テイカカズラの育て方
栽培カレンダー
育て方①栽培環境
テイカカズラは、日当たりのよい場所や陰になる場所でも栽培できます。半日陰や半日だけ日の当たる場所でもじゅうぶん育つ耐陰性のある植物で、日陰のグランドカバーにおすすめです。ただし、たくさん花を咲かせるためにはよく日を当てる必要があります。開花中心に栽培する場合は日の当たる場所に植え付け、鉢植えも日当たりのよい場所に置きましょう。
夏の直射日光に注意!
7月~8月の暑さの厳しい時期は、葉が焼けて変色や枯れる心配があります。株への大きなダメージにつながるため、鉢植えなど移動できるものは半日陰や日陰に移動し、地植えはコンクリート壁の照り返しが強い場所や、日中強く日が当たる場所を避けて育てます。
育て方②水やり
鉢植えのテイカズラには、用土が乾いたら水やりします。春から夏にかけて鉢内の用土が乾きすぎると株の弱りや枯れる心配があるため、乾燥しすぎないように注意しましょう。地植えはとくに水やりする必要がなく自然の雨で大丈夫です。ただし、暑い季節に乾燥が激しい場合は、朝または夕の時間帯にしっかりと水を与えます。
越冬期の水やりは?
冬はテイカカズラの成長スピードが鈍りあまり水を必要としなくなるため、越冬期の水やりは控えます。鉢植えは用土が乾燥してから2日~3日後に水やりし、地植えは水やりをストップしましょう。
育て方③土
テイカカズラは適度に水持ちし、水はけのよい土が適します。成長や開花には水分が欠かせませんが、水分が多すぎると根腐れの心配もあります。自分でブレンドする場合は、赤玉土(小粒):腐葉土:バーミキュライトを6:2:2の割合で混ぜ、水はけと水持ちのよい土を用意しましょう。
市販の草花用土を使う場合は赤玉土(小粒)を3割~4割ほど加えると保水性や排水性がよくなりますよ。
育て方④肥料
テイカカズラは肥料を与えなくても丈夫に育つため、とくに施肥の必要はありません。ただし目立って葉色が悪くなり株に元気がなくなった場合は、越冬期(2月頃)に寒肥を施すと株の回復が期待できます。寒肥として与える肥料は、草花用の穏効性肥料(市販)固形タイプが使いやすくおすすめです。鉢植え・地植え共に株元から離して置き肥します。
育て方⑤植え付け・植え替え
植え付け
テイカカズラの植え付けは、4月~7月の上旬と9月が適時です。9月以降、寒い時期に植え付けすると根がうまく土に定着せず枯れる心配があります。植え付けはできるだけ暖かい季節に行うのがおすすめです。
植え替え
テイカカズラの植え替えも、植え付けと同じ時期に行えます。1年に1回は植え替えて株をリフレッシュさせます。植え替えの際は、ひと回り大きなサイズの鉢植えを用意して植えます。
育て方⑥増やし方
テイカカズラは「挿し木」の方法で簡単に増やせます。挿し木は6月~8月頃、その年に生えた新しい枝を10cmほどの長さに切り、市販の挿し木用土か赤玉土、鹿沼土などに挿して増やします。
ボタ爺
土に挿す前に30分ほど挿し穂に水を吸わせると新しい根が生えやすくなるよ。
テイカカズラの手入れ
手入れ①誘引
テイカカズラをフェンスいっぱいに広げる場合やグリーンカーテンを作る際は、つるを誘引する手入れがを行います。誘引せずほったらかしにすると四方へ伸びて仕立てるのが難しくなるため、つるがある程度伸びたらフェンスやネットに絡ませ、麻ひもなどで固定しましょう。
手入れ②剪定
テイカズラの剪定の適時は6月~7月、伸びすぎたつる・枯れたつる・樹形を乱すつるなどを切ります。フェンスやネットに仕立てる場合は、太めのつるを残して細いものは付け根から切り落とします。剪定したつるを使って挿し木もできます。
ボタ爺
挿し木用の挿し穂として使うつるは充実した太さのあるものを選んで使おうね。
手入れ③越冬期の管理
比較的寒さに強い性質のテイカカズラは、とくに冬越しの対策をしなくても越冬します。ただし越冬期に強い霜に当たると根の凍りつきなどで枯れる心配があるため、鉢植えは霜の当たらない場所へ移動し、地植えは地面にワラなどを敷く「マルチング」で根の凍結を防ぎます。
ボタニ子
越冬期は水やりを控えることも忘れないでね!
