ビーツの食べ方
食べ方①茹でる
ビーツの食べ方として真っ先にあげられるのが、茹でることです。鍋にビーツが浸る程度の水、少量の塩と酢を入れて火にかけます。沸騰したところでビーツを入れますが、このときビーツは皮を剥かずに丸ごと入れるのがポイントです。皮を剥くとビーツの色素と栄養が流れ出てしまいます。そのまま弱火で10分以上茹で、竹串がスッと通るくらいやわらかくなれば茹で上がりです。
ビーツを茹でる際に酢を入れるのは、色鮮やかに仕上げるためです。また、茹でる作業は下処理にも利用できます。
ビーツの色素は衣服やまな板につくと落ちにくいんだ。調理の際は汚さないように注意してね。
食べ方②ホイル焼き
ビーツのホイル焼きもおすすめの食べ方です。加熱することで得られるホクホクした食感と甘味に加え、焼き料理ならではの香ばしい風味も楽しめますよ。ビーツは皮を剥かず、軽く塩をふってからアルミホイルで包みます。180℃のオーブンで40分~1時間ほど焼けば、ビーツのホイル焼きのできあがりです。
焼く前にビーツに十字の切れ目を入れておくと、芯まで熱が通って、きれいに焼き上がりますよ。
ビーツに甘味があるから味付けは塩だけでも十分だけど、風味付けとしてローズマリーやタイムなどのハーブを入れてもおいしいよ。
食べ方③生食
ビーツは生食も可能です。生のビーツの食べ方は、皮を厚めに剥いて食べやすい幅に切ります。甘味があって色も鮮やかなビーツは、サラダなどに使うとよいアクセントになりますよ。生でしか味わえないシャキシャキ食感も魅力です。ただし生のビーツには、土臭さとアクが強いという難点があります。臭いとアクは加熱でやわらぐので、気になる場合は下茹でしておきましょう。
ビーツの生食は、アクが少ない品種が使いやすいでしょう。白地に赤い渦巻き模様が特徴の品種「渦巻きビーツ」がおすすめですよ。
渦巻きビーツはアクが少ないうえに、ユニークな見た目がよいアクセントになるんだ。サラダに使うと効果的だよ。
ビーツのおすすめレシピ4選
レシピ①ポタージュスープ
ビーツのポタージュスープのレシピです。具材を煮込んだ汁ごと食べるスープ料理は、汁に流れ出た栄養も摂取できるため、理にかなっています。特に牛乳を使うポタージュスープは、まろやかな味わいでクセの強い材料でも食べやすくしてくれますよ。また、本来は白いポタージュスープの色がビーツで赤く染まるため、おしゃれな料理に仕上がります。
牛乳の量を増やすと、ポタージュスープの色がピンク色に変わります。好みで調整しましょう。
牛乳の量を増やすと味が薄くなるから、様子を見てコンソメを足しておこうね。
材料
ジャガイモ中一玉
玉ねぎ中一玉
バター15g
ビーツ中一玉60g前後
塩少々
牛乳100cc
水200cc
作り方
- 鍋でじゃがいもとバターをしんなりするまで炒め、水を入れて蓋をする
- ビーツは皮を剥かずに入れ、塩とコンソメを加えて材料に火が通るまで煮込む
- いったん材料をミキサーでかく拌し、鍋に戻す
- 弱火にかけ、牛乳を加えながら混ぜてできあがり
レシピ②サラダ
ビーツのサラダは、生のビーツの定番料理です。野菜が持つ栄養素のなかには熱に弱いものもあります。生の状態で摂りたい栄養を優先する場合、サラダは最高の料理といえるでしょう。クミンを使用したサラダは、相性がよいにんじんとあわせるのがおすすです。味付けがシンプルなので応用がきくサラダです。サンドイッチやハンバーガーの具材にもあいますよ。
材料 (二人)
人参1本
ビーツ 生使用 調理済みでも1/2個 200g
クミン少々
レモン汁1/2個
オリーブオイル大さじ1
美味しい塩小さじ1/2〜
胡椒適宜
あればパセリ1枝分
作り方
