ゴマの特徴
ゴマはたんぱく質やビタミン類、カルシウムや鉄分など、たくさんの栄養が小さな粒に詰まっている優れた健康食品で、栄養素のひとつ「セサミン」はコレステロール値を低下させる効果があります。
ボタニ子
そのまま食べるより、すりゴマにして食べると体に栄養素が吸収されやすくなるよ!
特徴1「基本情報」
名前 | 胡麻(ゴマ) |
分類 | ゴマ科/ゴマ属 一年草 |
原産地 | インド |
高さ | 1m~1.5m |
収穫時期 | 9月下旬~10月上旬 |
開花時期 | 7月下旬~8月上旬 |
特徴2「生産地」
国内の主な生産地は鹿児島県・茨城県・沖縄県で、鹿児島県の喜界島ではゴマの収穫後たくさんのゴマが天日干しされるため、栽培農家周辺では「セサミストリート」と呼ばれる道がその時期にできます。
特徴3「名前の由来」
胡麻の「胡」は中国の西城諸国を意味し、「麻」は麻の実の形にゴマが似ているため、「胡からもたらされた麻に似た種子」が名前の由来になっています。原産地のインドからシルクロードを通り、中国を経て日本に入ってきたゴマは、奈良時代に畑で栽培されるようになり、平安時代になると食用ゴマ油や明り取りの燈油として使われるようになりました。
特徴4「白ゴマと黒ゴマの違い」
白ゴマ
- 粒が小さい
- 収穫量が黒ゴマより少ない
- 油の含有量が多い
黒ゴマ
- 粒が大きめ
- 収穫量が多い
- 油の含有量が少ない
「えごま」はゴマ?
名前 | 荏胡麻(エゴマ) |
分類 | シソ科/シソ属 |
原産地 | 東南アジア |
草丈 | 60cm~1m |
開花時期 | 8月下旬~9月中旬 |
えごまの由来
えごまは油が採れるため「油が得られる」の「得(え)」と、種の形がゴマに似ていることが由来になり、「えごま」と名づけられました。
ごまとえごまの違いは?
2つの違いがあります。
- ゴマ科とシソ科(分類の違い)
- えごまの葉の縁には、ぎざぎざがある(ゴマにはない)
栽培カレンダー
ボタニ子
たくさんのゴマを収穫するために必要なのが、9月中旬からの摘心です。
摘心することで、サヤに栄養が運ばれ果が充実するよ!
育て方のポイント
ゴマは種まきから収穫までの期間が約100日とスピーディに成長する植物で、地植えやプランターなど選ばず、栽培初心者でも育てることができます。乾燥に強い植物で人工的な散水の必要がなく、雨水だけで育つ「乾燥農業」に向いた植物ですが、気温や土質といった栽培するうえで気をつけるポイントがあります。
育て方のポイント1「気温」
低温に弱く、気温が低い年のゴマの収穫量は少ない傾向にあります。発芽には気温20℃以上が必要なため、種まき時は寒暖差のない暖かい日を選びましょう。
育て方のポイント2「土質」
ゴマは酸性の土質を嫌います。そのため酸性度の強い畑には苦土石灰をまいて中和し、プランター栽培の場合は市販の野菜用培養土に苦土石灰を混ぜて使うか、自分でブレンドするさいも苦土石灰を混ぜて使います。
ブレンドの割合
- 赤玉土(小粒)…6~7
- 腐葉土…3~4
- 苦土石灰…10g
ポイント3「水やりと肥料」
1、水やり
発芽するまで土が乾かないよう水やりしますが、種が小さいので流されないよう注意して水やりします。発芽後、地植えはマルチングで保湿や地中の温度を保ち、プランター栽培は用土が乾いてから水やりします。
2、肥料
住友化学園芸 マイガーデン ベジフル 700g
参考価格: 701円
肥料は間引きのあと、1ヶ月に1回の化成肥料(または液体肥料を1ヶ月に2回)を与えます。施肥したあとは、地植え・プランターともに株元へ土を寄せ、水をたっぷり与えます。
ポイント4「病気と害虫」
1、病気
カビが原因で起こる2つの病気があります。
- シラキヌ病…株元が黒く変色する
- 立ち枯れ病…株元が腐れて倒れる
2、害虫
ゴマにはつぎのような害虫がつきます。
- アブラムシ…茎や葉について養分を吸う
- カメムシ…葉について養分を吸う
