シクラメンの夏越し
冬に開花時期を迎えるシクラメンは多くの花が冬越ししている頃に開花時期を迎えるため、冬でも屋外で育てるのが基本です。シクラメンは冬越ししませんが夏の高温多湿な環境が苦手なので、冬越しの代わりに夏越しをさせなければいけません。なおシクラメンの夏越しには「休眠法」と「非休眠法」の2種類があります。
休眠法と非休眠法の違い
シクラメンの休眠法と非休眠法の違いは、見た目の違いで説明するのが最もわかりやすいです。シクラメンの夏越しを休眠法で行う場合、鉢植えの中は茎や葉が枯れた球根だけが植わっています。これに対して非休眠法は元気な茎や葉は残して夏越しさせるので、コツがいらず初心者におすすめです。
休眠法のやり方【屋外編】
シクラメンの休眠法は、5月中に花や葉を枯らし球根だけの状態で夏越しさせます。そのため気温が温かくなり始めたら水やりをやめ、全体が黄色に変色する(枯れ始める目安)ようにしてください。変色した花や葉はそのつど取り除き、球根だけの状態なったら雨があたらない(屋根がある)日陰に移動し夏越しします。
移動後は水やり・肥料をあげない
休眠法で夏越しする場合は、雨の当たらない置き場に移動してからの水やりや肥料は一切不要です。もしも水やりをしてしまうと土の中の球根が腐ってしまい、球根ごとダメになってしまいます。また移動後のシクラメンはすでに休眠期に入っているので、肥料を与えることもNGです。
休眠法のやり方【室内編】
室内で休眠法を行う場合は、開花時期が終盤に近付いたころからできるだけ日当たりのよい窓辺に移動させて花や葉が枯れやすい状態を作ってください。ただし本来休眠法での夏越しは屋外栽培に適したやり方なので、室内だとうまく葉や茎が枯れないこともあります。この場合は非休眠法に切り替えて夏越ししましょう。
非休眠法のやり方【屋外編】
シクラメンは5月になると葉や花が萎れてくるので、非休眠法はこのタイミングで行います。まず枯れた花・元気のない葉はすべて取り除き日陰に鉢植えごと移動したら、土が完全に乾くまで水やりを止めます。1回目はたっぷりと水やりを行いますが、2回目以降は水やりのし過ぎに注意しましょう。なお追肥も忘れずに行います。
休眠期に入らなかった場合の対処法
非休眠法での夏越しは葉を残した状態で休眠期に入るため初心者におすすめですが、非休眠法では葉を完全に枯らさない方法なので、夏になっても休眠しないことがあります。この場合は鉢植えの置き場を半日陰に移し、できるだけ気温が低い状態をキープすると夏越しできます。
非休眠法のやり方【室内編】
室内で非休眠法での夏越しは、屋外で行う非休眠法のやり方と基本的に同じです。花後や枯れ葉の処理など基本的な手入れを続けつつ、夏越しさせる葉が乾燥や過湿で枯れないように注意します。水やりのし過ぎによる過湿が心配な場合は、霧吹きなどを使った水やりを試すのがおすすめです。