小さな花の咲く雑草20種!道端には食べられる雑草も結構あるの?

小さな花の咲く雑草20種!道端には食べられる雑草も結構あるの?

道ばたに小さな花を咲かせる植物は、ひとくちに雑草と呼ばれてはいますが、園芸店で取り扱われていなくても、学名もある立派な植物です。この記事では、日常でよく見かけられる小さな花の咲く雑草の特徴と食用や鑑賞などの楽しみ方を紹介します。

記事の目次

  1. 1.雑草とよばれる花
  2. 2.白い小花の咲く雑草
  3. 3.ピンクの小花の咲く雑草
  4. 4.黄色い小花の咲く雑草
  5. 5.オレンジの小花の咲く雑草
  6. 6.青い小花の咲く雑草
  7. 7.まとめ

ピンクの小花の咲く雑草

Photo by858106

白に近い淡いピンクからビビッドなピンクまで、色幅の広いピンクはガーデニングでも人気ですが、雑草でも同様に道ばたに生えていると目を引きます。紹介する以外にも、小さいピンク色の花を咲かせる雑草は、アカツメクサ、ムラサキカタバミ、ヌスビトハギ、ヒメツルソバなどがあげられます。

ピンクの小花の咲く雑草①ホトケノザ

Photo by F. D. Richards

学名 Lamium amplexicaule
和名:別名 三階草(サンガイグサ)
分類 シソ科オドリコソウ属:一年草、二年草
原産地:分布 日本在来:アジア、ヨーロッパ、北アフリカ
草丈 10~30cm
開花時期 3~6月
食用 不可

特徴

ホトケノザは、仏様が座っている台座に形が似ているところから名付けられました。春の七草にもホトケノザはありますが、こちらは食べられる「コオニタビラコ」という別の植物です。三階草の別名をもつホトケノザは食用向きではありません。海外では食べている地域もありますが、茎には筋があり全体的に苦みが強いため、日本では食べないのが一般的です。

外国の文献によれば、ホトケノザの若い葉は食用に供されるそうです。ゆでで食べたり、サラダの香草として加えたりするそうです。

食用以外の楽しみ方

Photo by aspidoscelis

ホトケノザは食用には向きませんが、サルビアなどと同じように、唇状花冠(しんじょうかかん)とよばれる形状の花を台座部分から抜いて蜜を吸えます。花の形状は受粉を助けるハチを誘導するのに適していて、ホバリングのできないハチ以外の虫たちでは、蜜のある所までたどり着きにくい構造になっています。

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ピンクの小花の咲く雑草②ネジバナ

Photo by yamatsu

学名 Spiranthes sinensis
和名:別名 モジズリ、ネジリバナ、ヨジリンボウ
分類 ラン科ネジバナ属:多年草
原産地:分布 日本在来:温帯~熱帯地域
草丈 15~40cm
開花時期 6~7月
食用 不可

特徴

名前のとおり、ねじれた状態で花を咲かせていくネジバナは、草むらや道ばたよりは広場や芝生の中で見かけられる雑草です。ネジバナの種は肉眼で見られないほど小さい埃状のもので、種自体に栄養が少ないため発芽が難しい植物です。そのため種はカビや周囲の菌に付着して栄養を取り発芽します。

食用以外の楽しみ方

Photo by SSKao

食用には向かないネジバナですが、造形の美しさから茶花に使われます。小さい花ながらもラン科の植物のため華やかさがありますよ。白と濃いピンクのコントラストも美しく、じっくり観察すると見ごたえ抜群です。螺旋階段のような繊細な花を切り花として楽しんでみてくださいね。

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ピンクの小花の咲く雑草③カラスノエンドウ

出典:写真AC

学名 Vicia sativa subsp. nigra
和名:別名 矢筈豌豆、ヤハズエンドウ
分類 マメ科ソラマメ属:二年草
原産地:分布 地中海地方:ユーラシア、日本(本州~沖縄)
草丈 100~150cm
開花時期 3~6月
食用 味噌汁、炒めもの、卵とじ

特徴

カラスノエンドウのピンク色の花は、同じマメ科のスイートピーともよく似ています。くるりと巻いた巻きひげや小さい葉がかわいらしいのですが、見た目に反してとても繁殖力の強い外来種で、あっという間に空き地の一角を埋め尽くします。名前の「カラス」は熟した豆の鞘がカラスのような真っ黒なことが由来です。

