千成瓢箪の育て方
ここからは千成瓢箪の育て方について紹介します。前にも触れたように、千成瓢箪は基本的な性質は瓢箪の基本種と変わらないため、育て方も基本的には通常の瓢箪と同じです。ただし小型種であるぶん、鉢植えやプランター、ベランダのような狭いスペースでの栽培に向いているという利点があります。ベランダに面した窓辺でプランター栽培すれば、緑のカーテンとしての活用もできますよ。
瓢箪栽培の注意点
千成瓢箪に限らず、瓢箪を地植えで栽培する際は、前年にウリ科の植物を栽培していた場所は絶対に避けましょう。なぜなら、ウリ科の植物は連作障害を起こしやすいからです。瓢箪はウリ科の植物なので、ウリ科の植物を育てていた場所に種や苗を植え付けると、連作障害でのちの成長に悪影響をおよぼしてしまいます。
育て方①栽培環境
千成瓢箪の理想的な栽培環境は、日当たりも風通しもよい場所と、水はけがよくウリ科の植物を育てたことのない土が基本です。瓢箪は非常に生育旺盛な植物なので、地植えで育てるほうがよいでしょう。千成瓢箪はプランター栽培が可能で、ベランダでも育てられますが、プランターは直径50cm以上の大きいサイズがおすすめです。
用土
千成瓢箪をベランダなどで育てる場合、プランターに植え付ける土は、赤玉土(小粒)5:腐葉土5の配合で作った土がおすすめです。地植えの場合は、植え付ける2週間前までに土をよく耕し、土壌の酸度調整とカルシウム補給のために苦土石灰を混ぜ込んでおきましょう。さらに植え付け1週間前に腐葉土や完熟堆肥をしっかりと混ぜ込んで、水はけをよくします。
育て方②植え付け(種まき・苗植え)
種まきの場合
千成瓢箪の種まきの適期は、4月~5月です。ただし、地域によっては種まきのタイミングがズレることがあるので注意しましょう。発芽適温が25℃~30℃と高めなので、寒さがなくなった時期が適期です。直に種まきすることもできますが、通常は育苗ポットに種まきして栽培し、生育の悪いものを間引いてから、庭やプランターに植え替えます。
育苗ポット栽培の手順
- 育苗ポットに土を入れて、3粒~4粒種まきする。
- 乾燥しないように水やりして育てる。本葉が1枚~2枚ついたら、もっとも生育のよい株1つを残して、あとはすべて間引く。
- 本葉が4枚~5枚ついたら、庭やプランターに植え替える。
苗植えの場合
千成瓢箪の苗植えに適した時期も種まきと同じで、4月~5月です。適期が来たら、用意した庭やプランターに植え付けていきます。まだ肌寒さを感じる時期に植え付ける場合は、株元にマルチングしたり、ビニールなどを被せたりして保温しましょう。なお、千成瓢箪は一年草なので、植え替えの必要はありません。
育て方③水やりと肥料
千成瓢箪の水やりは、土が乾いたら水を与えるのが基本です。プランター栽培の場合、夏など乾燥がひどい時期は水切れを起こしやすいので、朝と夕方の2回水やりしましょう。地植えの場合も、乾燥がひどい時期は水やりします。肥料は春~夏の生育期に施しましょう。1週間に1回のペースで液肥を与える、または1カ月に1回、株元に緩効性化成肥料を置き肥します。
育て方④誘引作業
千成瓢箪の植え付け後、つるが伸びてきたら支柱を立てて誘引します。ある程度の長さまで伸びたら、先端を摘心して脇芽の発生をうながしましょう。脇芽が伸びて子つるになったら、6節ほど伸びたところで摘心して、孫つるになる脇芽を発生させ、支柱から棚やフェンスに誘引します。伸びたつるは麻ヒモなどで固定しておくと、きれいに誘引できますよ。
育て方⑤収穫
千成瓢箪の収穫のタイミングの目安は開花後30日~45日です。ただし、収穫するタイミングは遅れても問題ありません。反対に早過ぎると、未熟で加工に向かない果実を収穫することになるので注意しましょう。最適のタイミングがわからない場合は、葉やつるが枯れてから収穫すればOKです。
育て方⑥病気・害虫
千成瓢箪で注意すべき病気はうどんこ病、注意すべき害虫はウリハムシとアブラムシです。特にうどんこ病は、梅雨の時期が過ぎた頃に発生しやすいので注意が必要です。つるをきちんと整理して、日当たりと風通しを良好な状態にたもつことと、定期的な薬剤散布で防除することを心がけましょう。
まとめ
千成瓢箪は育てやすく、ベランダでの栽培も可能な植物です。上手に育てて、独特な果実がかわいいグリーンカーテンを作ってくださいね。ハンドメイドが好きな方なら、果実を加工して素敵な作品を作りましょう。
出典:写真AC