トマトの自作水耕栽培【溶液のポイント】
溶液のポイント①配合済みの液体肥料を使う
植物の成長には、窒素・リン酸・カリの「多量要素」とマグネシウム・鉄・マンガンなどの「中量・微量要素」が必要です。土には中量・微量要素が含まれているため、土耕用の肥料は多量要素が多めに配合されています。水耕栽培で使うと中量・微量要素が不十分な場合があるため、「ハイポニカ」「ハイポネックス」など水耕栽培に適した液体肥料を濃度を守って与えましょう。
溶液のポイント②pH
pHとは、水の酸性やアルカリ性の強さのことで、作物によってよく育つ範囲があります。トマトが好むpHはpH6〜6.5の弱酸性です。水耕栽培では容易にpHが変化するため、実がならない・大きくならないなど「何かがおかしい」というときにはpHを調べてみるのも一つの手です。大きな偏りがあれば、水を交換したりpHアップ剤やpHダウン剤を使ったりして調節しましょう。
ボタニ子
トマトの自作水耕栽培【病害虫対策】
葉かび病
葉かび病は、葉に白っぽい病斑ができるのが初期症状です。後期には褐色の斑点となり、着果不良や生育不良をおこします。樹勢が弱ると一気に蔓延するため、予防が大切です。ダコニール1000などの殺菌剤を予防散布するとよいでしょう。
灰色かび病
灰かび病は、トマトに限らずあらゆる野菜や草花に見られる病気です。花や葉に細かな毛をもつかびが生えて茶色く腐ります。梅雨時など湿度が高く蒸れやすいときに発生しやすいため、下葉を取る・株同士の間隔を開けるなど風通しをよくします。蔓延してしまったら罹病部を取り除いて、ダコニール1000などの殺菌剤、カリグリーンなどの治療薬を使用しましょう。
ボタニ子
蒸れさせないことが大事です!
うどんこ病
葉にうどん粉のような白い粉が斑点状がついていたら、うどんこ病を疑いましょう。ひどくなると全体に広がって葉がしぼまり、じわじわと植物を弱らせながら新芽を枯らすこともあるため注意が必要です。株の風通しをよくして予防をし、病症を発見したら罹病部分を取り去ったり、殺菌剤を使用したりしましょう。
ボタ爺
原因となるカビが育ちやすい温度は20~30℃、昼夜の温度差が大きくなるとさらに発生しやすくなる。
ボタニ子
トマトを栽培しているとよく見られる病気です!
炭疽病
炭疽病にかかると、実に黒っぽい斑点が広がり、最後には腐ったようになって落ちてしまいます。原因となるカビは梅雨の時期など湿度と温度が高いときに発生しやすく、菌が繁殖した実が雨に当たるとさらに蔓延します。室内での水耕栽培では雨の心配は少ないですが、高温多湿を避け、病症が出た実はすぐに取り除きましょう。
STダコニール1000
STダコニール1000
参考価格: 777円
「STダコニール1000」はカビ類が原因の病気に高い効果がある総合殺菌剤です。あらかじめ散布しておくことで、うどんこ病や炭疽病を始め、幅広い病気に予防効果があります。トマトなら収穫前日まで使えます。
オオタバコガ
小さいときは目立ちませんが、大きくなると葉や実を次から次へと食い荒らす厄介な虫です。多くの卵を産みとても繁殖力が強い害虫で、一匹見つけたらほかの株もあわせてこまめに確認して退治しましょう。実の中に潜り込んで食害するため、実に丸い穴が開いていたり、かじったような跡があったりしたらオオタバコガがいるサインです。
ボタニ子
オオタバコガは葉や実を食べるスピードが速いです。株元や葉の上にフンが落ちていないかチェックして早めに見つけましょう!
トマトの自作水耕栽培に挑戦!
ミニトマトから大玉トマトまで、水耕栽培で簡単に育てられます。水耕栽培なら収穫までの日数が短いため、よりたくさんの実を収穫できますよ。苗の大きさにあわせた水耕栽培装置の作り方や時期ごとに出やすい病気など、育て方のポイントをおさえて、夏の実りを楽しんでくださいね。
pHを調べるには、pH試験紙やpH試験液が手軽です。どちらも通販やホームセンターなどで購入できますよ。