ガジュマルってどんな植物?
ガジュマルは東アジアなどの暑い地域に自生する常緑の高木で、日本でも沖縄や屋久島に年月を経た大木が見られます。沖縄では「キジムナー」という精霊の宿る木として親しまれてきました。室内栽培用の苗が流通するようになり、観葉植物として愛好する人も増えています。
ガジュマルの基本情報
名前 | ガジュマル |
学名 | Ficus microcarpa |
英語名 | chinese Banyan、malayan Banyan |
科名・属名 | クワ科・イチジク象 |
原産地 | 東南アジアなどの熱帯~亜熱帯地域 |
耐暑性 | 強い |
耐寒性 | 弱い |
分類 | 常緑性高木、観葉植物 |
ガジュマルの特徴
日当たりを好み風に強い高木
ガジュマルは生命力が強く、生育環境に恵まれると樹高が20mを越える常緑樹です。太陽の光を好み、幹から気根を垂らして周囲に絡みついて成長します。「絡みつく」が変化してガジュマルという名になったという説もあれば、防風林の役割を果たしていることから、「風まもる」がガジュマルになったという説もあります。
人気の観葉植物
ガジュマルは室内栽培が可能で、観葉植物や盆栽として人気です。挿し木で増やせますが、挿し木のガジュマルの株元は、愛嬌ある足のような形には育たず、一見すると近縁種のベンジャミンに似ています。
ガジュマルの植え替えが必要な理由
根詰まりを防ぐ
ガジュマルは、剪定してコンパクトに栽培していても生育がよく、根も育っています。鉢の中で根がぎっしり回ると根が詰まり、生育が悪くなったり根が腐ったりしがちです。根を整えるか、大きな鉢に植え替えましょう。
ボタニ子
根から呼吸できなくなっちゃうんだね!
新しい土でリフレッシュする
新しい土は、しっかりとした粒の形がありますが、育てているうちに粒が崩れて泥のようになり、通気や水はけが悪くなります。このような土環境で水を与えすぎると、根腐れの原因になります。新しい用土に植え替えることで通気性も排水性もよくなり、根腐れを予防できます。
お気に入りの鉢や大きな鉢に替える
買ってきたときに、別の鉢に植え替えたいときもありますね。プラスチック製の鉢で買ったガジュマルは、インテリアにあったお気に入りの鉢に植えるとよいでしょう。少し大きく育てたい場合は、1~2年ごとにひと回り大きな鉢に植え替えます。
ガジュマルの植え替え時期
植え替えのタイミング
鉢底から根がはみ出してきたとき
鉢の下の水抜き穴から根がはみ出ていたら、根が詰まりはじめている可能性があります。植え替えに最適な季節でなくても、できるだけ早く植え替えてください。
水の浸透が悪くなったとき
いつもと同じ量の水やりをしているのに、水が受け皿に流れ出るまでに時間がかかるようになってきたら、排水状態が悪くなっています。根腐れになる前に、植え替えたほうがよいでしょう。
根腐れの疑いがあるとき
根腐れの疑いがあるときは、すぐに植え替えてください。葉に元気がなく萎れる、葉が黄色や茶色になる、幹が水っぽくフカフカしている、などが根腐れの兆候です。
1~2年に1回が目安
鉢植えでは、成長などに異変があってからではなく、定期的に植え替えるのがおすすめです。根腐れや根詰まりの予防になります。ガジュマルは1~2年に1回くらいの間隔で植え替えるのが目安です。
植え替えの適期
4月~7月が適期
ガジュマルの植え替えに適した季節は、4月~7月です。春になって生育が再び旺盛になるこの時期なら、根切りした箇所もすぐに自然修復しやすいからです。
適期まで待たなくてもいいケース
植え替えに最適ではない時期でも、根詰まりや根腐れに気づいたらできるだけ早く植え替えたほうがいいですね。真冬は避けたいですが、そのまま放置していると枯れてしまいそうなときは、暖かい場所で植え替えましょう。根切りは最小(腐った部分のみ)にとどめてください。
晴れた日の午前中がベター
