秋は風邪を引きやすい季節
風邪といえば冬というイメージが強いですが、秋は昼夜の寒暖の差が激しく乾燥しやすい季節のため、風邪にかかりやすいです。古くから秋の風邪には、香辛料による辛味が効くと伝えられています。大根やネギなど旬の野菜と、唐辛子などの香辛料を組み合わせることで、効果的に風邪の対策をしていきましょう。
乾燥には特に注意
秋の風邪で特に注意したいのは、乾燥の影響を受けやすい、のどや肺などの呼吸器です。また、秋はブタクサやススキなどの花粉症を起こす植物が多いのも困りものです。結果的に咳をすることが多く、呼吸器を痛めることが増えてしまいます。のどの痛みをやわらげるには、大根やネギなどの白い野菜がおすすめです。
秋は辛味
明治時代の薬剤師であった石塚左玄は、食物養生法という本の中で「春は苦味、夏は酢の物、秋は辛味、冬は油。季節に適した食べ方をしなさい」というような言葉を残しています。また東洋医学においても、乾燥しやすい秋は肺の養生をする季節です。肺をいたわるために利用されるのが「香辛料」です。辛味を加えた旬の野菜は、秋の食卓にぴったりですね。
東洋医学における辛味
東洋医学の分野では、辛味は特に肺や鼻といった呼吸器に効果的だといわれています。主に血の巡りをよくし、発汗作用があります。空気が乾燥し肺を痛めやすい秋に辛味をとることは、理想的な組み合わせだといえますね。辛味には香辛料以外にも、大根やニラなどの野菜、シソなどの薬味類も含みます。
風邪の予防に役立つスパイス
ネギや唐辛子・胡椒などの香辛料には、発汗を促す効果があるため、風邪の予防に役立ちます。また、クミンやシナモンなど多くのスパイスは、漢方薬に使われています。特に、アップルパイやチャイなどに利用するシナモンは、桂皮(ケイヒ)という名前で多くの漢方薬で利用されているほどです。これらの漢方薬は、心身を温め肺に効くといわれています。
秋風邪対策のスパイシー料理
秋の風邪対策には、スパイシーな辛味を持った料理が効果的です。特に、栄養が豊富な旬の野菜との組み合わせがおすすめです。また、旬の野菜は甘みが強いものが多いため、辛いものが苦手な人でも食べやすくなります。濃い目の味付けにするとごはんやお酒がすすむので、メインのおかずにも気軽に作れますよ。
料理①野菜カレー
スパイシーな料理のなかでも代表的なものがカレーです。カレー粉には、クミンやターメリック・唐辛子や胡椒など、多くの香辛料が含まれています。風邪のひきはじめには特に効果的で、ややとろみの少ないカレールーと素揚げした旬の野菜を組み合わせるのがおすすめです。
材料(2人分)
- ご飯:400g
- 合いびき肉:100g
- 玉ねぎ:1/2個
- トッピング用の野菜:適量
作り方
- 油を引いたフライパンでひき肉を炒め、色が変わったらみじん切りのタマネギを加えてさらに炒める
- 水を加え、沸騰したら火を弱めて中火で5~10分煮込む
- 火を止めたら好みのカレールーを溶かし、再び10分弱火にかける
- 皿にご飯と3を盛りつけ、素揚げにした好みの野菜をトッピングする
ボタニ子
トマトを加えたり、あらびき胡椒をかけたりするのもおすすめですよ!
料理②よだれ鶏
よだれ鶏とは、ゆでた鶏肉にピリ辛のタレをかけた中華料理です。インパクトのある名前は、「思い出すだけでよだれが出るほどおいしい」ということからきています。鶏肉だけでもおいしいのですが、たっぷりの生野菜やゆで野菜と食べるのが特におすすめです。野菜にタレがからんで、おいしく仕上がります。
材料(2人分)
- 鶏むね肉:1枚
- ネギ:1/2本
- ニンニク:1かけ
- しょうゆ:大さじ1
- 酢:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- ラー油:適量(好みで)
- 好みの野菜:適量
作り方
- 鶏むね肉にフォークでいくつか穴をあけ、酒をかけてしばらくなじませる
- ネギの青いところとともに、電子レンジで4分加熱する
- しょうゆ・酢・砂糖・ニンニク・ラー油を混ぜて、タレを作る
- 2の鶏肉を食べやすい大きさに切る
- 千切りにした大根やキュウリ・もやしなどの上に乗せ、3のタレをかける
ボタニ子
好みにあわせて、胡椒やゴマ・唐辛子を加えてもいいですよ。
料理③マーボーナス
ごはんがすすむマーボー料理もおすすめです。マーボー味には、ネギや唐辛子、花椒(ホアジャオ)など、体を温める効果のある野菜や香辛料をたくさん使います。秋は特に、旬のナスとあわせるのがおすすめですよ。
材料(2人分)
- ナス:2本
- 豚ひき肉:50g
- ネギ:1/2本
- ニンニク:1かけ
- 水:100mL
- トウバンジャン:大さじ1
- 中華スープの素:小さじ1
- 酒:大さじ1/2
- しょうゆ:大さじ1/2
- 片栗粉:大さじ2
作り方
- ナスは好みの大きさに切り、水につける
- フライパンでひき肉を炒め、色が変わったらいったん取り出す
- フライパンにネギとニンニク・トウバンジャンを加えて、弱火で炒める
- 2のひき肉を戻し、水と中華スープの素を加える
- 一煮立ちしたら1のナスを戻し、酒としょうゆを加える
- かたくり粉を同量の水で溶いたものを入れたら強火にし、とろみをつける
ボタ爺
スパイシーな料理は、風邪対策にてきめんじゃな。しかし、毎日辛い料理ばかりというのも難しいものがあるのう。
ボタニ子
常備菜や調味料を使えば、毎日少しずつスパイスを食卓に取り入れるのは難しくないわよ。次のページで見てみましょう。
出典:写真AC