アボカドとは
アボカドは、クスノキ科ワニナシ属の果物です。果物ですが甘みはなく、熟れたアボカドのとろりとした食感はマグロのトロにも例えられます。また、森のバターとも呼ばれるほど不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。また、葉酸やカリウム、各種ビタミンなども豊富です。日本でも、近縁種のタブノキが防風林などで利用されています。
基本情報
学名 | Persea americana |
和名 | ワニナシ |
原産地 | 中央アメリカ |
旬は初夏
アボカドは、通年輸入されています。そのなかでも一番多く手に入るメキシコ産の場合、春~初夏にかけてのアボカドは味もよく、この時期が旬であるといえます。特に春のアボカドは脂分が濃く、とても美味しいですよ。生産量は少ないですが日本でも生産されており、国産アボカドの旬は初冬です。
アボカドの食べ頃の見分け方
アボカドは、切ってみると固さが残っていたり、鮮度が落ちて黒い筋が入っていたりと、何かと食べ頃の見分けが難しい果物です。しかし、皮が濃いチョコレート色をしていて、適度に柔らかいものを選ぶことで、おいしいアボカドが食べられます。また、ヘタの状態や形などを見るのも大切なポイントです。
食べ頃の見分け方①固さ
アボカドの熟成具合を見分けるうえでポイントになるのは、まず固さです。熟したアボカドは、程よく柔らかいです。見分け方に慣れていなくても、手にしたときに明らかに固いものはまだ熟れていないということがすぐにわかります。
弾力があり程よく柔らかい
美味しいアボカドの触感は、食べ頃のバナナに似ています。持ったときにややへこみ、ハリと弾力を感じる程度のものが食べ頃です。皮の中が詰まっているような触感のものは、買った当日に食べるにはまだ熟成が足りていません。一方、持ったときにふわふわと柔らかい場合は、熟れすぎのサインですので注意が必要です。
食べ頃の見分け方②皮
アボカドの表面は、ごつごつとした皮で覆われています。ワニ皮に似た皮は、和名のワニナシの由来になっているほどです。しかし、この皮も食べ頃を見分けるための、大切な指標の一つです。手にとって固さを確認することが難しい場合も、皮の色や形を見ることで熟成具合を見分けられます。
食べ頃の皮は濃いチョコレート色
アボカドの皮は、木になっているときには緑色です。収穫して追熟すると、だんだん黒い皮になってきます。食べ頃で鮮度のいいアボカドは、皮がブラックチョコレートに似た濃い色をしています。まれに筋状の亀裂が入っているものがありますが、熟れ過ぎのサインなので避けましょう。
ツヤとハリがあるもの
アボカドの皮は、ゴツゴツとしてワニ皮のようです。鮮度のいいアボカドの皮は、全体にツヤとハリがあります。一方、熟成が進み鮮度が落ちてくると、皮にハリがなくなり、ゴツゴツとはしているものの、のっぺりとした色になってしまいます。
食べ頃の見分け方③ヘタ
アボカド先端が細いほうに、小さなヘタがついています。ヘタも、食べ頃の鮮度を見分けるための重要なポイントです。ヘタが実にしっかりとついている場合は、まだ熟していません。ヘタがとれて周りが黒いものは熟れすぎです。
乾燥して浮いているもの
アボカドは食べ頃が近づくと、だんだんヘタの周りがへこんできます。そうしてヘタが乾燥しはじめ、最後にはぽろりと取れてしまいます。このヘタが取れそうなタイミングが、食べ頃のアボカドです。ヘタを触るとグラグラとゆれるアボカドがあれば、一番理想的な熟成具合といえます。
食べ頃の見分け方④形
形を見るのも、おいしいアボカドの見分け方の大切なポイントです。アボカドの形は大きく、細長く涙型をしているものと、丸く卵型をしているものの2つに分けられます。どちらの場合も、ふっくらと丸みをおびているほど味がよいです。涙型をしているアボカドのほうが種が小さいため、同じ大きさのアボカドで比べるとお得感が増しますね。
食べ頃の見分け方⑤シール
久しぶりにスーパーへ買い物に行き、アボカド界で小さな革命が起きていたことに気付く。シールの色を目安に食べごろを判断すればいいのか...。 #fb pic.twitter.com/goOkgPq1E4
— shu_witter (@shu_witter) November 3, 2014
アボカドを販売している会社によっては、食べ頃がわかりやすいシールを張っている場合もあります。熟れたアボカドの皮と同じ色になっていたり、食べ頃の日付が書いてあったりと、さまざまなシールがあります。しかし、アボカドは環境によって追熟速度が変わってくるので、シールだけを頼りに判断しないようにしましょう。
熟成し過ぎに注意
アボカドの熟成が進むと、実の中にだんだん黒い筋や斑点が増えてきます。やがて緑色の部分が減って全体が真っ黒になり、さらに時間がたつとヘタに近い側から白いカビが生えます。こうなると、もう食べることができません。
黒い筋はポリフェノール
熟成が進んだアボカドの実には、黒い筋や斑点が現れます。黒い筋の正体は、ポリフェノールです。ポリフェノールは空気に触れると、色が黒く変わります。これはアボカドだけではなくナスやバナナなど、ポリフェノールを多く含む野菜や果物には多く見られるものです。黒い筋は、見た目は悪くなるものの、傷んでいるわけではないため食べられます。
食べられるアボカドの特徴
- ヘタの近くに黒い筋がある
- 全体に黒い斑点がある
- ほかの部分は、明るい黄緑色をしている
傷んでいるアボカドの特徴
- ヘタの近くが白くなっている
- 切っただけで崩れるほど柔らかい
- 変な臭いがする
ボタニ子
せっかく食べ頃のアボカドを買ってきたのに、食べずに置いておいたらすっかり傷んでしまったわ。
ボタ爺
アボカドの保存方法にはコツがあるんじゃよ。次のページで詳しく説明しよう。
出典:写真AC