みょうがが健康にいいって本当?
みょうがは、夏の薬味に欠かせない野菜です。一方、食べると物忘れをするという言い伝えから、身体に悪いと誤解されることもあります。しかし実際には、みょうがはとても多くの種類の栄養を含んでいます。暑い夏に欠かせない成分がそろっており、特に女性には欠かせません。
基本情報
学名 | Zingiber mioga |
和名 | ミョウガ |
分類 | ショウガ科ショウガ属 |
草丈 | 40~100cm |
みょうがの効能
みょうがには、カリウムをはじめとしたミネラルや、さまざまなビタミン類が含まれています。また香りの主成分であるαピネンには、発汗や血液循環などの機能をうながす効果があります。ほかにも、強い抗菌作用があるカンフェンや、鎮静作用を持つゲラニオールなど、希少な成分が豊富です。
効能①むくみの改善
みょうがは、カリウムが豊富な野菜です。カリウムには体内の塩分を調整する機能があり、むくみの改善や予防に役立ちます。さらに、利尿作用を持つαピネンも多く含まれているため、むくみに対してよりいっそう高い効果が期待できます。ただしカリウムが豊富なため、腎臓が悪い人は摂取量に気をつけてください。
効能②冷え性対策
みょうがは、冷え性の改善にも役立ちます。みょうがにはミョウガジアールやαピネン・カリウムやビタミンEなど、血行をよくする成分が豊富に含まれているからです。特に、湯豆腐やにゅうめんなどの薬味にみょうがを使うと、より全身が温まり効果的ですよ。さらに、体が温まり基礎代謝がよくなることで、ダイエットにも高い効果が期待できます。
効能③食欲増進
みょうがには、食欲を増進させる効果もあるとされます。αピネンが胃腸の調子を促し、水分の巡りもよくします。特に、暑さで食欲がなくなりがちな夏場に効果的です。そうめんや冷奴の薬味にみょうが使われるのは、このためです。
効能④集中力アップ
みょうがには、集中力を上げる効果も期待できます。これは、脳の中でも記憶力や集中力をつかさどる前頭前野という部分を、αピネンやミョウガジアールが刺激するからです。ただしこの効果は、高温で加熱することで失われてしまいます。そのため、集中力を上げたいときは、薬味や漬物など生で食べる調理法を選ぶとよいでしょう。
効能⑤抗菌作用
みょうがに含まれるミョウガジアールは、細菌や酵母の生育を阻害します。また、香り成分の一つカンフェンには抗炎・抗菌効果もあるとされ、雑菌の繁殖を抑制し、食べ物が傷みにくくなるといわれます。甘酢漬けを作った後の酢にも同じ効果が期待できるため、すし酢やサラダのドレッシングに使うのもおすすめです。
みょうがの適切な摂取方法
みょうがは、生のまま使うと栄養が損なわれません。しかし体質によっては、そのまま食べるとお腹を壊す場合があります。腹痛を防ぐためにおすすめなのが、あく抜きをすることです。きざんだみょうがを数十秒水にさらして、水気を切れば完了です。
毒性がある
みょうがには、弱い毒性があります。しかし、毎日みょうがだけを食べ続けるというようなことをしなければ、特に身体に悪いことはありません。ただし、心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳梗塞(のうこうそく)などの薬を飲んでいる人は、注意が必要です。みょうがに豊富に含まれているビタミンKは、これらの病気に対する薬の効果を弱めてしまいます。
副作用は特にない
みょうがを食べたときに副作用はないものの、食べ過ぎるとお腹を壊すといわれています。しかし、理論上の危険な摂取量は、1日に100個以上です。100個以上食べなければお腹を壊すことはありません。あまりにも非現実的な量のため、みょうがに副作用はないといってもよいでしょう。
妊娠中はあく抜きが必要
みょうがは幅広い世代で健康によいとされる野菜ですが、妊婦は注意が必要です。妊娠中に大量に必要になる鉄分に対して、みょうがに含まれるシュウ酸が吸収を阻害するからです。そのため、シュウ酸を軽減するあく抜きをしてから食べることをおすすめします。
ショウガアレルギーの人は要注意
みょうがは、ショウガ科ショウガ属の植物です。そのため、ショウガにアレルギーがある人は、みょうがでもアレルギー症状が出ることがあります。ごく軽度におさまる場合が多いですが、アレルギー症状は人によって大きく異なります。不安のある方は医師に相談し、またみょうがを食べて異変を感じたときは、病院で診断を受けることが大切です。
みょうがを食べると物忘れをする?
