らっきょうとは?
らっきょうは独特なにおいを持つネギ属の多年草です。分類上では野菜に含まれるため、食用として流通しています。らっきょうといえば、カレーライスの付け合わせや甘酢漬けとして定番の野菜です。そんならっきょうには、健康に効果がある栄養素が豊富に含まれています。
基本情報
種別 | 多年草(野菜) |
科・属 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 中国 |
和名 | 辣韭(らっきょう) |
別名 | オオニラ、サトニラ |
特性・用途 | 地植え、鉢植え |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
らっきょうの旬
気温が高い8~9月に植え付けるらっきょうは、冬越しした翌年の5~7月に収穫します。旬の時期は栽培する地域の温度や栽培方法によっても変わります。鱗茎(りんけい)が分球して小粒になったほうが味・香りがよいです。そのためらっきょうは、春より初夏に収穫したもののほうがおいしいといわれます。
栄養があるのは鱗茎
らっきょうの栄養がある部分は、土の中の鱗茎です。鱗茎とは農業用語でいう球根のことで、植え付ける場合も鱗茎を使います。鱗茎は成長期に作った栄養を蓄えたまま冬越し、翌年に分球すると収穫できます。小粒のらっきょうを作る場合、収穫は植え付けから2年目以降です。
らっきょうのおもな栄養
らっきょうは独特のにおいと辛味が強いので、基本的に生では食べません。しかし、豊富な栄養素が含まれているため、食べ方を工夫して毎日の食事に加えると健康維持に効果的です。ただし、らっきょうの栄養素は食べ方によって変化するものもあるので、注意してください。
栄養①アリシン
らっきょうに多く含まれている栄養素がアリシンです。アリシンはらっきょう特有のにおい・辛味の原因成分で、さまざまな効果・効能を発揮します。ただし、らっきょうのアリシンは加熱すると「アホエン」という栄養素に変わるため、食べ方に注意が必要です。
栄養②水溶性食物繊維
らっきょうは食物繊維が多い野菜ですが、中でも特に水溶性食物繊維を豊富に含んでいます。水溶性植物繊維にはさまざまな成分があり、らっきょうの場合は「フルクタン」が大部分をしめます。らっきょうに含まれるフルクタンは、ニンニクやゴボウなどの野菜にも多いです。
甘酢漬けにするとフルクタンは減少する
甘酢漬けはらっきょうの食べ方として人気がありますが、らっきょうに含まれるフルクタンは甘酢漬けにすると減ります。らっきょうの甘酢漬けを作るときに下漬けする過程で、フルクタンを分解する乳酸菌が発生します。そのため甘酢漬けしたらっきょうのフルクタンは、生らっきょうの1/6にまで減少するのです。
栄養③カリウム
らっきょうには、体にたまった余分な水分を排出してくれるカリウムが含まれます。カリウムが多い有名な野菜にはパセリやヨモギがありますが、どちらも苦みが強く苦手な人も多いです。その点らっきょうは苦みの強い野菜ではないため、毎日の食事に加えると健康管理に役立ちます。
栄養④ビタミンC
らっきょうに含まれる栄養素にはビタミンCも含まれます。ビタミンCは体の中で作れない栄養素で、毎日の食事でとることが重要です。ただし、らっきょうは加熱すると、ビタミンCの含有量が減ってしまいます。
栄養⑤サポニン
サポニンはらっきょうにも含まれています。サポニンは、おもに大豆などの豆類に多く含まれる栄養素として有名です。サポニンも健康によい効果・効能を持つ栄養素ですが、苦みが強い特徴があります。らっきょうはアリシンのにおいと辛味が強いため、サポニン特有の苦みが気になることほぼありません。
栄養⑥ナイアシン
ナイアシンは魚・肉・きのこなどに多く含まれる栄養素です。らっきょうにも100gあたり約2mg含まれています。ナイアシンの摂取量目安は1日15mgで、らっきょうの甘酢漬けなどを含めた和食中心の食生活をしていれば不足しにくい栄養素です。