サルナシの概要
サルナシは「コクワ」や「ミニキウイ」とも呼ばれている果物で、9月〜11月に旬の時期を迎えます。中国が原産のつる植物で、耐寒性や耐暑性が強く、自宅でも栽培しやすいのが魅力です。開花時期には小さな白い花をたくさん咲かせるのが特徴で、花後の実は果実酒やシャーベットにしてもおいしく食べられます。
基本情報
園芸部類 | 果樹、果物 |
形態 | つる植物 |
樹高・草丈 | 1m〜3m(つるの長さ) |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 落葉性、つる性、雌雄異株、果物 |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
名前の由来
サルナシは漢字で「猿梨」と表記されます。サルナシの果実はとても甘く、野生のサルやクマが好んで食べる果物です。サルナシの果実は黄緑色で、見た目が梨のような形をしているため「猿梨(サルナシ)」と名付けられました。
花言葉
サルナシには「誘惑」という花言葉がついています。サルナシは名前の由来にもなっているとおり、サルが夢中になって食べるほど甘くて魅力的な果物です。サルナシは「開花が終わるとおいしい果実をつけて、サルを誘惑する植物」という性質がそのまま花言葉になっています。
サルナシの特徴
サルナシの原産地は中国ですが、現在では日本全国に広く分布しています。基本的には標高の高い山に自生しており、北海道では気温が低いため平地でもサルナシが見られるのが特徴です。サルナシはつる性の落葉樹で、成長するとつるが3mほどまで長くなります。
花
サルナシは、6月〜7月にかけて白色のかわいらしい花を次々と咲かせます。花弁は5枚で、茎の付け根に密集するように咲くのが特徴です。花弁は2cm〜3cmほどの小さなサイズで、咲き姿はマタタビの花によく似ています。サルナシの花は下向きに開くため、控えめで物静かな印象が人気です。
実
サルナシは花後に結実し、鮮やかな黄緑色の実をつけます。サルナシの実は、ほかの果物と比べて汁をたっぷりと含んでおり、半分に切るとキウイフルーツのような見た目をしているのが特徴です。サルナシの果実は「誘惑」という花言葉のとおり、とても甘いのが魅力で、生食だけでなく果実酒やジャムなどにも加工されています。
サルナシの育て方①時期
サルナシは暑さや寒さに強く、初心者でも育てやすい植物です。冬の落葉期に植え付けや植え替えて、初夏に開花を楽しみ、秋にサルナシの実を収穫するというサイクルで育てます。適度に切り戻し剪定をして、樹形を整えたり風通しをよくしたりするのも大切な作業です。
植え付けから開花までの時期
植え付け時期 | 11月〜2月 |
植え替え時期 | 11月〜2月 |
肥料の時期 | 2月、10月 |
剪定の時期 | 12月〜2月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
栽培スケジュールカレンダー
サルナシの育て方②栽培環境
サルナシの実は栄養満点で、果物の中でも食物繊維やビタミンCが豊富に含まれています。美肌効果や整腸作用が期待できるため、自宅で育ててジャムや果実酒に加工するのもおすすめです。
栽培方法
プランター・鉢植え・露地
サルナシは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えにする場合は、つるを伸ばしながら成長していくため、ネットや支柱に誘引しながら育てましょう。つるが長く伸びるので、ほかの植物に巻きつかないように、広いスペースを確保してから植え付けてください、鉢植えの場合は、あんどん仕立てやトレリス仕立てにするのがおすすめです。
育てる場所
置き場所・日当たり/室内・屋外
サルナシは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。日当たりが悪いと、枝だけが間延びして花付きが悪くなり、サルナシの収穫量が減ってしまいます。室内で育てる場合は、レースのカーテン越しの窓辺など、適度に日光の差し込む場所に置きましょう。風通しのよい場所で管理すると、病害虫被害の発生を予防する効果があります。
用土
サルナシは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土を使用して育てましょう。市販されている「草花用培養土」や「果樹用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
サルナシを地植えにする場所が粘土質の場合は、腐葉土や川砂をよく混ぜ込んで排水性を高くしてから植え付けましょう。また、用土が硬いと根が成長しにくいため、しっかりと耕して用土をフカフカの状態にしておくのもポイントです。
出典:写真AC