犬に危険な毒性植物【雑草】
イラクサ
イラクサは多年性の雑草で、生命力が強く山道や河川敷などに群生します。草丈も約50cmにも伸びる植物です。細かい毛が生えており、触るとちくちくと1時間ほど痛みがあるため、イタイイタイグサとも呼ばれます。しかし、実は山菜の仲間でもあり、天ぷらやおひたし、和え物などにすると少々のぬめりがあり、癖もなく美味しく食べられます。
ボタニ子
毒性と症状
イラクサのトゲには、アセチルコリンやヒスタミンなどが入った袋があり、それが皮膚に刺さって体内に注入されると中毒を起こします。症状は、焼かれるような痛さの口内炎や涎がとまらなくなる、筋力が低下し痙攣(けいれん)を起こすなどです。脈が弱くなり、呼吸困難を起こすこともあります。
ボタニ子
蕁麻疹(じんましん)の蕁麻(じんま)とは、このイラクサのことよ。
ドクゼリ
ドクゼリは日本三大有毒植物のひとつで、アメリカでも人間が誤食し中毒起こした例があります。「世界最悪の猛毒草」とも呼ばれ、人間でも誤食による死亡例があるほどの危険植物です。誤食のみならず、触った皮膚からも毒が体内に入り中毒症状を起こします。自生地が食用のセリと同じ湿地で根茎がわさびに似ているため、見分け方が難しいです。
毒性と症状
問題は、犬が食べてもよいといわれるセリと違いの見分け方が難しいことです。成長した場合は大きさが違うためわかりやすいですが、ドクゼリの新芽がセリとよく似ています。ドクゼリに含まれる、シクトキシン、ビロールAが猛毒で、誤食すると激しい嘔吐、ふらつき、全身がきしむような痙攣や呼吸困難など激烈な症状を経て、死亡に至ります。
ボタニ子
セリが生える場所に犬を連れて行かないのがいいわね!人間だって見分け方が難しいから。
ボタ爺
ドクゼリの覚え方は茎の中が空洞で、セリ独特の香りがしないこと。根がタケノコ状になっているのもセリとの違いだの。
ボタニ子
見分け方がわかっても、触るだけで毒成分が体内に入るから、犬の肉球は危険よ。セリがある場所に一緒に行かないのが無難ね。
マムシグサ
マムシグサは野原や神社の草むら、林の下草の中などに生えています。草丈は80cmほどまで伸びる多年草です。仏炎苞(ぶつえんぽう)の中に花があり、それを包むような葉の色が暗紫色で、模様がマムシに似ているのでマムシグサと呼ばれます。全草が有毒です。実は赤く、誤食した人が甘かったと表現した例があります。
毒性と症状
マムシグサには全草に毒があり、種類はシュウ酸カルシウムです。花が咲いている間よりも、問題は実がなってからです。赤く美味しそうに見えるのが特徴で、人間の子どもも誤食した例があります。誤食した場合、口の中が燃えるように痛くなり、炎症やただれを引き起こします。下痢、嘔吐も繰り返すため、脱水症状も問題です。
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犬に危険な毒性植物【野菜・果物】
アボカド
アボカドには、ビタミン、ミネラル、食物繊維などとても多くの栄養素がふくまれ、世界で一番栄養素の多い果実としてギネスブックにも認定されています。そのまま食べるだけでなく、肉や野菜、魚介類とも相性がよいため、活用しやすい果物です。葉酸やビタミンEやCなど美肌に役立つ成分も多く、食べる美容液として女性に人気があります。
毒性と症状
アボカドにはペルシンという成分が含まれています。人間がペルシンを摂取しても大丈夫でアボカドを食べても安全ですが、人間以外の生き物には毒物に当たる成分です。実は研究されはじめたばかりで、アボカドの種類や生産地によってもペルシンの含有量が違ったり、日本と外国では安全性の基準が違ったりします。安全性が確立されていないため、アボカドを食べさせるのは危険です。
ボタニ子
ペルシンは、皮や種に多く含まれているというデータがあるの。誤食すると皮は硬くて口内や、内臓を傷つけるおそれがあるわ。
ボタ爺
種を飲み込んで、外科手術をしなければならなくなった例もあるぞ。下痢や嘔吐などの症状もあるそうだ。
ボタニ子
犬種や大きさ、年齢や食べたアボカドの量、種類によって違うけれど、最悪死亡することもあるらしいわ。
ネギ
冷ややっこや蕎麦の薬味などに使われるネギや、カレーなどの煮込み料理などが美味しい玉ねぎ、味のアクセントに使われるニンニクなど、ネギ類はさまざまな用途で活躍します。ネギ類には血液をサラサラにする成分が含まれており、健康管理の味方になります。生のまま食べればピリリと辛く、加熱するととろりと甘いのも魅力的な野菜です。
毒性と症状
ネギにはアリルプロピルジスルフィド成分が含まれます。ネギを犬が誤食した場合、この成分が赤血球を溶かし、タマネギ中毒という病気になります。赤血球が溶けることによる貧血、激しい下痢、嘔吐、血尿、黄疸などの症状が特徴です。アリルプロピルジスルフィドは水溶性のため、ネギが入っていたスープも犬に与えてはいけません。
ボタ爺
愛犬の様子がおかしかったら、病気を疑うのと同時に、なにか有毒性のものの誤食も考えてみよう。近くに食べ残しがあるかも。
ボタニ子
誤食したものがわかるときは、何をいつ、どれくらい食べたか獣医さんに知らせるといいわ。
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有害植物を知って犬と安全に暮らそう
犬は好奇心旺盛で、とくに子犬は無邪気になんでも噛みたがります。ある程度のしつけで、口にしてはいけないと教えられますが、確実ではありません。まずは犬の手の届かない場所に植物を移動したり、散歩コースに危険な植物がない場所を選んだりしましょう。また人間が食べても大丈夫なものが犬にとっても安全とは限りません。楽しく犬との生活を送るために、有害植物を知っておきましょう。
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イラクサを食用に採取するときも、雑草として駆除するときも、手袋は必須よ。