どんぐりの見分け方!意外とたくさんあるどんぐりの種類をご紹介

どんぐりの見分け方!意外とたくさんあるどんぐりの種類をご紹介

どんぐりは、「どんぐりころころ」などの童謡にうたわれたり、コマにして遊んだりして親しまれてきた木の実です。食用にもなるどんぐりなど種類は多く、見分け方にはいくつかポイントがあります。どんぐりの見分け方を覚え、いろいろなことに使って楽しみましょう。

記事の目次

  1. 1.どんぐりの概要
  2. 2.どんぐりの見分け方
  3. 3.主などんぐりの種類<コナラ属><ブナ属>
  4. 4.主などんぐりの種類<シイ属><マテバシイ属>
  5. 5.どんぐりをみつけて楽しもう

アラカシ

出典:写真AC

属名 コナラ属
形態 常緑樹
分布 宮城、石川県以南~九州
堅果 細長く小さい
殻斗 浅くて横縞模様

アラカシのどんぐりは、先のとがった直径2cm弱の茶色の卵球形で、縦の筋が目立ちます。殻斗は浅いお椀型で環の模様が横縞のように見えます。カシの仲間は渋味が強く、殻斗の横縞模様が特徴です。

アラカシの概要

出典:写真AC

アラカシは、西日本に多く生育している常緑のどんぐりの木で、公園や垣根などに植栽されています。樹皮は暗灰色で、葉は濃緑でつやがあり、ふちにぎざぎざのある楕円形です。

アラカシとシラカシの見分け方

出典:写真AC

アラカシとシラカシの見分け方のポイントは、どんぐりの先端の形です。どちらも先はとがっていますが、シラカシの堅果は先がやや段状になっています。殻斗の模様は同じ横縞で、シラカシのほうが少し深めです。

カシの仲間はそっくりで、見分けるのは難しいね。

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アラカシとは?どんぐりがなる木の特徴や生垣としての育て方をご紹介!
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ブナ

属名 ブナ属
形態 落葉樹
分布 北海道~九州
堅果 小さい、三角錐の形
殻斗 ヒゲ状で全体を包む

ブナのどんぐりは、ヒゲ状の殻斗が全体を包んでおり、熟すと4つに分裂します。なかの堅果は2個で、円錐の形です。渋味がほとんどなく、タンパク質や脂質もふくまれているため、冬眠前のエゾリスなどの食料となります。

ブナの概要

ブナは、北海道から九州に生育する落葉樹です。北海道や東北地方に多く、世界遺産に登録された白神山地のブナの原生林は豊かな生態系を育んでいます。幹は灰色がかっていて、葉は対になった葉脈がくきやかで、冬には黄葉します。

風が通ると木がブーンブーンとうなってるように聞こえるので、ブナと呼ばれたって説があるわね!

主などんぐりの種類<シイ属><マテバシイ属>

スダジイ

Photo by urasimaru

属名 シイ属
形態 常緑樹
分布 東北地方南部以西
堅果 1cmほど、細長い、茶褐色
殻斗 すっぽり包む、3つに炸裂

スダジイのどんぐりは、突起のある殻斗が堅果をすっぽり包んでいて、巻貝のような見た目です。熟すと殻斗が3つに裂け、茶褐色の堅果があらわれます。堅果は長さ2cmほどの、先がとがった細長い卵型です。椎の実とよばれ、昔から食べられてきました。生でも食せますが、炒るとうま味が増します。

ボタ爺

ボタ爺

スダジイとは、親しみを感じる名前じゃ。巻貝のシタダミに似てるんで、シタダミが変化してスダジイになったという説がある。

沖縄ではイタジイと呼ばれていますね。

スダジイの概要

出典:写真AC

スダジイは、東北地方の佐渡や福島あたりが自生の北限で、それより西の日本の山野に分布し、神社やお寺などでよく見られます。幹肌には縦の裂けめがあり、枝分かれしやすくこんもりした樹冠を形成します。葉は先がとがった濃緑の楕円形で艶があり、葉裏は灰黄色です。5月ごろに香りの強い淡黄色の花が咲きます。

スダジイの木材も、シイタケ栽培に使われてるんだよ。

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スダジイとは?植物としての特徴・見分け方から利用法や育て方まで解説
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ツブラジイ

属名 シイ属
形態 常緑樹
分布 関東以南
堅果 茶褐色~黒、丸い
殻斗 熟すと炸裂する

ツブラジイのどんぐりも椎の実と呼ばれ、アクが少なく食べやすいです。堅果はスダジイよりも小さく直径1cmほどで丸みがあり、黒っぽい茶褐色です。熟すと茶色い殻斗が炸裂します。

ツブラジイの概要

出典:写真AC

ツブラジイの木は関東以南に多く分布しています。山地に自生しているほか、神社や大きな屋敷などにも植栽されていて、樹高は20mを越えるものもあります。葉は濃緑の楕円形で、先端が細くてつやがあり、裏側が銀白色なのが特徴です。5月ごろに、黄色の花がふさ状に咲きます。別名は、コジイ(小椎)です。

岐阜の金華山には、ツブラジイが繁っていて、開花時に山全体が金色にみえるのが山の名前の由来です。

ボタニ子

ボタニ子

ツブラジイのどんぐりは、黒っぽくてまんまる!

マテバシイ

出典:写真AC

属名 マテバシイ属
形態 常緑樹
分布 房総半島以西
堅果 艶がある、細長い
殻斗 鱗状の浅いお椀型

マテバシイのどんぐりは、艶があって細長いのが特徴です。明るい茶色でスリムな砲弾の形をしています。椎の実と同じく苦味が少なくおいしく食べられますが、シイ属ではなくマテバシイ属に分類されます。殻斗は、うろこ状のお椀型です。

ボタ爺

ボタ爺

名前の由来は、「葉っぱがマテ貝のように長い椎の木」「待てば椎のようにおいしくなる」など、諸説あるようじゃ。

マテバシイの概要

Photo by harum.koh

マテバシイの分布地は房総半島以西です。九州や沖縄などの暖地に多く、虫が発生しにくく潮風に強いことから、防風林として街路や公園などに植栽されています。葉は革質で光沢があり、8cm~20cmほどの細長い楕円形です。

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マテバシイとは?特徴や育て方をご紹介!上手な手入れのコツは?
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どんぐりをみつけて楽しもう

出典:写真AC

交雑種を含めるとどんぐりの種類は多く、はっきり見分けるのは難しいこともあります。拾ったどんぐりが、どの仲間の実なのか調べて、その特性を知ることでいろいろなことに利用可能です。栗や椎の実のように食したり、ハンドメイドに使ったりするなど、その使いみちはさまざまです。ぜひ、いろいろなどんぐりを見つけて深まる秋を楽しんでみてくださいね。

Sandy
ライター

Sandy

家庭菜園など庭いじりを楽しんでいます。樹木も好きで、様々な木を植えては剪定に追われています。素敵な写真をシェアしてくださる方々に感謝です。

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