もみじ盆栽の季節ごとの育て方
もみじ盆栽は、屋外の日当たりと風通しのよい場所を置き場としてください。鉢が小さいため、水やりは毎日行いましょう。また、植物は小さい鉢で何年か育てると、葉が徐々に小さくなっていきます。これは株の劣化ではありません。盆栽は葉が小さくなっていく変化を楽しむミニチュア園芸です。もみじもかわいらしい小さい葉がたくさんつくようになりますよ。
春の育て方
3月くらいから、もみじの新芽が伸び始めます。枝が伸び過ぎると樹形が崩れるので、2番目の芽は摘み取るのが盆栽の基本です。全体の樹形を見て、伸ばしたい方向の枝は3番目の芽で摘み取りましょう。5月の末になったら、苔を少し剥がして固形肥料を3箇所くらいに置きます。
夏の育て方
もみじの葉は日差しが強いと葉焼けしてしまうので、西日の当たる置き場は避けます。どうしても西日が当たるようなら、ヨシズや寒冷紗をかけて日陰を作りましょう。水やりも直射日光が当たっている時間は避けます。春に置いた肥料が残っていれば取り去りましょう。徒長する枝があれば、剪定します。
秋の育て方
冬に差しかかる晩秋、もみじが紅葉して落葉したら春と同じように固形肥料を鉢に置きます。5月の与えたときより1~2個少ないくらいでよいでしょう。葉が全て落ちたら、伸びすぎた枝を剪定します。葉がないほうが木の形がよく見えます。どの方向から見た不等辺三角形が美しいのか、いろいろな角度から観察して剪定しましょう。
冬の育て方
もみじは葉が落ちても枯れているわけではないので、冬でも水やりはしっかり行います。土の乾き具合をみて、2日に1回程度でもよいでしょう。寒い地域でもみじ盆栽を育てる場合は、夜は鉢が凍らないように、置き場を軒下や夜間だけは室内に変えてください。
1年が過ぎたら
仕立てたもみじ盆栽を1年、枯らさずに育てられたら、2年目の3月に植え替えましょう。伸びた枝を剪定し、鉢の中でいっぱいになった根を1/3ほど切ります。毎年、その作業を繰り返すことが盆栽の作り方の基本です。それによりもみじ盆栽を小さく育てられます。
もみじ盆栽の病害虫対策
もみじは野山に自生する樹木なので、病気や害虫の被害に強い樹種です。それでも春~秋まで美しい葉を楽しむためには、病害虫対策をとる必要があります。盆栽は小さい植物なので病気と害虫はあっという間に広がってしまいます。水やりときに異変がないか観察をしましょう。
もみじ盆栽のかかりやすい病気
うどんこ病・さび病
うどんこ病・さび病は、どちらも風通しと日当たりの悪さが主な原因です。もみじ盆栽の置き場を風通しと日当たりのよい場所に変えましょう。葉が茂ってくると木の内側に風が通らなくなるので、春の芽つみや剪定を必ずします。早めに見つけて病気が発生した葉は取り去ります。
もみじ盆栽の気をつけたい害虫
ハダニ
ハダニは、夏のはじめと終わりに発生します。5月ごろから、1週間に1回は薬を散布しましょう。もみじの葉の表も裏も薬がかかるように散布するのがポイントです。また、夏場の蒸す環境で発生しやすくなるので、夏の間は夕方に葉にも水をかけて、温度が上がって蒸れるのを避けましょう。
もみじ盆栽の飾り方
盆栽は、古くは床の間を置き場所としていました。掛け軸とともに飾り、季節を楽しんだものです。現代は床の間がない場合も多いですが、その分置き場所の自由度が高くなりました。もみじ盆栽をインテリアの中に飾ってみてはいかがでしょうか。小さな雑貨と一緒に飾ると季節感が出て素敵です。ただし、盆栽を室内に飾る時には気を付けなければならないこともあります。
盆栽を室内に飾るときの注意
- 室内に飾るのは3日間くらいに留める
- エアコンの風が直接あたらない置き場所を確保
- 水やりは乾いたらが原則
鮮やかに色づく植物と並べて飾る
冬に差しかかる秋も深まったころ、もみじ以外の葉も美しく色づきます。鮮やかなポインセチアと赤く紅葉したもみじ盆栽を並べて置くだけで、目を引くインテリアになるでしょう。
置き場所を工夫して和の雰囲気に
室内の設えが洋風でも、黒い大理石などを置き、その上にもみじ盆栽を飾ると一気に和風の雰囲気が漂います。床の間のような純和風の置き場がなくても、一工夫で和の趣を感じさせられますよ。また、暗めの石に鮮やかな紅葉の赤が映えるのも見事です。
まずはミニ盆栽から始めよう
もみじ盆栽は春の芽出し、夏の緑、秋の紅葉、冬の寒木と一年中、鑑賞できます。手入れも簡単で園芸初心者でも育てやすい樹種です。山もみじやいろはもみじなど種類も豊富で、好みの素材も見つけやすいでしょう。これから盆栽を育ててみたい人におすすめです。もみじ盆栽に挑戦して、四季折々の美しさを楽しんでくださいね。
初心者が盆栽を育てるコツ
- 木の成長は1年単位です。枯れてなければOKの気持ちで気長に育てましょう。
- 水さえ切らさなければ、すぐに枯れることはありません。毎日、水を与える習慣をつけましょう。
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