世界の国花【ヨーロッパ17選】①~⑩
①ドイツの国花
ドイツの国花はヤグルマギクです。ナポレオンの侵攻にあったドイツの王妃は身を隠す際に矢車菊の冠を作り、幼い子供たちをあやしたといわれています。この一人が初代ドイツ皇帝になり、そのときからドイツでは矢車菊を紋章に使っていました。また、ドイツの国樹(国木)はオウシュウナラです。
②オーストリアの国花
オーストリアの国花はエーデルワイスで、オーストリアのコインにも描かれています。アルプス原産の高山植物で、オーストリア人にとって大切な気高い花です。オーストリアの国を代表する花として、オーストリアの土産物などのモチーフにもなっています。
③スイスの国花
スイスの国花もエーデルワイスです。スイスにはエーデルワイス空港があります。スイスの中でもドイツに近い所ではドイツ語が使われ、エーデルワイスもドイツ語でエーデルヴァイスと呼ばれています。
ボタニ子
④ポーランドの国花
ポーランドの国花はパンジーです。ポーランドの平野に生え、ポーランドの代表的な花です。ポーランドは中東欧のなかでは人口が多く、親日国としても知られています。
⑤ハンガリーの国花
ハンガリーの国花はゼラニウムです。ハンガリー語では「ムスカトリ」と呼びます。ベラルゴニウム属の多年草で、ハンガリーではハンギングなどによく使われます。加えて、ハンガリーのもう一つの国花はチューリップです。15世紀にトルコから伝わり、以来、人気を集めています。
➅セルビアの国花
セルビアの国花は、李(スモモ)です。スモモは中国原産で東洋のイメージが強めですが、セルビアではスモモからスリヴォヴィッツという蒸留酒を作ります。セルビア人は、スモモ酒で一日の疲れを取っているようです。
ボタニ子
セルビアってあまりなじみがないけれど、スモモ酒を飲んでいると聞くと親近感がわきますね。
⑦ロシアの国花
ロシアの国花は向日葵(ヒマワリ)です。一面のヒマワリ畑がたくさんあり、またヒマワリ油の生産量も高めです。また、カモミールもロシアの国花に制定されています。
⑧イタリアの国花
イタリアの国花公的には決まっていません。しかし、慣習上の国花はデイジーです。デイジーは、イタリア語でマルゲリータ、これはピザの種類と同じ名前です。イタリア人にとって国花はあまり重要ではないようで、国花の認知度は低いと考えられています。
⑨スペインの国花
スペインの国花は、南ヨーロッパ原産のカーネーションです。スペイン語でクラベルと呼びます。スペインの国民の多くがカトリック教徒で、聖母マリアの流した涙から生まれたカーネーションを心の花として支持しているのが国花とされる理由です。
ボタニ子
欧州のキリスト教も象徴として国花に深くかかわっているのね。
⑩トルコの国花
トルコの国花はチューリップです。チューリップの原産地はオランダと思われがちですが、実はトルコです。トルコから欧州各地に球根が渡り、希少種は投機目的で高額で取引されました。チューリップの語源は「トルコ人のくちびる」です。
世界の国花【ヨーロッパ17選】⑪~⑰
⑪イギリスの国花
イギリスの国花はバラですが、イギリスは連合王国のためそれぞれに国花を持っています。それぞれが印象の異なる花を国花としているところが、連合国のユニークなところといえるでしょう。
- イングランド:バラ(テューダー・ローズ)
- ウェールズ:ラッパスイセン、リーキ
- スコットランド:アザミ
- 北アイルランド:シャムロック
⑫フランスの国花
フランスの国花はマーガレット、矢車菊、ヒナギクの3つです。フランスの国花は「ユリ」や「アイリス」とされることもありますが、それはフランス王家の紋章に描かれているからです。現在のフランス国花では、トリコロールカラー(赤青白)の3つの花が象徴になっています。
⑬オランダの国花
オランダの国花はチューリップで、イメージどおりかもしれません。原産地のトルコから球根がもたらされ爆発的な人気になり、球根ひとつで職人の年収10年分の価格がついたそうです。ブームが去った今でも、オランダはチューリップの世界の生産量1位です。
⑭スウェーデンの国花
2021年、スウェーデンの国花にふさわしい花として「イトシャジン」が選ばれました。イトシャジンはキキョウ科の多年草で、山野草として親しまれています。また、ドイツスズランも国花といわれています。ドイツスズランは日本のスズランよりもやや大きめです。国樹(国木)は、セイヨウトリネコです。
⑮デンマークの国花
デンマークの国花はムラサキツメクサです。レッドクローバーとも呼ばれます。クローバーは根粒菌と共生して窒素を固定し、結果、土地は肥沃になります。豊かな土地をもたらす、デンマークの国家繁栄の象徴としてムラサキツメクサが選ばれました。
⑯ノルウェーの国花
ノルウェーの国花はヒースです。ヒースとは、平野の荒れ地のことを指します。耐寒性もありノルウェーの荒野に咲く逞しいハーブです。その様子は、北欧ノルウェーの国民の心を代表する花にふさわしいといえるでしょう。
ボタ爺
ヒースは美白成分のアルブチンを含むので、化粧品にも利用されるぞ。
⑰フィンランドの国花
フィンランドの国花はドイツスズランです。フィンランドの国土のいたる所でドイツスズランが見られます。夏に市場でスズランが売られる様子は、フィンランドの夏の風物詩として知られています。
アルプス山脈の気高い白い花「エーデルワイス」、日本で育てるのは難しいのよね…。