ワレモコウの育て方
ここからは、ワレモコウの育て方について紹介します。ワレモコウは雑草として知られている多年草です。このため、栽培は比較的容易な部類に入ります。ワレモコウは派手さはありませんが、独特の風情を持つ植物です。ナチュラルガーデンによく映えますよ。育て方のポイントを押さえて、健やかに育て上げましょう。
育て方①栽培環境
ワレモコウが好むのは、日当たりと風通しがよい場所です。日当たりが悪いと、株が大きくならなかったり、花つきが悪かったりと、生育障害を起こしてしまいます。ただし、真夏の直射日光など、強過ぎる日差しが当たると葉焼けを起こす恐れがあります。鉢植えの場合は、真夏の間は明るめの半日陰に移動させましょう。地植えの場合は、遮光ネットを使って日差しを和らげるなど、工夫して葉焼けを防ぎます。
ワレモコウの品種には、斑入りの葉をつけるものもあります。斑入り品種は特に葉焼けしやすいので、注意が必要です。
土
ワレモコウは特に土壌を選ぶ植物ではありません。鉢植えなら市販の草花用培養土でもOKです。ただし草丈が低いわい小品種の場合、水はけが悪いと過湿状態になって枯れてしまう恐れがあります。わい小品種は、鉢植えでも地植えでも、水はけのよい土に植え付けるようにしましょう。
育て方②植え付け・植え替え
ワレモコウの植え付けの適期は、休眠期である2月~3月です。根を傷めないように注意して、丁寧に行いましょう。植え替えの適期も同じです。鉢植えの場合は毎年、地植えの場合は3年~5年に1回のペースで植え替えます。古い土を落とし、傷んでいる根があったら切り取ってから、新しい土を使って植え替えていきます。
育て方③水やり・肥料
水やり
ワレモコウは丈夫ですが、乾燥も過湿も苦手です。水切れとやり過ぎの両方に注意しましょう。鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら、鉢底から水がしみ出すほど与えるのが基本です。真夏など乾燥しやすい時期は、土の状態を見て朝夕の2回与えましょう。地植えの場合、基本的に水やりは不要です。ただし、日照りが続いたときなど、乾燥がひどい時期は水を与えます。
肥料
やせ地でも育つワレモコウは、あまり肥料を必要としません。地植えの場合は不要です。鉢植えの場合は、春~夏の生育期に少量の草花用の肥料を置き肥します。肥料を与え過ぎると、茎や葉ばかりが育ってしまい、ワレモコウ独特の風情ある美しさが失われてしまうので注意しましょう。
育て方④病気・害虫対策
ワレモコウは、病気や害虫による被害が少ない植物として知られています。しかし、まったく心配がないわけではありません。病気はまれにうどんこ病や炭疽病、害虫はアブラムシやハダニが発生することがあります。発見次第、殺菌・殺虫剤で駆除しましょう。
まとめ
ワレモコウは華やかさはありませんが、独特の風情ある花姿が好まれ、茶花によく利用されてきました。最近では個性的な花姿を活かして、ドライフラワーの花材としての需要が増えています。個性的ですが、ほかの植物ともケンカしないので、生け花にもおすすめです。いろんな場面で意外な活躍をするワレモコウを、秋のガーデニングに取り入れてみましょう。
出典:写真AC