耐寒性の強い植物<球根植物>4選
①スズラン
ラベンダーと並んで北海道の代表的な花といえるのがスズランです。耐寒性の強い球根植物で日陰でも育ちます。日本原産のスズランは高温多湿に弱い育てにくさからあまり流通しておらず、一般的に普及しているのはヨーロッパ原産のドイツスズランになります。
分類 | キジカクシ科スズラン属:球根植物 |
別名 | 君影草 |
原産地 | ヨーロッパ、東アジア、北アジア |
花期:花色 | 4~5月:白、ピンク |
特徴、用途 | 耐陰性がある、香水の原料 |
②チューリップ
チューリップは、冬に湿度が高く、夏に乾燥した環境を好みます。日本の太平洋側では高温多湿になりやすいため、球根の肥大がうまくいかずに翌年に咲かせることが難しくなります。冷涼な寒冷地でこそ本領を発揮できる花といえるでしょう。
分類 | ユリ科チューリップ属:球根植物 |
別名 | 鬱金香(うこんこう) |
原産地 | 中央アジア~北アフリカ |
花期:花色 | 3月上旬~5月下旬:白、ピンク、赤、橙、黄、紫 |
特徴、用途 | 切り花、初心者向き |
③ダリア
真夏の花のイメージが強いダリアですが、メキシコの高原地帯を原産地とする冷涼な気候を好む花です。関東以西で上手く育てるには、通常であれば3月の植え付けを6月半ば頃にずらし、開花時期が秋にくるように調整することをおすすめします。
分類 | キク科テンジクボタン属:球根植物 |
別名 | テンジクボタン(天竺牡丹) |
原産地 | メキシコ、グァテマラ |
花期:花色 | 6月中旬~11月:白、ピンク、赤、橙、黄、紫、複色 |
特徴、用途 | 開花期間が長い、切り花 |
④エゾスカシユリ
エゾという名前からもおわかりのように、エゾスカシユリは北海道に主に分布する野草です。つぼみに白い綿状の毛があるのが特徴で、花弁の根元に隙間があることから「スカシ」の名称がつけられました。自生しているものは北海道でしか見られないといわれています。
分類 | ユリ科ユリ属:球根植物 |
別名 | ー |
分布 | 北海道、千島~樺太~中国、シベリア |
花期:花色 | 6月中旬~7月中旬:橙 |
特徴、用途 | 鱗茎は食用になる、野草 |
耐寒性の強い植物<低木>3選
①バラ
日本のいたるところで栽培され愛好家の多いバラも、耐寒性の強い寒冷地向きの植物です。夏の消耗対策として、せっかくついた蕾や花を切り落とす方法もありますが、冷涼な気候のもとで管理したほうが植物にとっても好ましいですね。
分類 | バラ科バラ属:落葉低木 |
別名 | ー |
原産地 | アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカなど |
花期:花色 | 5月中旬~11月:白、ピンク、赤、橙、黄、紫、緑 |
特徴、用途 | 芳香あり、切り花 |
②ハマナス
古い歌の歌詞にもあるハマナスは、北海道で多く見られるご当地植物ともいえるでしょう。日本を原産地とすることから、海岸の砂地などに群生している花姿には風情があります。バラ科の落葉低木で花には芳香があり、果実はローズヒップとして食用になります。
分類 | バラ科バラ属:落葉低木 |
別名 | ハマナシ(浜梨) |
原産地 | 日本~東アジア |
花期:花色 | 6~8月:白、濃桃色 |
特徴、用途 | 果実酒、香油、染料 |
③ラベンダー
日本最大のラベンダー栽培地といえばやはり北海道です。冷涼な気候のもとでのびのびと育ったラベンダー畑は、観光名所としても人気があります。寒冷地でのガーデニングにはラベンダーの数ある品種のなかでも、香りが強く耐寒性のあるイングリッシュラベンダーがおすすめです。
分類 | シソ科ラベンダー属:常緑低木 |
別名 | ー |
原産地 | 地中海沿岸 |
花期:花色 | 4~7月(四季咲き性種もあり):白、ピンク、紫 |
特徴、用途 | ハーブ、常緑性、香料 |
耐寒性の強い植物<高木>2選
①ライラック
北海道の街路樹としてよく使われるライラックも、耐寒性が強く暑さを苦手とする花木です。通信販売などでの入手は可能ですが、暖地での栽培には管理しやすい鉢植えが推奨されています。地植えで楽しむには冷涼な気候が望ましいといえるでしょう。
分類 | モクセイ科ハシドイ属:落葉高木 |
別名 | ムラサキハシドイ、リラ |
原産地 | ヨーロッパ南東部 |
花期:花色 | 4~5月:白、ピンク、紫、複色 |
特徴、用途 | 芳香あり、香料 |
②エゾヤマザクラ
エゾヤマザクラは北海道に広く分布する桜の野生品種です。一般的な桜よりも花が大きいことが特徴で「大山桜」とも呼ばれています。花の色は桜のなかでも特に赤みが強く、とりわけ寒冷地で育った花の色は鮮やかに発色します。
分類 | バラ科サクラ属:落葉高木 |
別名 | オオヤマザクラ(大山桜)、ベニヤマザクラ |
原産地 | 日本 |
花期:花色 | 4~5月:ピンク |
特徴、用途 | 花が大きく葉色が濃い、北海道に広く分布 |
寒冷地でのガーデニングのポイントとメリット
寒冷地でのガーデニングのポイント
- 耐寒性の強い植物(-5℃以下が望ましい)を選ぶこと
- 植物の原産地に近い環境かどうか確認すること
寒冷地でのガーデニングのメリット
- 暖地での栽培がむずかしい、耐暑性の弱い植物が栽培できる
- 日本では一年草扱いである多年草の夏越しが可能な場合がある
- 山野草など、高地や山林などで育つ植物の栽培や管理がしやすい
出典:写真AC