和紙を手作りしてみよう
和紙作りは難しく、職人技が必要に感じられるかもしれませんが、手作りなら子どもと一緒に工作感覚で作ることができます。必要な道具も日用品で代用でき、ホームセンターで揃えることもできるので、ぜひ挑戦してみましょう。
和紙の原料はミツマタだけじゃない
和紙の原料にはミツマタだけではなく、「こうぞ」や「がんぴ」があります。それぞれ植物の皮を利用しています。薄くて強い、良質な和紙が作れることが特徴で、とくに「こうぞ」を使った和紙は無形文化遺産に登録されています。
こうぞ
庭の楮(こうぞ)の実が色づき始めました。
— まめ (@mamedanuki_mame) June 18, 2019
ん?なんか聞いたことある名前って思った方、これは和紙の原料になる植物・楮(こうぞ)です。
この赤い実は甘くて美味しいですが、まわりの毛のような部分がちくちくして食感が悪いので、うちでは鳥さん蟻さんのごはんです。 pic.twitter.com/NidyoVZqO3
こうぞ(楮)はクワ科の植物で、6月頃にキイチゴのような実をつけます。平安時代には日本に存在していたとされており、今でも和紙作りには欠かせない植物のひとつです。
がんぴ
おはようございます。
— 夕菅(ユウスゲ) (@a6065kmfka_ok) August 27, 2017
今日も晴れて良い天気になりました☀️
コガンピ(小雁皮)ジンチョウゲ科
野草かと思ってたら落葉小低木でした。
山路沿いに盛りを迎えてました😃 pic.twitter.com/PDuQUU9vHM
がんぴ(雁皮)はミツマタと同じジンチョウゲ科の植物で、奈良時代には紙の原料として使われていたといわれています。あたたかい地域を好む性質があります。挿し木で数を増やしていますが人工的な栽培が難しく、野生のものを使って製紙することが多いです。
和紙作りの工程①皮を採取する
和紙作りというと、紙を漉く様子だけを思い浮かべてしまうのですが、たにのさんでは、原料となるコウゾやトロロアオイの栽培から手がけています。一年かけてコウゾを育て、秋に収穫、蒸して皮を剥ぎ、水に晒し、、、という工程を経て、紙を漉く。漉くのは最後の一瞬の輝きだとおっしゃってました。 pic.twitter.com/icZX0tGA1H
— ほしおさなえ (@hoshio_s) March 2, 2019
11~1月頃に、和紙の原料となる植物の枝を手に入れます。蒸し器で皮がやわらかくなるまで4時間ほど蒸したら、皮を剥ぎ取って乾燥させましょう。カビが生えないように、天日でしっかり乾燥させます。
和紙作りの工程②皮をむく
今日は「和紙原料作り」で楮(こうぞ)の皮むきを体験してきたよー!二枚目の写真は和紙の原料となる楮の皮を干してるところ!むいた後の芯は自由に持ち帰ることができるんだー!工夫していろんなことに使ってみてねー!明日も行ってるからみんなも皮むきに挑戦してみようー! pic.twitter.com/ef725sfzFj
— ぼうじろー[公式] (@boujiro_mura) January 28, 2017
繊維質を取り出すために、乾燥させた皮を水に1日さらします。皮がやわらかくなったら、ナイフで表面を削っていき再び乾燥させます。うまくできたら、和紙の材料になる白皮ができあがります。
和紙作りの工程③皮を煮る
石洲和紙の職人をしている友人から、和紙を作る工程の写真を送ってもらいました。これは、原材料となる三椏(みつまた)の木の皮をぐつぐつ煮ているところだそうです。2時間くらい煮るそうです。 pic.twitter.com/SuoPbpgC
— 田村民子(伝統芸能の道具ラボ) (@TAMIKOTAMURA) October 21, 2012
前工程で手に入れた白皮をソーダを入れたお湯で煮ていきます。こうすることで、繊維がやわらかくなり、余分なものも取り除けます。2時間ほど煮込んだら、ザルなどにあけて水がきれいになるまで洗い、あく抜きをしていきましょう。
ソーダとは?
和紙作りに用いるソーダは化苛性ソーダまたはソーダ灰と呼ばれる、炭酸ナトリウムのことです。こんにゃくの凝固剤に使われることもあります。洗浄力が強く洗濯にも使えますが、素手で触ると手荒れを起こすことがあります。
和紙作りの工程④細かくほぐす
オクラの和紙作り第2弾
— 𓇟黒大根くん2.0🇯🇵家庭菜園 (@iex650) October 31, 2017
石灰液で煮たオクラの繊維を棒で叩いて細かく解す作業。1時間ほど叩いてから、塊を水に入れると白くモヤモヤした繊維が出てきました。
疲れたので今日はここまで(´・ω・`)#オクラ #オクラ栽培 #ケナフ#和紙 #紙すき #自作 #打解 pic.twitter.com/ts108eYr3p
白皮をさらに細かくほぐしていきます。手作業では木の棒でたたいて細かくしていきますが、家庭で行う場合はミキサーを使うと便利ですよ。ふわふわの綿のようになるまでほぐしたら、トロロアオイという植物を混ぜていきますが、洗濯のりでも代用できます。
トロロアオイとは?
晩夏に大きな花を咲かせる花オクラです。トロロアオイとも呼ばれます…(^_^;)
— 𝓩𝓪𝓾𝓫𝓮𝓻 (@zauberkraft1208) September 11, 2019
オクラとは異なり、果実は食べられません。花を食用花として利用します。また、根から採取される「ねり」は和紙やかまぼこ、蕎麦などのつなぎに使われます…(^^)v#野菜の花#flowers_of_vegetables pic.twitter.com/rBKeWo4mmi
夏の終わり頃に花が咲く植物で、根をつぶして水につけておくとネバネバした液をとることができます。和紙作りには欠かせない植物ですが、現在では化学薬品を使うことが多く、出番が少なくなりつつあります。
和紙作りの工程⑤紙すき
紙すきは和紙作りの醍醐味ともいえる作業です。木枠に目の細かい網をつければ、簡単に代用品を作ることができます。水に浮かべた白皮をすくい、好みの厚さになるようにすいていきましょう。
和紙作りの工程⑥乾燥させる
ラウンジでは和紙作りが無料で体験できます。 pic.twitter.com/1wgdEsSxc9
— ロプロス (@ropross) January 14, 2016
水分を抜いてしっかり乾燥させたら和紙の完成です。天日で乾燥させるのがおすすめですが、早く乾かしたい場合はドライヤーを使うのも手ですよ。染料を入れて色つきの和紙を作ってみるのも楽しいですね。
まとめ
いかがでしたか?今回は和紙作りに欠かせない植物ミツマタを紹介しました。ミツマタの栽培は冬時期の作業が多く寒い日は身にこたえますが、春にはかわいらしい花を愛でることができます。庭先も明るい雰囲気になるので、ミツマタの栽培を楽しんでみてください。