水仙を食べたときの対処法
水仙を食べてしまったときの対処法は、すぐに病院へ行くことです。食べた量や部位、食べた人の年齢、体重などにより症状の重さが違いますが、死亡例もある植物なので、必ず病院へ行ってください。病院に行くときは、食べた水仙の残骸を持っていきましょう。有毒植物による食中毒を診察した医療機関は、どんなものであったのか、保健所に届け出なくてはいけないためです。
水仙を扱うときの注意点
水仙に含まれるシュウ酸カルシウムは、接触性皮膚炎になる可能性があります。かゆみやかぶれが出たり、腫れや水膨れになったり、発疹がでるのが症状です。水仙を庭に植えて楽しむ場合は、世話をするときに、ゴム製の手袋をすると安心でしょう。水仙の葉や花に触るだけでは症状はでませんが、球根や葉、根の液に触るとかぶれることがあります。
ボタニ子
水仙に似ている植物
①ニラ
ニラはヒガンバナ科ネギ属の多年草で、中国が原産です。葉は濃い緑色で、幅は約3mm~10mm、長さは30cm~40cmです。葉の根元はうっすらと赤く、掘り返すとい小さな鱗茎(りんけい)があり、そこからいくつかの葉が伸びています。8月頃になると、中央から50cmほどの花茎が伸び、小さな花の塊が半球状に咲きます。
ボタニ子
同じネギの仲間でも、アサツキの葉は丸くて真ん中が空洞で、ストローみたいなのよ。ニラの葉は平たいわね。
②ノビル
ノビルは、野の「蒜(ひる)」が名前の由来です。人が耕したり、手を加えたりした土地にいつの間にか自生する特徴があります。ノビルもヒガンバナ科ネギ属の多年草です。葉と球根の両方が食べられます。葉は平らで20cm~30cm伸び、球根は真っ白で下にヒゲがあり、1.5cm~2cmくらいの球体です。
ボタニ子
「蒜(ひる)」ってみたことある字でしょ?「大蒜(にんにく)」に使われてるのよ。
ボタ爺
だから、ノビルの葉や球根は、ラッキョやニンニク、ネギのような匂いがするんだの。
③行者ニンニク
行者ニンニクは、奈良県~北海道にかけて分布する、ヒガンバナ科の山菜です。行者ニンニクは育つのが遅く、天然もので食べられる大きさになるのに5年~7年かかりますが、近年は人工栽培もすすんでいます。葉の幅は3cm~10cmで、草丈は20cm~30cmです。葉の下部は赤く、鱗茎(りんけい)は白いですが、球体にはなっていません。
ボタニ子
どの植物も科属が同じだから、形状が似ているのかしらね。見分け方は何といっても匂いね。
ボタ爺
水仙の葉は匂いがしないのだ。ニラのようなニンニクのような匂いがしなければ、水仙の可能性があるから食べてはいかんぞ。
水仙の種類
ラッパスイセン
ラッパスイセンは、黄色や白の花を咲かせる水仙です。春になると3cm~5cmの花が咲きます。花は3枚の花弁と3枚のガクからなっていて、中央にある円柱形のものは副花冠(ふくかかん)です。縁がフリルのようになった副花冠の中には、6本のおしべと1本のめしべがはいっています。花弁が白く、副花冠が黄色やオレンジの花もあります。1本の茎に花は1輪です。
クチベニズイセン
クチベニズイセンは、副花冠が小さく皿のようにひろがっており、縁が赤く口紅を塗った唇に見えることから、この名前になりました。別名をポエティカスといい、最初の園芸栽培種です。古くヨーロッパでは、このクチベニズイセンこそが本当の水仙だといわれています。花は1本の茎に、1輪~2輪咲きます。白い花びらとガクに、赤い副花冠が映える水仙です。
可憐な水仙を愛でよう
水仙は寒い季節に、白や黄色、ピンクやオレンジなどの色を添えてくれる花です。球根を庭や鉢植にしておけば、数年はそのままでも同じ場所で花を毎年咲かせます。初心者でも気軽に育てられます。切り花としても人気があり、花持ちもよいです。精油や香水にしなくても、優しい甘い香りはリラックスさせてくれます。種類も多いのでいろいろな水仙を楽しみましょう。
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水仙を切ったり、球根を分けたりするとき汁が飛ぶかもしれないわ。マスクやメガネをつけていると安心ね。