モッコウバラの概要
中国が原産のモッコウバラは、枝の先に黄色や白色のかわいらしい花を咲かせる常緑性低木です。枝を伸ばして成長していくのが特徴で、アーチや支柱に誘引すれば、自分好みの形に仕立てられます。
基本情報
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 多年草 |
樹高・草丈 | 2m~10m |
花の色 | 黄色、クリーム色、白色 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、つる性、バラのアーチ、花壇の寄せ植え |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
特徴
モッコウバラは、ガーデニングや庭木として利用されているバラで、4月〜5月にかけて次々と花を咲かせます。バラの仲間ですが、トゲがないので、初心者にも扱いやすいのが魅力です。アーチ状に仕立てたり、鉢植えにして室内で育てたりするなど、自分好みの育て方ができます。花の直径は2cm〜3cmほどの大きさで、一重咲きや八重咲きなど、咲き姿もさまざまです。
名前の由来は?
モッコウバラは、漢字で「木香薔薇」と表記され、花から芳香がするのが特徴です。インドが原産の「木香(モッコウ)」の香りに似ているため、つけられた名前といわれています。
モッコウバラの代表品種・種類
①ロサ・バンクシアエ・ルテセンス
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ロサ・バンクシアエ・ルテセンスは、モッコウバラの品種のなかでも早咲きの品種です。香りが強く、バラの開花シーズンを知らせてくれる植物としても親しまれています。
花色 | 黄色 |
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咲き姿 | 一重咲き |
②オールドローズ
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オールドローズは「白木香」とも呼ばれている品種で、純白の花を咲かせるのが特徴です。枝が長く伸びて花付きがよく、ネットや支柱に誘引すると、開花時期に一斉に咲き誇る姿を楽しめます。
花色 | 白色 |
---|---|
咲き姿 | 八重咲き |
モッコウバラの鉢植えでの育て方①時期
植え付けから開花までの時期
植え付け時期 | 10月〜11月 |
植え替え時期 | 10月〜11月 |
肥料の時期 | 6月〜8月 |
剪定の時期 | 6月〜7月 |
花が咲く時期/開花時期 | 4月〜5月 |
モッコウバラの植え付け時期は?
モッコウバラの植え付けは、10月〜11月に行います。苗木を購入したら、すぐに植え付けていきましょう。枝や根が、折れたり傷んだりしていないか確認してから植え付けます。
モッコウバラの開花時期は?
モッコウバラは、4月〜5月にかけて一斉に開花を始めます。白色や黄色の花がこんもりと咲き誇る姿がかわいらしく、優しい香りを漂わせてくれるのも魅力です。
栽培スケジュールカレンダー
モッコウバラの鉢植えでの育て方②栽培環境
栽培方法
モッコウバラは根の成長が早いため、鉢植えで育てる場合は、余裕をもって大きめの鉢を使用してください。また鉢が倒れてしまわないように、重みのある鉢を使用するのがポイントです。
植え付けのポイントは?