植え替えは晴れた日に行いましょう。雨の日は湿度が高くて適しません。植え替え後にたっぷり水やりするので、できれば午前中に植え替えるのがベターです。
ガジュマルの植え替え方法
用意するもの
植え替えで用意するもの
- 新しい用土
- 鉢と受け皿
- 鉢底ネット
- 鉢底石(軽石など)
- 清潔なハサミ
- 土入れかハンドスコップ
- 割りばし(小さな棒)
- 古い土を落とす容器
- 敷物(園芸シートや新聞紙)
用土
観葉植物用の土
土は、観葉植物用の培養土を使うと便利です。ゼオライトなどを配合して根腐れ防止と謳った製品もあります。自分でブレンドする場合は、赤玉土と腐葉土、パーライトを6:3:1で混ぜあわせます。根腐れが心配なら、ゼオライトを少し加えるのがおすすめです。
ハイドロボール(レカトン)
ハイドロボールはハイドロカルチャー(土を使わない栽培方法)で、土の替わりに使います。粘土を高温で焼いて発砲させたもので、気泡に取り込んだ空気や水を植物に与えます。清潔で水やりのタイミングがわかりやすい反面、植物を大きく育てるのには適していません。ガジュマルを卓上サイズのまま育てるのに向いています。
鉢
土栽培用
鉢はワンサイズ大きなものを準備します。それ以上大きく育てないときは、同じ大きさか同じ鉢でもかまいません。購入してすぐ植え替える場合は、大きく育てなくても根に余裕をもたせるために、少しだけ大きな鉢にしてください。
ハイドロカルチャー用
ハイドロカルチャーには、水抜き穴がなく水漏れしない器を準備してください。ガラス製でも陶器製でも問題ありませんが、水位がわかりやすい透明な器がおすすめです。
植え替え作業
準備作業
ガジュマルを鉢から出して、根鉢をやさしくほぐします。割りばしなどで根の間の土をつつき、1/3ほどの土を落としてください。黒くなったり、長くなり過ぎたりする根はハサミで根切りします。同じ大きさの鉢に植えるときは、少し多めに根切りしましょう。準備した土が肥料入りでない場合は、緩効性肥料を混ぜておきます。
根鉢がかび臭いときの対処方
鉢から出したときに土が湿っぽくかび臭かったら、根腐れになりかけていた可能性があります。根を傷つけないように土をできるだけ落としてください。黒っぽくなった根は根切りします。植え替えには通気性に優れたゼオライトなどを底のほうに混ぜるとよいでしょう。根腐れ防止剤が配合されている培養土が便利です。
植え替えの手順
- 鉢底にネットを敷き、鉢底石を敷き詰める
- 土入れで用土を1/3ほど入れ、株を植えて位置を決める
- 株の位置を手で固定しながら残りの土を入れる
- 割りばしで土をつついて行き渡らせる
- 受け皿の上に置き、たっぷり水やりする
- 水やりでくぼんだ箇所があれば土を足す
ハイドロカルチャーへの植え替え
準備
鉢とハイドロボール、根腐れ防止用の珪酸塩白土かゼオライトを準備しましょう。ハイドロボールは、使用前に水を通して乾かしておくと、より清潔です。ガジュマルは鉢から出して、土を落としてください。水で洗い流すとよく落ちます。
手順と管理
- 珪酸塩白土かゼオライトを鉢の底に敷く
- ハイドロボールを1/3ほど入れる
- ガジュマルを植えて、位置を決める
- 隙間にハイドロボールを加えて安定させる
- ハイドロボール全体に水を吸わせながら、器の1/4ほどの位置まで水を入れる
- 水は、底になくなって2~3日後に、1/4くらいの位置まで入れる
- 肥料は、水耕用の液肥がおすすめ
植え替え後の管理方法
植え替え後1週間くらいは、直射日光に当てないように、窓から少し離れた所に置いてください。その後は、窓際に置いてもかまいません。ハイドロカルチャーは、水が温まりすぎないように直射日光は避けましょう。レースのカーテン越しの光なら大丈夫です。
まとめ
ガジュマルは自然界で育つ大きな木も魅力的ですが、室内で育てられるのもうれしいですね。眺めているとほっこしりた気分になるのではないでしょうか。丈夫な植物とはいえ、根詰まりさせないように気を配って育てましょう。
出典:写真AC