食べ方

出典:写真AC

見た目は絹さやによく似ているカラスノエンドウの実ですが、おいしく食べるために品種改良された野菜とは違うため、絹さやより食味は劣ります。あくまでも食べられる雑草ということで認識しておいたほうがよいでしょう。調理法は絹さやと同様に、味噌汁や炒め物のほか、卵とじなどにしても食べられます。

ピンクの小花の咲く雑草④ヒルザキツキミソウ

Photo by ustung

学名 Oenothera speciosa
和名:別名 昼咲月見草:エノテラ
分類 アカバナ科マツヨイグサ属:常緑多年草
原産地:分布 北アメリカ:日本(本州~九州)
草丈 30~60cm
開花時期 5~7月
食用 不可

特徴

とても強い繁殖力を持つヒルザキツキミソウは、19世紀に観賞用として持ち込まれ帰化した植物です。よく見かけられるツキミソウの多くはこの植物で、夕方に咲き朝にしぼむ白い花の月見草に似ていることからヒルザキツキミソウと名付けられました。白い花のツキミソウは繁殖力が弱く絶滅危惧種です。仲間のヨイマチ草属の、ピンクのヒルザキツキミソウのほうが「ツキミソウ」として一般的になりました。

食べ方以外の楽しみ方

Photo by nekonomania

もともとは園芸種として輸入された外来種のため、増えすぎないように鉢植えやプランターで管理して、ガーデニングを楽しむのもよいでしょう。美しい花は園芸種とくらべても見劣りしません。ほかの植物が弱ってしまいそうな強い日差しをものともしないのは、雑草ならではの強さです。

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ピンクの小花の咲く雑草⑤イヌタデ

Photo by harum.koh

学名 Persicaria longiseta
和名:別名 犬蓼:アカマンマ
分類 タデ科イヌタデ属:一年草
原産地:分布 日本在来:温帯~熱帯地域 日本全土
草丈 20~50cm
開花時期 6~11月
食用 天ぷら、おひたし

特徴

道ばたでよく見かける雑草といえば、イヌタデも代表格です。鮮やかなピンク色は花ではなく萼(がく)の部分で、その中で白い花を咲かせます。イヌタデの花はとても小さく、鮮やかな色の萼を集めて一つの大きな花に見えるようにすることで、多くの虫を引きよせています。

食べ方

出典:写真AC

薬味としては役に立たないイヌタデですが、葉を乾燥させたものを煎じて飲んだり、虫刺されの民間薬として使ったりします。食用の場合、咲かない時期の若葉を摘み取って、天ぷらやおひたしにするとよいでしょう。

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黄色い小花の咲く雑草

Photo byFree-Photos

黄色の花は道ばたでもよく目立ち、虫たちを引きつけるといわれています。黄色の花が咲く雑草には、ヘビイチゴ、コセンダングサ、セイタカアワダチソウなどがあります。黄色の雑草だけでボーダーガーデンが作れそうなくらい、種類が豊富ですよ。

黄色い小花の咲く雑草①タンポポ

Photo bymonikasmigielska

学名 Taraxacum
和名:別名 蒲公英(ほこうえい)、ダンデライオン
分類 キク科タンポポ属:多年草
原産地:分布 日本、ヨーロッパ:ユーラシア大陸、日本全土
草丈 20~30cm
開花時期 3~5月、または四季咲き性
食用 サラダ、炒めもの、お茶

特徴

春や秋に道ばたで見かけられる黄色い雑草のタンポポは、踏まれても育つ強い性質をもち、種を綿毛で飛ばすことにより広い範囲に繁殖するたくましい花です。タンポポには日本在来種と外来種がありますが、外来種は環境省指定要注意外来生物に認定されています。

食べ方

Photo by kurmanstaff

タンポポは、海外ではハーブとしても利用されています。やわらかい葉を生でサラダにするのが一般的ですが、苦みが気になるときには天ぷらやバターソテーにするとよいでしょう。また、タンポポを乾燥させて抽出したタンポポ茶には、利尿やデトックス作用が期待されます。