モッコウバラは枝を伸ばしながら成長するので、株元に支柱やネットをたてて誘引していきましょう。ワイヤーを曲げてハート型に誘引したり、アーチ状にして門のかわりにしたりと、自分の好きな形に仕立てられます。
育てる場所
室内・屋外/置き場所・日当たり
モッコウバラは、風通しと日当たりのよい場所で管理します。日当たりの悪い場所で育てると、茎だけが間延びして花付きが悪くなるので注意しましょう。また風通しが悪いと株が蒸れやすくなり、病害虫被害を受けて枯れる恐れがあります。室内で育てる場合は、カーテン越しの窓辺など、優しく日光の当たる場所がおすすめです。
用土
モッコウバラは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土を使用して育てます。市販されている「バラ用培養土」を使用すると便利です。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土を混ぜ込んだ用土を使用してください。
モッコウバラの鉢植えでの育て方③管理のポイント
水やり
鉢植えのモッコウバラは、土の表面が乾燥してからたっぷりと水やりをします。夏は水分が蒸発しやすいので、土の表面が白っぽく乾燥しすぎているようならば、朝と夕方の2回水やりをしてください。土が湿った状態が長く続くと、根腐れを起こして枯れる恐れがあるので、必ず土が乾いてから水やりをしましょう。
肥料
6月〜8月にかけて、緩効性の化成肥料を株元に適量与えてください。モッコウバラは肥料を与えすぎると株が弱ってしまい、肥料やけや、花が咲かない原因になります。まだ小さな苗の場合は、規定の分量よりも薄めてから与えても構いません。
害虫対策
アブラムシ
アブラムシは年間を通して発生しやすく、集団で寄生するのが特徴です。モッコウバラの成長に必要な栄養分を吸汁しながら、どんどん繁殖して数を増やしていきます。葉や茎にびっしりと発生する場合もあり、モッコウバラが枯れる恐れがあるので早めの駆除が必要です。
ハダニ
ハダニは、やや乾燥している時期に発生しやすい害虫です。葉の裏側などの見つけにくい場所に寄生するため、発見が遅れると大量発生している恐れがあります。水が苦手な性質を利用して、定期的に葉水を行い、ハダニの発生を予防しましょう。
病気対策
うどんこ病
うどんこ病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分がうどん粉をまぶしたように、白色の粉をふくので「うどんこ病」と呼ばれています。葉の光合成が妨げられ、放置すると腐敗が始まり、悪臭を放つようになるのが特徴です。うどんこ病に感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、早めに切り取って処分しましょう。
モッコウバラの鉢植えでの育て方④詳しい栽培方法
苗の選び方
モッコウバラをポット苗の状態で購入する場合は、葉の裏側までチェックして、病害虫被害を受けていない苗を選びます。葉が黄色や茶色に変色している苗や、元気がない苗は避けてください。白色の一重咲き品種は、とくに香りが強いといわれており、モッコウバラの香りを楽しみたい人におすすめです。
植え替え
植え替えは、植え付けと同じ10月〜11月に行います。鉢底から根が飛び出しているようならば、植え替えが必要なサインです。根を傷つけないように丁寧に掘り起こし、根についている古い用土を落としてください。ひと回りかふた回りほど大きな鉢を用意して、新しい用土を入れてから植え替えましょう。
植え替えは必要?
モッコウバラを地植えで育てている場合は、植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、1年〜2年に1回は植え替えます。
剪定
剪定の適期は6月〜7月です。夏が来る前に剪定すると、葉が減って病害虫被害を予防できます。枝が伸びすぎた部分や、葉が込み入っている部分を剪定し、樹形を整えていきましょう。思い切って株の半分程度の高さまで剪定すると、新しい枝が次々と伸びて、花芽をたくさんつけます。
夏越し
夏は育成期に入るため、枝をぐんぐんと伸ばして成長していきます。ほかの木や花など、枝が伸びて困る場所に巻きついてしまわないように、こまめに誘引や剪定をするのが重要です。耐暑性は強いですが、直射日光に長く当てると、葉焼けや水切れを起こしやすくなるので注意しましょう。
冬越し
モッコウバラは、冬前に下葉が枯れ込んできて、葉を少し落とす場合があります。春がくると、また新芽が生えてくるので心配いりませんが、葉があまりにもたくさん落ちるようならば対策が必要です。ビニールやバークチップを使用して、葉に雪や霜が当たらないようにマルチングをしてから冬越しさせましょう。
増やし方
挿し木
6月頃に挿し木でモッコウバラを増やしていきましょう。剪定で切り落とした健康な枝を使用しても構いません。枝の先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取り、下についている余分な葉を取り除きます。赤玉土などの挿し木用の用土に挿し、発根するまでは、適度な日当たりと風通しのよい場所で管理してください。
水挿し
モッコウバラは水挿しでも増やせます。節のすぐ下を斜めに切り取り、水に挿しておきましょう。毎日清潔な水に交換して、発根をまちます。水に浸かっている部分を暗くすると発根率が上がるため、透明容器を使用している場合は、タオルなどで包んでおくのがおすすめです。