野菜スープにひと工夫
栄養を考えて作っている野菜スープに飽きてしまい、家族もあまり食べてくれない、ということがあるかもしれません。具材を変えたり高級調味料に頼ったりする前に、目線を変えてひと工夫をしてみましょう。いつもの野菜の、新しいおいしさを発見できますよ。
使う野菜ではなく作り方を変える
紹介するレシピは、おなじみの野菜を使った簡単な作り方のスープばかりです。マンネリ脱出のカギは、野菜の切り方を変える、トッピングで彩りや香りをプラスする、とろみをつけるタイミングを変える、具材の意外な組み合わせ、などです。
外国の野菜スープからヒントをもらう
外国にもおいしい野菜スープはたくさんあります。本格的に外国の作り方を再現するのは少しハードルが高いうえ、日本人好みではない味の場合もあるでしょう。ほかの国のスープの作り方や味付けをヒントにして、いつものスープを少しだけアレンジするのが簡単でおすすめです。外国のエッセンスを食卓に取り入れるなら、スープはもっと深く面白くなりますよ。
野菜スープに胡椒は要注意
コンソメに塩胡椒が定番の味付けになりがちですが、野菜のみのスープの場合、胡椒は控えめか、いっそのこと使わないのがおすすめです。胡椒は意外に香りが強く、ピリピリと舌を麻痺させてしまい、野菜の繊細なおいしさを感じにくくさせます。葉物野菜の甘さ、根菜の滋味、キノコの芳醇な香りを味わうのに、胡椒は必ずしも必要ではないのです。
食卓に、薬味と一緒に岩塩や胡椒の瓶を置き、野菜スープの味付けが物足りないときにひとふり、という方法もおすすめです。調理中に胡椒をふるのとさほど味は変わりません。時には調味料やスパイスを引き算することが、野菜のおいしさと向き合うきっかけになりますよ。
ボタニ子
レシピ①焼きネギのスープ
調理時間:30〜45分
ネギと骨付き鶏を煮込んだスープに、焼きネギの具、刻みネギの薬味を浮かべたネギづくしのスープです。じっくり焼いた甘いネギと刻んだネギは食感も味わいもまるで違います。一種類の野菜をさまざまに味わえる、具材がネギだけでも贅沢なスープです。
材料(4人分)
- 水:800cc
- 料理酒:50cc
- 骨付き肉(鶏手羽先や鶏手羽元):500〜600g
- うま味調味料:少々
- 岩塩:少々
- 長ネギ:2本
- しょうが:ひとかけ
- ニンニク:1〜2片
手順
- 圧力鍋や鍋肌の厚い鍋に、骨つき肉、長ネギの青い部分、しょうがとニンニク、酒、水を入れ、火にかける
- 圧力鍋で15分加圧した後圧力が抜けるまで放置する(もしくは鍋で30分煮込む)
- 長ネギをぶつ切りと小口切りにし、ぶつ切りのネギを油をひいたスキレットや鉄のフライパンで柔らかくなるまで焼く
- スープのあくを取り、うま味調味料、岩塩で味付けする
- スープカップに焼きネギと小口ネギを入れ、4のスープを注ぐ
ボタニ子
鶏がらはスープをとった後使えないけど、骨つき肉ならおいしく食べられるわ。
おいしく作るポイント
- 手羽元、手羽先ともゼラチン質のおいしいスープができる。手羽先のほうがゼラチンは多い
- うま味調味料は最小限にして、鶏のスープと焼きネギのおいしさを味わう
- 焼きネギ以外に加える具は、お麩がおすすめ
ボタニ子
ここで紹介した鶏ガラスープは、②~④のスープにも使ってもおいしいわ。
レシピ②中国のトマトスープ
調理時間:10分
トマトを使ったスープといえば、ミネストローネを思い浮かべるかもしれませんね。中国にも、トマトを使った簡単でとてもおいしいスープがあります。中国の家常菜(家庭料理)定番のスープのレシピを紹介します。
材料(2人分)
- 水:400cc
- 顆粒鶏がらスープの素:小さじ2
- めんつゆ:小さじ2
- 中玉トマト:2個
- 卵:2個
- 長ネギ:少々
- 片栗粉:大さじ1
ボタニ子
鶏がらスープの素や中華だしの素は、お使いのものの塩分により量を加減してね。
手順
- 鍋に調味料と水を入れ、火にかける
- トマトをくし形に、長ネギを小口切りにし、卵は器に割り入れ溶く
- 1が煮立ったら、水溶き片栗粉でとろみをつける
- 3のスープに、トマトを入れ再び煮立ったら、卵を少しずつ入れ箸でかき混ぜる
- 最後に長ネギをいれる
おいしく作るポイント
- トマトが煮崩れて酸っぱいスープになるのを避けるため、とろみをつけてからトマトを入れる
- 最後に紹興酒をほんの少し入れると華やかな香りがたつ
ボタニ子
紹興酒は、子どもがいるときは入れないほうがよいかもしれないわ。
それでは、野菜スープの作り方をご紹介します。