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黄色い小花の咲く雑草②カタバミ

Photo by anro0002

学名 Oxalis corniculata
和名:別名 酢漿草、片喰、傍食
分類 カタバミ科カタバミ属:多年草
原産地:分布 日本在来:温帯~熱帯地域、日本全土
草丈 5~20cm
開花時期 5~10月
食用 サラダ、薬味

特徴

道ばたはもちろん庭や芝生の上でもよく見かけるカタバミは、繁殖力がとても強いことでおなじみです。子孫繁栄を願って、家紋にもカタバミの図案が使われていますよ。漢字の「片喰」は、夜になると葉が片側半分がしっかりと閉じてしまうことが由来です。

食べ方

出典:写真AC

カタバミはとても酸っぱい雑草で、動物もあまり好んでは食べません。このことがカタバミに虫食いのあとがない理由です。しかし酸っぱい味が好まれ、ビタミンCが豊富ということで海外では食用としている地域もあります。小さい葉をサラダに散らしてみると見た目もかわいらしく、刺激のある酸味がアクセントになりますよ。

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黄色い小花の咲く雑草③ハハコグサ

Photo by Dinesh Valke

学名 Gnaphalium affine
和名:別名 御形(ごぎょう)、もち草
分類 キク科ハハコグサ属:
原産地:分布 日本在来:日本全土
草丈 15~40cm
開花時期 4~6月
食用 粥、おひたし、天ぷら、和えもの

特徴

シルバーリーフに似た茎葉に、黄色の小さい花が咲くハハコグサ。白くやわらかな葉に包まれた黄色い花が、子どもを抱きしめる母を思わせるため「母子草」と名付けられました。またチチコグサもあります。黄色の花ではなく、茶色の地味な花色という見た目のため「父子草」といわれています。

食べ方

出典:写真AC

春の七草の中に1つだけ白っぽい葉の植物が入っていますが、これが別名「御形(ごぎょう)」と呼ばれているハハコグサです。香りもよく、昔は菱餅の緑色の部分に使われていましたが、母子を杵でつくのは縁起が悪いということから、ヨモギに変更されたというエピソードがあります。

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黄色い小花の咲く雑草④マツヨイグサ

Photo byHans

学名 Oenothera etricta
和名:別名 待宵草、月見草
分類 アカバナ科マツヨイグサ属:多年草
原産地:分布 南アメリカ:日本(本州~沖縄)
草丈 40~80cm
開花時期 5~9月
食用 天ぷら、おひたし、和えもの

特徴

マツヨイグサは、観賞用として輸入された外来種です。「待宵草」の名前は、夕方から夜にかけて花を開き、朝にはしぼんでしまうことが由来といわれています。月見草(ツキミソウ)と間違われやすいのですが、ツキミソウは白花でマツヨイグサは黄色い花です。近似種として丈の高い大マツヨイグサや、草丈15cmほどのヒメマツヨイグサがあります。

食べ方

出典:写真AC

上の画像でもわかるように、ヨイマチグサのつぼみはオクラによく似ています。ヨイマチグサのつぼみを天ぷらにすると、オクラのようなぬめりがあり、トロリとした食感が楽しめます。葉に強いクセもないため、青菜と同様にいろいろな料理に使えます。使用する部位は柔らかい新葉がおすすめです。

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黄色い小花の咲く雑草⑤セイヨウカラシナ

Photo by Starr Environmental

学名 Brassica juncea
和名:別名 西洋芥子菜
分類 アブラナ科アブラナ属:二年草
原産地:分布 ヨーロッパ:日本(関東以西)
草丈 50~120cm
開花時期 4~5月
食用 漬物、おひたし、天ぷら、和えもの

特徴

セイヨウカラシナは、カラシナの原種として明治以降に食用のために輸入された外来種です。一般的には「菜の花」の名称で、春の風物詩として親しまれています。アブラナ科の植物のため、鞘から細かく小さい種を落として大繁殖します。

食べ方

出典:写真AC

セイヨウカラシナは、根を除いたすべての部位が食べられます。また名前のとおり全体的に辛みがあるのが特徴です。苦手な方は油を使った料理にすると辛みが和らいで食べやすくなります。漬物にするのも美味しいですよ。

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