ガーデニングで注意すべき害虫【地上で吸汁】
葉を食べる害虫や花を食べる害虫は、食べた虫食い跡が見えるため駆除しやすいかもしれません。葉っぱや茎、蕾や花などの栄養分である植物の体液を吸う害虫もいます。これらの害虫のほとんどが小さいため、発見が遅れてしまいがちです。なんとなく植物に元気がない、枯れた葉が出てきたなど、病気に似た症状が出ることもあります。
①アザミウマ
アザミウマ類は、ウリ科やナス科を食害します。かたい口で植物に穴をあけ、壊した細胞や汁を吸います。虫食い跡は変色し白から茶褐色のかすり状です。実を食害されるとかさぶた状になったり変形したりし、花や葉っぱは枯れることもあります。アザミウマの成虫は1mm~2mmと小さく、卵は作物の中に産卵されます。幼虫は葉脈のかげに隠れ、蛹は地中にいるので農薬が効きづらい害虫です。
ボタニ子
ボタ爺
防虫ネットや天敵の導入、周囲の雑草処理などと平行して駆除するといいの。野菜や果樹に使える農薬がおすすめだな。
アザミウマの天敵
- カブリダニ類のスワルスキーカブリダニやヒメハナカメムシ類、アカメガシワクダアザミウマ(肉食のアザミウマ)など
食べる野菜と果樹虫&病気対策(アースガーデン)
参考価格: 735円
アースガーデンの園芸用殺虫殺菌剤食べる野菜と果樹虫&病気対策は、農薬が効きづらいアザミウマにも有効な農薬です。「ジノテフラン」という殺虫成分が、葉の裏やコブの中にいる害虫も駆除します。希釈してあり、すぐにそのまま使用できます。
②アブラムシ
アブラムシはとても種類が多く、約700以上もいるとされています。色はピンク、赤、茶色、黒、淡~濃緑などです。葉っぱや花、茎や蕾などから植物の栄養分を吸うため、放置すると枯れてしまいます。1匹では発見しづらく、繁殖してからの発見が多いです。繁殖力が強く、メスはオスがいなくても1日に数十匹の子どもを産みます。卵ではなく胎生で、生まれてすぐ食害を始めます。
ボタニ子
アブラムシの駆除は粘着テープでとったり、アルミホイルを敷き詰めたりといろいろあるの。牛乳スプレーで窒息させられるわ。
ボタ爺
駆除したあと牛乳は十分に洗い流さないと、悪臭がするぞ。黄色い粘着板も効果があるが、ソフト農薬を使うのもありだな。
粘着くん(住友化学)
参考価格: 1,371円
住友化学の殺虫・殺ダニ剤粘着くん液剤は、化学の殺虫成分を含まないソフト農薬です。おもな成分はでんぷん質で、安全性が高いです。
➂カメムシ
カメムシは800種類以上あり、害虫になる種類と益虫になる種類がいます。カメムシは吸汁性の害虫のなかでは比較的大きいです。口が注射針のようになっていて、果実や新芽、葉っぱや茎、蕾などから栄養分を吸い取ります。新芽のころに食害された葉っぱは、成長して広がると虫食いの穴があきます。果実は吸われた場所から腐敗することがあり、腐敗しなくても悪臭がするため食べられません。
ボタニ子
カメムシを見つけたら、そっとハシでつまんだり押したりしてビンやビニール袋へ入れるといいわ。刺激すると臭いからね。
ボタ爺
寒冷紗や防虫ネットで飛来を防いで、木酢液をまいたり置いたりするのもいいぞ。
④ハダニ
ハダニは0.1mm~0.8mm前後ととても小さく、発見するのは繁殖が進んでからが多いです。植物の葉緑粒を吸汁して脱色してしまため、葉っぱにかすり状の白いものを見つけたら対策が必要です。そのままにしておくと、栄養分を吸われたうえに光合成ができずに枯死することもあります。ハダニはクモの仲間で、糸を出して風にのったり服についたりして侵入します。
ボタニ子
ハダニは水に弱いので、発見したら霧吹きで葉水対策をしましょう。数が少ないうちは、粘着テープでも駆除できるわ。
ボタ爺
大繁殖するとネットを張って、ハダニのマユのようなものを作るぞ。天敵のハダニアザミウマを放すのもありだの。
ハダニの農薬対策
- ハダニは薬剤抵抗力が強いため、同じ種類の農薬を使い続けるのは避ける
- 食物添加物を由来とするものを使用すると、食べる植物の場合は比較的安心
- 昆虫ではないので昆虫用の殺虫剤ではなく、ハダニ専用のものを使う
ガーデニングで注意すべき害虫【地際部分をかみ切る】
①ネキリムシ
ネキリムシとはカブラヤガやタマナヤガなど、ヤガ(夜蛾)科の幼虫を総称して呼びます。ネキリムシと呼びますが、根ではなく地面の際の茎をかじる害虫です。孵化したての幼虫は葉っぱの裏で葉を食べる習性ですが、虫食い跡が小さいため発見しにくいです。成長すると夜行性になり、昼間は地中にいます。夜になると這い出し、茎の根元をかじり倒してしなびた葉を食べるのが好みです。
ボタニ子
根元からばっさり折れている植物を見つけたら、すぐに周りの土を手で1cm~5cm掘ってみて。きっとネキリムシが潜んでいるわ。
ボタ爺
植物の苗を植えるまえに、よく土を耕すことも大切だよ。大量発生してしまったら、農薬で対策しよう。
ネキリムシ対策
- 植えたての苗の地面の際部分を、切りこみを入れたストローで保護する
- ペットボトルをカットしたものを地中1cm~5cmほどうめて、その中に苗を植える
農薬に対する薬剤抵抗性が出やすいので、農薬を数種類用意したほうがいいかもね。それでも農薬だけの駆除は困難よ。