葉牡丹の育て方【管理・手入れ】
置く場所
葉牡丹は日当たりのよい場所で育てます。耐寒性があり、冬も屋外に置きますが、寒風が常に吹きつける場所はできるだけ避けてください。雪の多い寒冷地では、玄関ポーチなどに置くとよいでしょう。
室内でも育てられますか?
日当たりを好み、寒さで葉が発色する葉牡丹は、室内栽培は向いていません。色づいたのちに数日間室内に置くことは可能です。玄関や窓際に置き、直接暖房にあてないでください。暖かいと、春のように花を咲かせようとして葉形が乱れます。いつまでも室内に置かないほうがよいですね。
水やり
鉢植え・庭植えともに、植え付けから根付くまではたっぷり水やりします。根付いたら、庭植えには水やりの必要はありません。鉢植えには土の表面が乾いたら、水やりします。
肥料
肥料は植え付け時に緩効性肥料を施し、一年草として育てるなら追肥は不要です。生育が悪いときのみ、即効性の液体肥料を濃度を薄めて与えてください。10月以降に肥料を多く与えると、色づき具合が悪くなることがあります。多年草として育てるときは、5月~9月に追肥します。
窒素分が多いと発色が悪くなるため、元肥は成分配合の割合に気をつけてください。窒素・リン酸・カリウムの割合が同等の肥料がよいでしょう。
多年草としての管理
花茎切り
花が咲き終えて莢(さや)ができたら、花茎を切りましょう。花穂の根元近くで切り、下のほうの葉は残してください。下のほうから新しい葉芽が育ち、冬が近づくころに発色します。切り口が雨にさらされると腐りやすいため、乾くまで軒下に置くかアルミホイルなどで切り口を覆いましょう。
踊り葉牡丹仕立て
2年目以降も、春ごろに花茎を切っていきます。増えた茎と葉の形は踊っているように見えて、踊り葉牡丹と呼ばれています。全体のバランスを見て、新芽の数を整理しましょう。ユニークな踊り葉牡丹を作るなら、茎の長い種類がうってつけです。
植え替え
鉢植えは、花茎を切る春ごろに植え替えましょう。かたく回った根をほぐし、少し切って整え、新しい土に緩効性肥料を加えて植え替えてください。同じサイズの鉢でも問題ありませんが、踊り葉牡丹にして茎数が増えた場合は、安定させるために一回り大きな鉢に植えます。庭植えは、株が元気であれば植え替えの必要はありません。
草花用培養土か、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で混ぜて使ってね。
そのほかの管理
葉牡丹は、一番外側の古い葉から少しずつ枯れてきます。黄色くなったり霜で傷んだりしたら、そのつど摘み取ってください。増えすぎた葉も摘んでよいため、見映えよく整えましょう。また、茎が長くなる種類や踊り葉牡丹には、支柱を立てると安定します。
葉牡丹の育て方【病害虫対策】
病気
株元が濡れた状態が続くと、べと病を発症することがあります。かび(糸状菌)がついて葉に黄色い斑点ができます。また、夏から秋の高温多湿時は、キャベツなどがかかる黒腐病にも注意してください。葉の先が黒く枯れる病気です。過湿にならないように気をつけましょう。
害虫
アオムシ、コナガやヨトウムシの幼虫が葉牡丹の葉を食べます。早めに見つけて駆除してください。また、植え付け前の幼苗の頃には、ナメクジやアブラムシがやってくることがあります。食害を避けるために、育苗中は防虫ネットで覆いましょう。
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葉牡丹の育て方【増やし方】
種を採取
葉牡丹は種を採って増やせます。花後に莢ができ、夏(6~7月ごろ)に莢が枯れて茶色くなると、はじけて種がこぼれます。莢がはじける前に種を採り、まいて増やしましょう。種まき適期は夏です。
いわゆる先祖返りで親品種が生えてくる場合があります。
挿し木
葉牡丹の増やし方には挿し木もあります。花茎を切って挿し穂を作りましょう。節が2~3節ある挿し穂を作り、水を吸わせてから水に濡らした土に挿します。挿し木用の培養土か、小粒・顆粒の赤玉土を使ってください。発根するまでの約1カ月間、乾かさないように管理しましょう。挿し木の適期は春~初夏です。
葉牡丹の種類
丸葉系
葉のふちが丸い丸葉系は、よく流通している育てやすい種類です。江戸時代から作られていて、東京丸葉系ともいわれます。大阪丸葉系は、ちりめん系と丸葉系を交配させた葉のふちが少し波打つ種類です。「紅霧」「白霧」「白帆」などの品種があります。
ちりめん系
ちりめん系は、明治時代に名古屋で縮緬系ケールと交配した種類で、葉の縁が細かく縮れています。成長が緩やかで、鉢植え栽培向きです。主な品種は「赤ずきん」「白ずきん」などです。
切葉系
切葉系は、丸葉系とロシア産の切葉ケールの交配品種です。葉が細くて切れ込みがあり、切れこみの形状によって、サンゴ系やクジャク系とも呼ばれます。「紅孔雀」「ハーモニー」などの品種があります。
ミニ葉牡丹と高性種
葉の形以外に、小型のミニ葉牡丹や門松に使われるような大型、茎の長い高性の種類があります。「晴姿」は草丈約80cmほどの切り花用の丸葉系高性種、「スノードレス」はちりめん系矮性種です。
葉牡丹で冬の庭も華やかに!
秋から春まで楽しめる葉牡丹は、手ごろな価格で入手しやすく、育てやすい草花です。寄せ植えにしたり、たくさんまとめて植えたりすると、花が少ない冬の庭が華やかになりますよ。
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出典:写真AC