胴色にもなります。サクラやウメ、ツゲの枯れ木に産卵し、幼虫はそれらの木を食べて育ちます。生息地は本州・四国・九州で、北海道と沖縄には生息していません。活動時期は5~8月で、体長は16~29mmとヤマトタマムシに比べて小型です。

③クロタマムシ

クロタマムシは光沢のある銅色のタマムシで、環境によっては青色や緑色、金色にもなります。マツ類やモミ類などの針葉樹を好み、幼虫はそれらの材を食べて育ちます。ウバタマムシと同じくマツを食べるため、建材害虫に指定されています。日本全国に分布しており、体長は11~22mmと小型です。

④シロオビナカボソタマムシ

シロオビナカボソタマムシは金銅色、紫銅色の光沢をもつタマムシで、白い筋があるのが特徴です。沖縄を除く日本全国に生息しており、体長は5~9mmと非常に小型です。キイチゴの葉が好物で、幼虫はキイチゴの枝を、成虫はキイチゴの葉を食べます。

⑤クズノチビタマムシ

クズノチビタマムシは、体長が3~4mmと非常に小型のタマムシです。沖縄を除く日本全国に生息しており、種子島や佐渡などの離島にも生息しています。黒色で光沢はなく、胸部には金色の毛が生えています。成虫幼虫ともにクズの葉を食べ、成虫は食痕を残しながら食べるのが特徴です。

まとめ

出典:写真AC

タマムシは宝石のように美しい光沢をもつ昆虫です。日本全国に生息しており、その美しさから文化的な価値すらもっています。人に対して害はないので、観賞用として飼育してみるのもいいでしょう。また、日本に約200種も生息しているので、捕獲して違いを比べてみるのもおもしろいです。

藤本一志
ライター

藤本一志

米農家です。果樹、野菜も多少経験しています。現場から学んだことをお伝えします!

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