筆柿の渋みの理由と見分け方
前述の通り、筆柿は不完全甘柿なので、ほとんどは甘柿ですが、1割程度は渋が残っていることがあります。果肉に黒ゴマのような粒々が多くはいると甘くなっているサインです。
渋みを作り出す成分
柿は食べると甘みを感じる甘柿と、渋みがある渋柿に大別されます。渋みを感じる原因は水溶性タンニンと呼ばれる物質で、これが口の中で溶けると渋みを感じます。実は甘柿も果実が若いうちは渋みがありますが、熟すと水溶性タンニンが不溶性に変化するため渋みが消えるのです。
渋柿を甘くする方法
渋くて食べられない渋柿も渋抜きという処理を施すことで甘く変わり、食べられるようになります。渋抜きの方法はアルコールや炭酸ガスを使う方法や干し柿にするのも渋い味が抜けて甘く変化します。市販されている柿は自動で渋柿を見分けられるようになり、渋みを抜いて出荷されます。
筆柿の栄養と効能
筆柿の栄養
筆柿の主な栄養素は豊富なビタミンCとカロチノイド色素です。特にビタミンCの含有量は果物の中でもトップレベルです。ビタミンCとカロチノイド色素の組み合わせの他、ビタミンB1、B2などのビタミン類やミネラル、ぶどう糖や果糖などの栄養素も豊富なので皮膚や粘膜を健康に保つ美容効果や疲れ気味のとき、風邪っぽいときのケアにも効果が期待できるといわれます。
筆柿の効能
薬膳での柿の効能は、熱を取り除き、肺の乾燥を潤すということ、熱を冷まし、口やのどの渇きを潤してくれるといわれます。昔から柿に含まれるタンニンの効果で2日酔いに柿を食べるとよいといわれています。その他、食物繊維も豊富なので、お通じの改善にも柿がおすすめです。
干し柿の栄養
干し柿にした場合には栄養素はどのように変化するのでしょうか?熱に弱いビタミンCは残念ながら減少してしまいますが、食物繊維の他、カリウム、マンガンなどのミネラルは増加します。不溶性の食物繊維が便秘を改善し、有害物質の排出が期待できます。
まとめ
愛知県特産の珍しい柿、筆柿についてご紹介しました。そのまま食べてもおいしく、干し柿にすると日持ちするうえ、甘みや栄養も増えるのでおすすめです。糖分も多いのでおいしいからと食べすぎにはご注意ください。
出典:写真AC