ポインセチアの栽培方法【栽培スケジュール】
ポインセチアは冬に開花時期を迎えますが、じつは耐寒性が低い植物です。生育に適した温度は20℃~30℃で、10℃以下になると枯れてしまう恐れがあります。そのため四季による温度変化が大きい日本では、鉢植え栽培が基本です。暖かい時期は室外、寒い時期は室内で管理しましょう。光を好むため、室内栽培でも日当たりのよい場所で育てるのが管理の基本です。
ポインセチアの花に見える部分は「苞(ほう)」と呼ばれる葉の変形です。中心部の黄色い部分が、本当の花なんですよ。
季節ごとにすること
春・夏は過湿に注意
ポインセチアの生育に適した温度が保てる春~夏は、室外で管理します。ただしポインセチアは過湿と強烈な直射日光に弱いため、梅雨時と真夏の猛暑日には注意が必要です。梅雨時は雨に当たらない軒下へ移動させましょう。日差しが強くなる7月~8月は、風通しがよい明るめの半日陰で管理して、直射日光による葉焼けを防ぎます。
ポインセチアは、急に環境を変えると葉を落とすことがあります。少しずつ置き場所を移動させて慣らしましょう。
猛暑日は室内で管理するのもおすすめだよ。温度が下がり過ぎないように、冷房の風が直接当たらない場所を選んでね。
秋・冬は温度に注意する
ポインセチアの秋~冬の栽培は室内管理が基本です。ポインセチアは耐寒性が低く、10℃以下になると葉が落ちます。室内でも日当たりがよく暖かい場所を選びましょう。乾燥も苦手のため、暖房の風が当たらない場所であることも重要です。窓辺のように、日没後は温度が下がりやすい場所の場合は、窓辺から離したり、ダンボールや発泡スチロールで囲ったりして低温から守りましょう。
ポインセチアの育て方【準備~植え付け】
用土
ポインセチアが好むのは、水はけと水もちがよく、有機質を豊富に含んだ用土です。自分で配合する場合は、赤玉土(中粒)5:腐葉土3:ピートモス(酸度調整済み)2の割合で作りましょう。市販品を使う場合は、観葉植物用の培養土でも問題ありません。しかし、市販品はメーカーによって水はけや水もちが異なります。水はけが悪いと感じたら、砂やパーライトを混ぜて調整しましょう。
元肥
ポインセチアの元肥は、4月~5月の植え付けの時期に施します。元肥は、においが少なくゆるやかに効く緩効性化成肥料がおすすめです。用土に緩効性化成肥料を少量混ぜておきましょう。緩効性化成肥料が多過ぎると、根が肥料焼けを起こす恐れがあります。取扱説明書をきちんと読み、用法・用量を守って使いましょう。
植え付け・植え替え
ポインセチアの植え付けは、冬の休眠期から生育期に変わる4月~5月が適期です。新しい鉢に、水はけと水もちのよい肥沃な用土で植え付けましょう。ポインセチアの植え替えも、植え付け時と同じ4月~5月に行います。ポインセチアは根詰まりを起こしやすい植物です。1年~2年に1回のペースで植え替えましょう。
耐寒性が低いポインセチアは、冷気があたるとすぐにダメージを負ってしまいます。適期でも寒い日に作業するのは避けましょう。
ポインセチアの育て方【日常管理】
栽培環境
ポインセチアは10℃以下で葉を落としてしまうほど、耐寒性が低い植物です。冬場は必ず室内栽培で、株を冷やさないように管理しましょう。乾燥に強い植物ですが、暖房の風に当たると生育に悪影響をおよぼします。暖房の風が当たらない場所を選びましょう。光を好むため、5月~9月の生育期は日当たりのよい室外で栽培します。過湿を嫌うことから、風通しがよく雨に当たらない場所がおすすめです。
水やり
ポインセチアの水やりは、生育期と休眠期で頻度を変えるのが基本です。生育期、特に成長がさかんな5月~9月は、土の表面が乾いたら鉢底から水が出るくらい、たっぷりと水を与えましょう。ポインセチアは茎や葉に水がかかると傷んでしまいます。水やりの際は、株に水がかからないように注意が必要です。一方、ほとんど水を吸わなくなる休眠期は乾燥気味に管理します。
11月~3月の休眠期の水やりは、土の表面が乾いてから3日~5日後を目安に行いましょう。
水やり後、鉢受け皿に水が溜まっていると、根腐れの原因になるからすぐに捨てようね。
2月~5月の水やりは要注意
ポインセチアは2月~5月になると、新芽が出始めるまで生育を休止します。そのため2月~5月の水やりは、特に乾燥気味に管理することを心がけましょう。また、冬の寒い時期、土が湿っているのに葉がしおれている場合は、水不足ではなく寒さで株が弱っている可能性が高いです。水やりする前に、暖かい場所へ移動させて様子を見ましょう。
追肥
ポインセチアの追肥は、生育期にあたる5月~10月に行います。ポインセチアは肥料焼けしやすいため、時期にあわせて追肥の仕方を変えるのが、効果的な追肥の重要ポイントです。特に生育が盛んな5月~7月は、1000倍に希釈した液体肥料を7日~10日に1回のペースで与えましょう。開花時期への準備をする8月~10月は、緩効性化成肥料を2カ月に1回のペースで置き肥します。
剪定
ポインセチアの剪定は開花後に行います。適期は4月~5月です。株全体を1/2~1/3の高さまで切り戻します。早めに剪定しないと、新芽が株の上部から出てしまい、腰高でバランスの悪い株になるので注意が必要です。植え替えの適期と同時期のため、剪定後にすぐ植え替えを行うと作業が効率よく進み、株の成長もよくなります。
ポインセチアの葉や茎を切ると白い樹液が出ます。樹液には有毒成分が含まれており、触れると皮膚がかぶれてしまいます。
剪定や植え替えなど樹液に触れそうな作業をするときは、必ず手袋を着用しようね。
ポインセチアの育て方【病気・害虫対策】
病気対策
ポインセチアの栽培で警戒すべき病気は「すす病」「灰色かび病」です。どちらの病気も、風通しが悪く蒸れやすい環境になると発生しやすくなります。風通しのよい場所で管理し、葉が混みあわないように、切り戻しなどの手入れを行いましょう。病気を見つけたら患部を取り除き、薬剤を散布して消毒します。
害虫対策
ポインセチアの栽培で、警戒すべき害虫は「オンシツコナジラミ」「アブラムシ」「カイガラムシ」です。いずれも葉や茎、新芽などについて養分を吸い取ることから「吸汁性害虫」と呼ばれています。さらにウィルスを媒介したり、排泄物が病気の原因になったりと、放置すると被害が大きくなるため、早急な対処が必要です。日頃からこまめに株を観察し発見次第、薬剤や捕殺で駆除しましょう。
ボタニ子
次は「ポインセチアの増やし方」だよ。
出典:写真AC