- ビーツとにんじんを千切りにする
- ボウルに入れて、すべての調味料と混ぜあわせたらできあがり
レシピ③ジュース
栄養豊富なビーツは、ジュースやスムージーにもよく利用されます。バナナとりんごジュースを組み合わせることで、より飲みやすいジュースに仕上がります。材料自体に甘味があるため、甘味料を加えなくても大丈夫な点も魅力でしょう。作る前にすべての材料をしっかり冷やしておくと、よりおいしいジュースになりますよ。
材料 (一人分)
ビーツ30g
バナナ1/2本
りんごジュース150ml
作り方
- ビーツは皮を剥いて2cm角に切り、バナナは輪切りにする
- ビーツとバナナ、りんごジュースをミキサーに入れ、30秒~60秒ほどかく拌したらできあがり
レシピ④ボルシチ
ボルシチはウクライナやロシア、ポーランドなど東欧諸国の伝統的料理で、ビーツを使う料理の代表格です。スープ料理としても有名で「世界三大スープ」の1つに数えられています。栄養価が高く体を温める効果もあるため、寒さの厳しい東欧諸国で広く愛されてきました。ビーツパウダーを使えば、簡単に本格的な料理に仕上がりますよ。
日本では生のビーツが入手しにくいため、ビーツパウダーで代用しています。ボルシチが伝わった当時もトマトで代用していたんですよ。
ボルシチなど煮込み料理に使うじゃがいもは、煮崩れしにくいメークインがおすすめだよ。
材料 (2人分)
ビーツパウダー大さじ2
牛肉100g
じゃがいも1/2個
にんじん1/2個
玉ねぎ1/2個
キャベツ100g(1/8玉)
セロリ1/2本
トマト1/2個
塩小さじ1/2
コショウ適量
サラダ油大さじ1/2
コンソメ顆粒小さじ1.5
水750㏄
作り方
- トマトはサイコロ切り、それ以外の野菜は千切りにする
- 鍋にサラダ油を敷き、肉を軽く炒める
- さらに野菜を加えて炒める
- 水を入れてコンソメを加え、アクを取りながら1時間煮込む
- 様子を見ながら、ビーツパウダーを少しずつ加えていく
- 味見をして、塩コショウで味を調える
- 器に盛りつけたらできあがり
ビーツに似てる野菜
見た目が似てる野菜:カブ
ビーツに似てる野菜で真っ先に名前があがるのがカブです。丸い根の形状がよく似てるうえに、カブには根が赤い品種があります。しかも日本ではビーツを「赤カブ」と呼ぶこともあるため、ビーツをカブの仲間と勘違いすることも珍しくありません。しかし、この2種類はまったくの別物です。ビーツはヒユ科、カブはアブラナ科と、植物学上は別種の植物に分類されます。
味が似てる野菜①とうもろこし
とうもろこしはビーツの味を表現する際に、よく名前があがります。ビーツの甘味をほかの野菜にたとえる場合、必ずといっていいほど出てくるのが「とうもろこしの甘味に似てる」という表現です。しかし実際のところは、とうもろこしよりもビーツのほうが糖分を多く含んでいます。
味が似てる野菜②じゃがいも
加熱したビーツの味や食感に「似てる」と評されているのがじゃがいもです。ビーツは生の状態だと土臭さとアクがあり、食感もかたくシャキシャキしていますが、加熱すると臭いとアクが消えて甘味が増し、食感もホクホクとやわらかく変化します。優しい甘味とホクホクした食感が、じゃがいもにたとえられるのです。
ビーツの甘味を堪能しよう
ビーツは日本ではなじみが薄く、あまり流通していません。しかし栄養価の高さと優しい甘味は、これからますます注目されるでしょう。まさに「奇跡の野菜」です。機会があればビーツで栄養満点の料理を作って、おいしさと栄養をたっぷり堪能しましょう。
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出典:写真AC