ルドベキア・フルギダの概要
ルドベキア・フルギダは、明治時代に東郷平八郎がイギリスから種を持ちこみ、当時の向島百花園に寄贈した花です。そのため別名を東郷菊(とうごうぎく)といいます。ルドベキア・フルギダは北米が原産の原種で、現在は大きさや花色が異なる園芸種が多く作られています。園芸種には一年草や二年草がありますが、本種は多年草の宿根草です。
ボタニ子
ボタ爺
ルドベキアの仲間には、特定外来生物に指定されているものもあるぞ。
多年草と宿根草の違いは?
多年草とは、何年も同じ場所で花を咲かせるものをさします。その中でも冬に地上部が枯れ、根が冬越しして翌年また花を咲かせるものが宿根草です。常緑で冬も地上部が枯れないものを、多年草とする場合もあります。
基本情報
科属 | キク科・オオハンゴンソウ属(ルドベキア属)フルギダ種 |
形態 | 耐寒性宿根草 |
学名 | rudobeckia fulgida |
草丈 | 80cm~120cm |
開花時期 | 6月~11月 |
花色 | 黄色~山吹色 |
原産国 | 北アメリカ |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
別名 | 東郷菊(とうごうぎく) |
ルドベキア・フルギダの特徴
ルドベキア・フルギダの葉は交互に生える互生で、キク科らしく縁がギザギザしています。茎は紫よりの茶色で、葉、茎ともに毛が生えているのが特徴です。ルドベキア・フルギダの花色は黄色や山吹色で、枝分かれした花茎の頭頂に3cmほどの花を咲かせます。中央の半球形の部分は筒状花(変形した小花)で、囲むようにつく花弁は反り返っています。
ボタニ子
ルドベキア・フルギダは大型で、草丈が約120cmまで育つものもあるよ。夏の太陽にもまけずに花を咲かせ続けるのも特徴ね。
ボタ爺
夏の暑さにも強いが、冬の寒さに強いぞ。一度植えてしまえばしっかり冬越しして、翌年の春にはまた新芽がでてくるんだ。
ルドベキア・フルギダの栽培カレンダー
季節ごとにすること
春は種まきや植え付けを
暖かくなったら種まきや植え付け、植え替えをします。育苗する場合は、3月に入ったら種まきしましょう。植え付けや鉢植えの植え替えは4月~5月が適期で、花を増やすための株分けもこの時期にするのがおすすめです。
夏は乱れた株を剪定
夏は、花が咲き枝分かれして株の形が乱れてくるころで、剪定するのに適した時期です。思い切って半分くらいまで剪定すると、秋に花をたくさん咲かせます。夏もルドベキア・フルギダの花を楽しみたいという場合は、剪定しなくてもよいでしょう。
秋にも種まきができる
秋にルドベキア・フルギダの種をまくこともできます。秋にまいた種は発芽して冬越しし、春まきの種よりも開花時期が遅れることなく花を楽しめます。耐寒性が強いのが特徴ですが、雪が多かったり凍結したりする寒冷地では枯れる可能性があるため、植え付けを急がず春まで待ちましょう。
寒冷地での冬越しにはマルチングを
耐寒性宿根草のルドベキア・フルギダは、冬になると地上部が枯れ地下茎とロゼット状の葉をのこして冬越しします。温暖な地域ではそのままで冬越しできますが、霜や積雪が心配される地域ではマルチングしておくと安心です。
ルドベキア・フルギダの育て方【準備~植え付け】
用土
ルドベキア・フルギダは基本的に強健で、水はけを注意すれば用土選びに神経質になることはありません。地植えの場合は水はけをよくするために、腐葉土を混ぜこんでおくとよいでしょう。鉢植えで育てる場合は、市販の草花用の培養土を使うと簡単です。用土を自作する際は、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを5:3:2の割合で混ぜてください。
種まき
ルドベキア・フルギダは春と秋に種まきができます。種まき用の用土を育苗トレイに入れ、種まきをして土はかぶせずに水やりをします。じょうろで水やりすると種が流されてしまうため、霧吹きや鉢底面給水するとよいでしょう。発芽適性温度は20℃~25℃で、水切れさせないようにすると10日前後で発芽します。本葉が4枚~6枚になったら6cm程度のビニールポットへ移してください。
植え付け
育苗ポットの下まで根がまわるようになったら植え付けです。鉢植えなら、8号以上の植木鉢の底にネットと底石をしき用土を入れます。ポットから抜いた苗を入れて、さらに用土を植木鉢の縁から2cm~3cmのところまで入れて水やりをしてください。地植えの場合は、株間を30cm~50cmあけて植え付けましょう。
ボタニ子
ルドベキア・フルギダは枝分かれした先端に、花が咲くのが特徴ね。株も大きくなるから地植えは株間が必要よ。
ルドベキアの園芸種は、フルギダほど大きくならない種類も多いわ。水やりの方法や肥料の有無が違うものもあるわね。