テイカカズラの種類
テイカカズラの種類には「ハツユキカズラ(初雪葛)」や「スタージャスミン」、同じキョウチクトウ科 ですがツルニチニチソウ属の「ツルニチニチソウ(蔓日々草)」などがあります。それぞれの特徴とテイカカズラとの違いをみていきましょう。
種類①ハツユキカズラ(初雪葛)
名前 | ハツユキカズラ(初雪葛) |
学名 | Trachelospermum asiaticum |
分類 | キョウチクトウ科:テイカカズラ属 |
原産地 | 日本:朝鮮半島 |
高さ | 10cm~50cm以上 |
開花時期 | 5月~6月 |
ハツユキカズラは、葉色の変化が楽しいテイカカズラ属の種類です。新芽はピンク色の班が入り、日がたつにつれ白から緑へと変わっていきます。剪定や手入れがしやすく寄せ植えやハンギングにも活用され、小さめの葉が密になって生えるためグラウンドカバーにも活用されています。花の季節はテイカカズラと同じ5月~6月、花のサイズは約2cmでジャスミンのような甘い香りがします。
ボタ爺
テイカカズラとハツユキカズラは新芽の色で違いが分かるよ。
新芽の色がピンク色になるのがハツユキカズラと覚えてね。
種類②スタージャスミン
名前 | スタージャスミン |
和名 | トウキョウチクトウ(唐夾竹桃) |
学名 | Trachelospermum jasminoides |
分類 | キョウチクトウ科:テイカカズラ属 |
原産地 | 中国:台湾 |
高さ | 1m~10m |
開花時期 | 5月~6月 |
スタージャスミンの花は、テイカカズラ属の種類のなかでも漂白したように花が真っ白で、花数も多いのが特徴です。また花の香りが強いことでも知られ、開花の季節は樹木全体が甘い香りに包まれます。スタージャスミンの名前は花の形が星に似ていることに由来します。
ボタニ子
テイカカズラとスタージャスミンは花びらの形で違いが分かります。
ボタ爺
スタージャスミンの花びらはテイカカズラより大きく湾曲して筒状になっているよ。
種類③ツルニチニチソウ(蔓日々草)
名前 | ツルニチニチソウ(蔓日々草) |
学名 | vinca |
分類 | キョウチクトウ科 :ツルニチニチソウ属 多年草 |
原産地 | 南ヨーロッパ |
高さ | 1m~ |
開花時期 | 3月~6月 |
テイカカズラの花によく似た花をつけるツルニチニチソウは、キョウチクトウ科ツルニチニチソウ属の多年草です。花は春からぽつぽつと咲きはじめ、5月や6月頃に咲きそろいます。花色は紫や白、青などがあり、葉色は緑や白・黄色の班入りがあります。寒さや暑さ、乾燥にも強く育てやすい植物です。
テイカカズラとツルニチニチソウは花びらや葉先の形で違いが分かります。
ボタニ子
ツルニチニチソウの花びらは湾曲せず平らで、葉先はテイカカズラより尖ります。
まとめ
旺盛につるを伸ばす性質を生かし、庭の生け垣やグリーンカーテンとして利用されるテイカカズラ。春の開花と秋には紅葉も楽しめる観賞用樹木として人気です。寒さや暑さに強く日陰でも育つ丈夫さがあり、栽培も比較的優しいためガーデニングを始めようとしている人におすすめです。管理のしやすいテイカカズラの寄せ植えから栽培を始めてみませんか?
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【栽培データ】