高木2位:サクラ類
学名 | Cerasus |
科・属名 | バラ科・サクラ属 |
分類 | 落葉樹 |
原産地 | 東アジアなど |
サクラ類は、高木では日本で2番目に多く植えられている街路樹です。高度成長期に多く植えられた代表的なソメイヨシノのほかに、カワヅザクラ、ヤマザクラ、サトザクラなどがあります。古くから親しまれてきた花で、満開の頃の街並みが美しく、名所になっている並木もありますね。
ボタニ子
九州では高木の1位だね!
街路樹としての寿命
ソメイヨシノは街路樹としての寿命は短く、60~70年経つと病害虫が増える傾向があります。ほかの種類や、ソメイヨシノに似ていて病気に強い別の品種(ジンダイアケボノなど)に植え替える街路もあるようです。
高木1位:イチョウ
学名 | Ginkgo biloba |
科・属名 | イチョウ科・イチョウ属 |
分類 | 落葉樹 |
原産地 | 中国原産といわれている |
高木で最も多く植えられている種類は、イチョウです。明治神宮外苑(東京)や御堂筋(大阪)などが有名ですね。整然と並ぶ姿が街の景観を向上させるだけでなく、イチョウは水分を多く含み油分が少ないため耐火性が高い特徴があり、防災面でも街路樹に適しています。関東大震災の大火事でも焼け残ったことが伝えられています。
イチョウは、化石などから現生の樹木の中でも最も古くから存在していた木のひとつだといわれているよ!
ボタ爺
生命力が強い!台風の暴風で折れた巨木の切り株から新芽が出たエピソードは記憶に新しいぞ。
以上が高木のトップ8です。9位はモミジバウフ、10位はクロガネモチです。長く上位にいたプラタナスは、最新の調査では11位でした。
街路樹【中低木】6位~1位
中低木6位:セイヨウツゲ
学名 | Buxus sempervirens |
科・属名 | ツゲ科・ツゲ属 |
分類 | 常緑樹 |
原産地 | 地中海沿岸、西アジアなど |
セイヨウツゲは、ヨーロッパなどが原産のツゲの仲間です。日本には北米経由で持ち込まれ、1970年代に四国・九州を中心に広がりました。刈り込みしやすく、移植も容易なことから街路のグリーンベルトに植栽されています。丸みのある葉は明るい緑色で煙や乾燥に強く、耐火性も高いです。2007年の本数調査でトップ10入りし、以後ツゲやイヌツゲの数と入れ替わるように増えました。
中低木5位:ドウダンツツジ類
学名 | Enkianthus perulatus |
科・属名 | ツツジ科・ドウダンツツジ属 |
分類 | 落葉樹 |
原産地 | 日本など |
ドウダンツツジは、ツツジの仲間ですが落葉する種類です。痩せ地でも育ち乾燥や病害虫に強く、刈り込みに耐えられるため、街路や生垣として植栽されています。うつ向いて咲くベル型の白い花がかわいらしく、真っ赤な秋の紅葉が目をひきます。
中低木4位:サザンカ類
学名 | Camellia sasanqua |
科・属名 | ツバキ科・ツバキ属 |
分類 | 常緑樹 |
原産地 | 日本 |
カンツバキを含むサザンカ類は、秋~冬に咲く明るい花が親しまれている花木です。排気ガスや刈り込みに強く、成長が穏やかなことから街路樹にも多く植えられています。垣根のように列状に刈り込まれていたり、間隔をあけて円筒状に植えられたりしています。
中低木3位:アベリア類
学名 | Abelia × grandiflora |
科・属名 | スイカズラ科・ツクバネウツギ属 |
分類 | 常緑樹 |
原産地 | 親は中国原産 |
アベリアは、中国原産のアベリア・チネンシスとアベリア・ユニフローラの交雑種といわれ、日本の中低木街路樹のなかではいくつかの品種が3番目に多く植えられています。歩道と車道の境目の緑地帯や公園の生垣としてよく見られる木のひとつでしょう。常緑で刈り込みや排気ガスに強く、白い可憐な花が春~秋にかけて咲きます。
中低木2位:シャリンバイ
学名 | Rhaphiolepis umbellata |
科・属名 | バラ科・シャリンバイ属 |
分類 | 常緑低木 |
原産地 | 日本など東アジア |
中低木で2番目に多いシャリンバイは、日本などアジア東部に自生する常緑低木です。暑さや排気ガスに強く、刈り込みやすいため、中央分離帯や道路の緑地帯などに列状に植えられています。葉は艶やかで、枝の先端に集って付くのが特徴です。シャリンバイ(車輪梅)という名前の由来は、枝葉の様子が車輪を思わせることと、花が梅に似ているからです。
中低木1位:ツツジ類
学名 | Rhododendron |
科・属名 | ツツジ科・ツツジ属 |
分類 | 常緑樹または半常緑樹 |
原産地 | 日本などアジア東部 |
中低木で最も多く植えられている木は、サツキツツジやオオムラサキツツジに代表されるツツジ類です。緑地帯などに列状に多く植えられており、全国の中低木街路樹の45%を占めています。春には明るい花が周囲を彩り、公園や庭の植木としても親しまれている低木です。ツツジの多くの種類は刈り込みに耐えられ、病害虫に侵されにくく、排気ガスに強いだけでなく空気洗浄の効果もあります。
ボタ爺
低木の街路樹は列状に長く植えられていて、間隔を空けて植える高木よりも総数が多い。ツツジ類は日本で最も多く植えられている街路樹じゃ。
身近な街路樹に親しもう!
国土交通省の調査によると、日本の街路に植えられている高木は約550種類、中低木は約600種類です。全国の総本数ランキングでは上位にあらわれませんが、北海道ではアカエゾマツやトドマツなどの松やシラカバ、沖縄ではフクギ、リュウキュウコクタやホルトノキなど、それぞれ気候風土にあった樹木が多く植えられています。ぜひ身のまわりの街路樹を観察してみてくださいね。
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出典:写真AC