下草とはどんな植物?
ガーデニングにおいて、下草とはシンボルツリーの根元や周囲に植える植物全般を意味する言葉です。おもにシンボルツリーの根元に植えるグランドカバーとなる草花や、周囲に植えてシンボルツリーを引き立てる樹高の低い庭木などを指します。下草は庭の景観をよくするほかにも、さまざまな役割を担うため、まさに縁の下の力持ちといえる植物でしょう。
下草の役割
役割①庭の景観をよくする
下草の大きな役割は、庭の景観をよくすることです。せっかく見事なシンボルツリーや庭木があっても、地面がむき出しでは美しさを損ねてしまいますよね。美しい庭木や草花たちと相性のよい下草やグランドカバーを組み合わせると、庭をより美しく輝かせられますよ。
いくらおしゃれをしても足元の靴が服にあってないと、バランスが悪くなってしまうよね。下草やグランドカバーにも、同じことがいえるんだ。
下草やグランドカバーは、シンボルツリーや庭木にあったものを選びましょうね。
役割②雑草を防除する
下草やグランドカバーは、雑草の防除方法としても使えます。地面がむき出しになっていると、どこからか運ばれてきた雑草の種が発芽し、繁殖してしまう可能性が高いです。特に夏場は雑草がよく成長するため、放置していると、一度生えた雑草の処理に追われることになります。そこで地面を下草やグランドカバーで覆ってしまえば、雑草の繁殖を防止できるというわけです。
役割③土の乾燥防止
下草やグランドカバーの役割として、土の乾燥防止もあげられます。地面がむき出しになっていると、直射日光や気温の上昇の影響を直接受けてしまいます。その影響は土の表面だけにとどまりません。地中の温度も上昇してしまうため、土全体が激しく乾燥してしまうのです。シンボルツリーや庭木が乾燥に弱い種類だった場合、枯れてしまう原因となってしまいます。
下草やグランドカバーで土を覆っておけば、直射日光などの影響を抑えられるから、乾燥を防げるんだよ。
雑草や土の乾燥を防ぐ方法として使えるという点では、ガーデニングにおけるマルチングに似ていますね。
下草の選び方
選び方①草丈・樹高が低い植物
下草に適した植物として、あげられる優先度の高い条件は草丈・樹高が低いことです。成長しても木の邪魔にならない程度の高さにしかならないものが適しています。3cm~150cmくらいの植物がベターです。植物の種類でいえば、グランドカバーとしても使用される芝生類やコケ類・シダ類などの地被植物、庭木も兼ねる低木、管理が楽な種類が多い宿根草(多年草)などがあります。
植物のなかには繁殖力が強過ぎて、ほかの植物との共生が難しい種類もあります。注意しましょう。
植えた後の管理も考えて、丈夫で手入れの楽な植物を選ぶのも、下草の選び方の重要ポイントだよ。
選び方②シンボルツリーの外見や性質にあわせる
下草はシンボルツリーの足元に植えるため、シンボルツリーとの相性も重要です。相性は見た目の組み合わせも重要ですが、シンボルツリーの性質にも大きく左右されるため注意しましょう。たとえばシンボルツリーが半日陰向きの樹木だった場合は、半日陰でよく育つ植物がふさわしいです。このように下草は、シンボルツリーの性質にあわせるのが選び方の基本ですよ。
半日陰の場所は暗くなりがちなので、半日陰で育ち、かつ明るい色の花や葉を持つ下草がおすすめです。
選び方③常緑種と落葉種のバランスを考える
下草になる植物は種類が豊富で、特徴や性質もいろいろあります。常緑性と落葉性の両方がありますが、これらの植物のバランスを考えることも重要です。たとえば落葉種なら春~秋は花や紅葉を楽しめますが、冬になると葉がなくなるため、地面が丸見えになってしまいます。このような事態にならないためにも、常緑種の下草もバランスよく組み合わせて植えましょう。
下草やグランドカバーは植えるスペースにもよりますが、購入する場合は、苗が複数必要であることがほとんどです。
下草になる植物には複数の苗をセットで販売しているものがあるんだ。購入方法としては、セット販売を利用するのがおすすめだよ。
庭木の足元に下草やグランドカバーで植えるのは、人間でいえば、おしゃれな服によくあう靴を履くようなものです。