- スズメガ…葉を食べる
- ネキリムシ…茎や葉を食べる
ゴマの育て方①種まきの準備
ゴマは地植えのほか、プランターや鉢植えなどでも栽培ができます。地植えは2週間前に肥料と苦土石灰を混ぜて耕し、1週間ほどあいだをあけてから化成肥料を加え種をまきます。プランターや鉢植えは土を入れてすぐ種まきできますが、成長後の草丈に合わせて支柱立てが必要になる場合もあります。
種をまくときに必要な物
地植え
- スコップ(クワ)
- 移植コテ
- ジョウロ
- 化成肥料
プランター
- プランター(深さ30cm×長さ65cm)
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 用土(12リットル)
- 移植コテ
- ジョウロ
ゴマの育て方②種まき
5月下旬から6月の上旬に種まきします。曇りの日や気温が低い日を避け、気温20℃以上の天気の良い日にまきましょう。
種のまき方
地植え
- うねを立てる。(幅60~70×高さ10~15cm)
- 15cm~25cmほど間隔をあけ、深さ約1cmの穴をあける
- 穴に種を4~5粒まき、土をかぶせたら軽く手のひらで土をおさえる
- ジョウロで水やりする
プランター
- プランターの縁下2cm~3cmあけて土を入れる。
- 間隔を15cm~20cmあけ、深さ約1cmの種をまく穴をあける。(長さ65cmのブランターなら穴の数は4ヵ所)
- 穴に種を4~5粒まき、土をかぶせたら軽く手のひらで土をおさえる。
- ジョウロで水やりする。
プランターは発芽まで日当たりのよい場所に置くことが大切です!
ボタニ子
地植え・プランターともに発芽するまで水やりし、土が乾かないように管理しましょう。
ゴマの育て方③間引き
間引きの時期は6月下旬~7月上旬で、1回目は本葉が1~2枚のときに成長がよい芽を3本残して間引きし、2回目は本葉が3~4枚になったら2本残して間引きします。最後の間引きは本葉5~6枚になったとき、茎や葉が充実したほうを残して株1本にします。
ゴマの育て方④摘芯
摘芯は収穫の2週間前(9月中旬ころ)からおこない、株の先端から下20cmくらいの場所をカットしてます。摘芯することで茎の成長を止め、種の入ったサヤに栄養が送られます。
ゴマの育て方⑤収穫
収穫時期は?
サヤは株の下から完熟していき、9月下旬ごろから10月中旬まで収穫ができます。
サヤがすっかり枯れてしまうと中の種が自然に落ちてしまうので、刈り取りは遅れないようにしましょう。
収穫の仕方
収穫の目安は、サヤの色が茶色に変わり2~3個ほど割れたら、株の根元から刈り取りします。刈り取り前にあるていど茎から葉を取っておくと、収穫後の選別(洗い)作業がスムーズになります。
収穫後
切った株は5~10本にまとめ2~3ヵ所ほど紐で縛り、敷いた新聞紙の上やビニール袋に入れ、穂先が下になるよう逆さにして立てかけ乾燥させます。乾燥期間は約2~3週間ほどです。
ゴマの育て方⑥選別(洗い方)
サヤから落ちた種を集めたら、ふるいにかけて殻や砂などを落とします。その後、水で洗ってさらに細かなゴミを取りますが、洗い方の手順は以下の通りです。
洗い方
- 大きめのボールに種を入れ、水を注ぐ
- 種と水を手でかき混ぜる
- ざるを用意し、水に浮かんだ種をゆっくりと移す
- ボールの底に残った砂や石を捨てる
- 底にゴミがなくなるまで繰り返す
洗い方が終わったらよく水気を切り、新聞紙などの上に広げて乾燥させましょう。
ボタニ子
乾燥させたゴマは、フライパンでよく炒ると香りが立ちます。手作りならではの香りの高さに、食欲も倍増!
まとめ
普段なにげなく料理に使うゴマも、種まきから収穫まで体験すると、ひと味もふた味も違って美味しく感じます。栽培は気温や土質に注意し、摘芯をおこなってたくさんのゴマを収穫してくださいね!
ゴマにはシミ・しわ・紫外線予防など、女性に嬉しいアンチエイジング効果もあります。