季節別・パンジーの育て方のコツ
パンジーを育てるうえで、意識したいのが季節ごとの栽培のコツです。コツを知っておくと、長い間かわいらしい花を楽しめます。
育て方のコツ【冬】
コツ①栽培環境
パンジーは庭植え・鉢植えのいずれでも栽培可能です。日光を好む性質があるため、日当たりと風通しのよい場所で育てましょう。日照量の過多は、花付きにも影響しますよ。また、パンジーは15℃〜20℃の環境でよく育つ植物です。花壇や庭に植える場合で、冬場も花を咲かせ続けたいなら、紙やビニールなどでマルチングを施し、防寒対策をするのがおすすめです。鉢植えは、屋内の窓際に移します。
コツ②植え付け
パンジーの苗の植え付けは秋が適期です。夏が終わり涼しくなってからならいつでも植え付けられますが、特に10月中旬以降が適しています。ただし、霜が降りる前には済ませてくださいね。本格的な寒さが来る前に植えることで、しっかりと根が張れます。十分に根が張れているかどうかは、春先の花付きの良し悪しを決める重要なポイントですよ。植え付けてから根付くまでは、しっかりと水やりをしましょう。
コツ③水やり
パンジーの水やりは、量はもちろん「いつ」行うかも重要です。冬は地面が冷えやすく、与えた水が原因で地面が凍ってしまうことがあります。耐寒性があるため土が凍っても枯れはしませんが、水が吸えないことによって花や葉が萎れる可能性はあります。冬の間も元気な状態を保つためには、朝や昼の太陽が出ているうちに水やりをするのがおすすめですよ。
コツ④肥料
パンジーは開花が始まると、絶えず花を咲かせ続けます。花を咲かせるためにはたくさんの栄養が必要のため、開花期である10月~3月のあいだは、肥料を定期的に与えましょう。使用するのは10日に1回の液体肥料か、月1回の緩効性化成肥料です。どちらでも効果は変わりませんが、ガーデニング初心者には、量の調節が簡単な液体肥料がおすすめですよ。
育て方のコツ【春】
コツ①栽培環境
パンジーは冬と同様、春もたっぷりの陽射しのもとで育てましょう。日照量が不足するとひょろひょろと徒長し、病気や害虫の被害にあいやすくなります。もともと春咲きの植物のため、春の気候はパンジーの生育に最適です。暖かくなるにつれて花数もだんだんと増えてきて、花壇がとてもにぎやかになりますよ。
コツ②肥料
パンジーは5月ごろまで開花を続けますが、3月下旬以降は株が弱ってきます。その状態で肥料を与えすぎると、かえって株に負担がかかってしまいます。3月に入ったら肥料の量を徐々に減らしていき、4月に入るまでに完全に断つとよいでしょう。気温が上がっているため、肥料がなくても元気に花を咲かせてくれますよ。
コツ③花がら摘み
パンジーを長い期間、たくさんの花数で楽しむためには、花がら摘みも大切な作業です。種をつくるエネルギーを新しい花芽に回すために、終わった花からこまめに摘み取りましょう。花びらがしわしわになって、くるんとカールしたら花が終わった合図ですよ。古い花を取り除くことで見栄えもよくなりますし、通気性も改善され、病気や害虫の予防にもなります。
寒い季節に映えるパンジーの寄せ植えアイデア
アイデア①ハボタンとあわせて縁起よく
ハボタンはお正月飾りにもよく用いられるアブラナ科の植物です。小さく目立たない花よりも、美しい葉を観賞する「カラーリーフ」として知られます。フリルのように可憐で色あざやかな葉は、パンジーと組み合わせるとおたがいをよく引き立て抜群の相性です。草丈の高い苗を植えると、ボリューム感や立体感も演出できますよ。紫や薄いピンク、クリーム色など、葉の色によって印象が変わるのも魅力です。
アイデア②ストックの甘い香りを添えて
すらりと伸びた花茎とやわらかなカラーバリエーションが魅力のストックも、パンジーとの寄せ植えにおすすめです。ほんのりと甘い香りがするのも特徴で、香りを持たないパンジーだけでは出せないやわらかさを表現できます。一重咲きと八重咲きがあるため、仕立てたい寄せ植えのイメージにあわせてぴったりの花形を選びましょう。開花期は3月~5月と、特に春に活躍します。植え付けの適期はパンジーと同じく秋です。
アイデア③アリッサムでボリューム満点
まとまって咲く小花が花束のように見えるアリッサムは、白や紫、ピンクなどの花色を持つ一年草です。ボリューム感を演出しながら、大ぶりのパンジーを引き立ててくれます。乾燥に強く丈夫であることに加え、価格帯もリーズナブルで、手に入れやすいのが魅力です。ガーデニングや寄せ植えに不慣れな人でも簡単に扱える、とても頼りになる花ですよ。淡い色合いの小花が、くっきりとした色のパンジーを美しく見せてくれます。
アイデア④アイビーのグリーンがさわやか
寄せ植えに使うのは花以外に、観葉植物もおすすめです。つる性植物のアイビーとあわせると、ナチュラルな雰囲気に仕立てられますよ。葉は緑色の濃淡をはじめ、黄色や白の斑入りや、ちぢれたものなど多種多様です。使う品種によっても、まったく違う雰囲気になりますよ。手のひらを広げたような形の葉は、寄せ植えのアクセントとしてもかわいらしいですね。いろいろな方向へ伸びるつるも、寄せ植えに動きをつけてくれます。
番外編:剪定したパンジーは花束にも
寄せ植えとして楽しむなかで、増えすぎた花を剪定することもあります。そうした切り花を使って、花束を作るのも素敵ですよ。素朴な花姿のパンジーで作った花束は、ナチュラルなかわいらしさが魅力です。花びらにフリルがついていたり、複数の色が入っていたりと、使う品種によっても雰囲気が変わります。茎の中は空洞になっているので、花束やアレンジメントにするときには、茎を潰さないように扱いましょう。
季節をまたいでパンジーを楽しもう
丈夫で花付きもよいパンジーは、初心者にも育てやすい花です。季節ごとの育て方のポイントを押さえれば、秋~春の長い期間で色とりどりの花を咲かせ続けてくれますよ。紫や赤、青にオレンジなどカラーバリエーションも豊富で、ほかの花との寄せ植えも人気です。ぜひ自分の好みや庭の雰囲気にあわせてぴったりのものを選んでくださいね。
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出典:写真AC