「みょうがを食べると物忘れをする」といわれることがありますが、根拠のない俗説です。実際は、みょうがには、食べることで集中力を高める効果が期待できます。
物忘れ名人の墓から生えてきた
みょうがを食べると物忘れをするという俗説は、お釈迦様の弟子である周利槃特(しゅりはんどく)の逸話から来ています。彼は「物忘れの名人」で、自分の名前すら忘れてしまうほどでした。しかしとても真面目な人で毎日コツコツと掃除を続けていたところ、やがて煩悩を払い、悟りに至ります。死後、彼のお墓に生えてきた不思議な植物は、名を「荷(にな)う」と書いて「茗荷(みょうが)」と名付けられました。
ボタニ子
これが曲解されて、迷信になったのね。安心して食べて大丈夫ね!
みょうがのおすすめレシピ
みょうがは多くの種類の栄養を含むため、毎日少量ずつ食卓に並べるのがおすすめです。特に、豆腐や麺類の薬味として用いると、爽やかな香りが食卓を華やかにしてくれます。調理法によっては、みょうがをおかずの主役にすることもできますよ。
おすすめレシピ①みょうがの甘酢漬け
みょうがの甘酢漬けは、みょうがをまるごと楽しめる調理法です。旬の時期に作っておけば、長い間みょうがを楽しめます。保存期間は冷蔵庫で約2カ月、煮沸消毒をした瓶で保存すれば約半年です。
材料(作りやすい分量)
- みょうが:10個
- 酢:100mL
- 砂糖:大さじ5
- 塩:ひとつまみ
作り方
- 酢・砂糖・塩を鍋に入れ、ひと煮立ちさせて冷ます
- みょうがを洗う。大きいものは縦半分に切る
- 湯(分量外)をわかし、みょうがをさっとゆでる
- 水気を切ったみょうがを、1に入れる
- 冷蔵庫に入れて1日漬け込む
おすすめレシピ②肉巻きみょうが
肉巻きみょうがは、みょうがを使った主菜です。火が通ったみょうがは、生とはまた違った食感が楽しめます。しかし、みょうがに火が通り過ぎると栄養が損なわれます。そのため、肉はできるだけ薄切りのものを使いましょう。脂のある部位を使うと、コクが出ておいしく仕上がります。
材料(2人分)
- みょうが:4個
- 薄切り豚肉(バラ・ロースなど):8枚
- 薄力粉:適量
- 塩・こしょう:各適量
- 好みでポン酢醤油やレモンなど
レシピ
- みょうがを洗い、水気をふく。縦に四等分に切り分ける
- 豚肉を広げ、薄力粉と塩こしょうを振る
- みょうがを2本ずつ豚肉のはしにのせて巻く。巻き終わりが下に来るように並べる
- フライパンに油(分量外)を温めて、焼く
- 豚肉に火が通ったら器にあげ、好みでポン酢醤油やレモンなどをそえる
効能豊富なみょうがで体調管理をしよう!
みょうがは、さまざまな種類の栄養を含む身体によい野菜です。特にむくみや冷え性に効果的で、特に女性に嬉しい効果がそろっています。また、食欲を増進し胃腸の働きが活発になるため、暑い夏にはぴったりです。薬味として、あるいは食卓の主役に、毎日少しずつ食べるのに適した野菜ですね。
出典:写真AC